光を取り返す物語

死獣とは何なのか、突如現れた少女は誰なのか、そもそも、なぜ夜うまれだけが死獣と戦わなくてはならないのか。
歯切れの良い文章と謎にひきこまれ、一気に読みました。

昼を生きられない不完全な存在として虐げられ迫害される夜生まれの人々。それでも彼らは生き続ける。
「自分で自分を殺すな」
このセリフがとても印象的でした。
登場人物それぞれ、昼と夜に別れた世界に抱く想いがあって、なぜ生きるのかという理由がある。
登場人物の心の糸が複雑に絡み合って、重厚感のある世界を組み上げて行く様は圧巻でした。

未来を物語にした、現代の国取り物語のような、不思議な物語。
希望は多分、使いこなすものなのでしょう。

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