ヤンデレでメンヘラな俺と普通(仮)の彼女の話

猫城

プロローグ

プロローグ

「あ……懐かしいもん出てきたな……」

12月に入りいよいよ今年も終わるからと大掃除を地道に始めていた俺は部屋の一角に纏められたゴミや使わないものを閉まっている段ボールの中から厳重にガムテープで止められた一つの段ボールを見つけた。

寝間着も兼用してるジーンズからカッターを取り出しガムテープを切り段ボールを開ける。

その中に入っていたのは俺の中学の卒業アルバムや中学校入学してから高校2年生までの写真の数々だった。

その段ボールに入っている写真には例外無く俺の顔だけが黒のボームペンで強引に塗りつぶしてあった。

「懐かしいな……まぁ、もう要らないし捨てるか、つか卒アルって普通に捨てていいのか?」

そう言いながら俺は可燃ごみのゴミ袋の口を広げ卒業アルバム以外の写真を全てゴミ袋に飲み込ませる。

最悪で苦しくて辛くて、生きていたくない自分と決別するように。







外ではいつの間にか雨が降っていた。

今も昔も嫌いな雨、ジメジメとして、濡れたら冷たい雨、でも俺にとって雨の日は色んなことがあった。

彼女に告白された日も、彼女と初めて二人で祭りに行った日も………









これは嘘のようで、ホントにあった話、俺と彼女との思い出話。俺の大切な思い出話




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