書籍化記念番外編

番外編 一路

※このエピソードは、本編の重大なネタバレを含んでいます。

 Web版及び書籍版本編を未読の方は、その点ご注意ください。






◇ ◇ ◇ ◇






 あの日、国営放送を流しっぱなしにしていたテレビジョンから、聞き慣れない警報音が出たのを覚えている。


 家に人が少ないせいか、いつもよりも軽い洗濯籠を運んでいる最中だった。スリッパをぱたぱた言わせながら私がリビングに戻ると、いつもは落ち着いた声でニュースを伝えているアナウンサーが、しどろもどろしながら同じ文言を繰り返している様子が映っていた。私はそのニュースの内容を聞いて、思わず洗濯籠を落としてしまった。


『午後3時半、大共亜帝国より宣戦が布告されました。同時にわが国は先制攻撃を受け、都内に敵軍隊が侵入しています。朝廷政府は戒厳令を布告。各地で留人を使用したテロ行為も散見されるため、住民の方は国軍の誘導に従いただちに避難場所へ……』


 戦争、テロ、戒厳令、避難。


 そんな、おおよそ聞いたことのない単語がずらずらと耳に飛び込んでくる。呆然としながら、目の前に散らばる洗濯物をかごの中に戻す。さっきまで夕飯の献立を考えていた頭は、突然飛び込んできたタスクを受け付けてくれない。


『次の地区の住民の方は、ただちに避難を行ってください』


 アナウンサーの語調が強くなる。先に身体は事態を飲み込んだらしく、ぼんやりとテレビジョンを見つめながらも体温が上がってくるのが分かる。血のめぐりが良くなり、頭の回転が少しだけ早くなる。


 画面には、碁盤の目のように並んだ都の全体図の内、海側の3分の1にも及ぶ地域が赤く点滅しているのが見えた。


 一体この街にどれだけの人間が住んでいるのか分かっているのだろうか。こんな大雑把な避難指示は、現実的に何の意味も成さないだろう。


「ケイ!」


 すると時間差で理解を始めた頭が、私に息子の名前を叫ばせた。ケイの高校は海側の国道沿いにある。しかも今日は平日だ。もしや既に戦闘地域に入っているのではないか。汗が毛穴から吹き出し、焦りが視界を歪ませる。


 そこでやっと、幸か不幸かケイは今家出をしていて、都に居ないということを思い出した。


 安堵、溜息が自然と出る。


 緊張と緩和が同時に訪れたせいで、心臓は鼓動の強弱を決めあぐねている。


 次に、ここ数日仕事場から帰って来ていない夫のことが頭に浮かんだ。彼は国軍の研究部に属する研究者だ。もしかしなくても、この事態に巻き込まれていることだろう。連絡を取れるだろうか。


『また、敵は留人兵器るじんへいきを投入しているとの情報も入っています。……いざとなれば、家族であっても見捨てる勇気を持ってください!』


 必死に呼びかけを続けていたアナウンサーは、そう言ったきり立ち上がって一礼をすると、画面から消えてしまった。後には、遠くで言い争うような声と、誰も映っていないスタジオの映像だけが流れる。


 しばらくすると、それも消えた。砂嵐がざあざあとリビングに響く。


 いよいよ危機が迫っていることを実感した私は、慌てて立ち上がり電話機の元へと向かう。


 夫の職場に繋がる電話番号を、暗唱しながらかける。


 繋がらない。


 もう一度かける。繋がった。


 受話器越しにも分かる切羽詰まった声が出る。若い男の声だ。恐らくは何人か居る助手の一人だろう。夫の名前を伝えると、しばらくして聞き慣れた声が出た。


「ちょうど、こちらからかけようとしたところだ」


 ずいぶんと憔悴した様子が声色で分かった。


「一体何がどうなってるの、そっちは大丈夫なの?」


「そんなのこっちが聞きたいくらいさ。軍の内部でも情報が錯綜してるんだ。詳しいことは機密で話すことは出来ないが、絶望的なことは間違いないね。ここも今は無事だけれど……1時間後には死者で埋め尽くされているかもしれない」


 夫の言う死者、とは留人のことだろう。先程テレビジョンで聞いた、留人兵器という言葉を思い出す。その意味を正確に知る訳ではないが、非常に危険なものであるということは私にだって分かった。


「死者だなんて、そんな」


「海沿いの地域は、既に壊滅状態だそうだ。こんなことを言うのも変だが、あの子が家出してくれてて助かったな。後は弁明の機会があれば良いんだが……まずい、私用で使ってるのが上にバレた。すぐ連絡し直すよ」


「待って! 私はどうすれば良いの」


「今のところは大丈夫だろうが、戦況次第でそこも避難地区になるかもしれん。南下してとにかく都から離れるんだ。それと、あまり国軍は頼るな。危険な避難所に押し込められちゃ敵わんからな。それじゃ」


 そう言って電話はぶつりと切れる。

 

 かけ直してはみたけれど、自動音声が流れるばかりで繋がる気配はなくなってしまった。


 深呼吸して状況を整理する。

 

 夫は無事。


 息子も、きっと無事。


 うん、とりあえずそれが分かっただけ十分だ。


 すぐに着替えをする。白いブラウスにデニム。動きやすい格好をした上で防災用のリュックを背負う。準備よし。


 一応戸締まりをしっかりと確認して外に出ると、道路のいたるところで井戸端会議をしているのが見えた。皆、突然の話をまだ受け入れられずにいるみたいだ。遠くでは拡声器越しに国軍の声が聞こえる。近所にある小学校に避難するよう誘導しているようだった。


 夫は、国軍を頼るなと言っていた。それに避難所は危険だとも。確かにあの小学校は災害時の避難場所に指定されているけれど、市街地の戦争なんてそもそも想定していないはずだ。しかし、周りの住民達は声に導かれるままに移動を始めている。さあ、どうするべきか。


 すると、行動を決めあぐねている私の前に、泣きながら歩く女の子が現れた。膝を擦りむいており、その腕の中には薄茶色の毛をした子猫が抱えられている。


「どうしたの、お父さんお母さんは?」


「わかんない。あっちから来たの」


 そう言って後ろを指差しながら、彼女は顔を真っ赤にして泣くばかりだった。差された先の道を見ても、そこに人影は見当たらない。迷子になってしまったのだろうか。


「あっ……!」


 その時ニャーと小さな鳴き声を上げ、ゆるんだ彼女の腕の中から子猫が飛び降りた。そのまま子猫は彼女が来た方向へと走り出していく。


「ミーちゃん!!」


 私が猫を目で追うのと同時、女の子がその後ろ姿を追って走り出す。子猫とはいえ、人間より脚は早い。あっという間に遠くにまで走っていき、突き当たりを曲がって見えなくなってしまった。


「待って、あんまり離れちゃ駄目よ!」


 引き留める声など聞こえないように、女の子はよたよたと駆けていく。仕方なしに私も彼女に声をかけながら子猫を追う形になった。ほとんどの住民が既に避難をしたのか、不気味に静かな街を二人で走っていく。そして突き当たりを猫が行った方向に曲がった所で、私は女の子の手を乱暴に掴んだ。


「いたい!はなして!」


「駄目よ、静かにっ……」


 私は女の子の身体を抱きかかえるようにして、じりじりと後退していく。何故なら道が人で溢れていた――いや、正確には魂を失った留人で溢れていたからだ。


 ボキボキと骨を軋ませながら、私達二人を認知した彼らは歩み寄ってくる。黒い服を纏い、頭に簡易な防具を身につけている彼らは、明らかにただの死人ではない。戦争に用いる為に加工が施されている死体兵器であることが分かった。


 折り重なり、一つの生き物のように手を足をばたつかせるその異様な姿は、死人を知らない子供にも恐怖として映ったのだろう。子供特有の甲高い悲鳴が辺りに響き、彼らの動きをより活発化させる。


「逃げるよ」


 彼女の口を押さえ、背中におぶって元来た道を走る。狭い住宅街の道路の向こうから装甲車がゆっくり走ってくるのが見えた。拡声器からは、まだ避難を促す声が響いている。まさか、こんな近くにまで留人が来ているとは思っていないに違いない。彼らが、付近に散らばっていた死者達を一箇所に集めてしまったのだ。


「拡声器を使うのをやめてください! この先に群れが来てますよっ!」


 恐らくは前線から外された新米なのだろう。道路の向こうに見えた異形の群れを認め、若い兵士達が顔色を変えている。


「す、すぐに小学校へ。そこで軍の指示に従ってください」


「分かった、あなた達は?」


「我々は軍人です。あなた達を守るために居るんです。さあ、早く!」


 促されて避難所へと向かう私達の背中から、激しい発砲音が鳴り響いている。あれじゃ駄目だ、そのまま際限なしに留人達が集まってしまう。


 国軍の兵士は、沢山の留人を相手に戦うのは始めてなのだろう。既に都中に留人が溢れているとしたら、こんな住宅街の真ん中で相手をするのは無茶だ。焼け石に水にもなっていない。


 振り返り、兵士達にそのことを伝えようと思った時、背中で黙っていた女の子がきゅっと私の肩を掴んだのが分かった。……駄目だ、この子を救わなくちゃいけない。強い使命感に胸が支配され、私は頭を振ってひたすらに小学校への道を進む。


 目の前の命を守りたい。私の家系の人間は、皆同じ気持ちを持つように出来ている。なんでも人を助けたいという衝動が、遺伝子に強く刻まれているらしい。


 やっとの思いで小学校に着くと、既に何台もの装甲車が学校をぐるりと囲んでいて、屈強な兵士達が校庭にキャンプを造り上げているところだった。


 良かった。ここなら安心して避難出来そうだ。そう思って女の子を背から降ろし、真っ赤な顔をした彼女の肩を撫でながら優しく声をかける。


「もう大丈夫、きっとお父さんお母さんもここに避難してきてるはずよ」


「ほんとに?」


「本当。ねえあなたのお名前は?」


「ミキ、さいじょうミキ」


「ミキちゃんね、分かった。一緒に捜しにいきましょう」


 震える小さな手を握り、避難所となっている小学校の体育館へと向かう。そこには、到着した姿のままであちこちに座りこんだ住民達の姿があった。誰の目にも不安と困惑が貼り付いている。突然壊れた日常を受け入れられていないのだろう。それは私も同じだった。目の前で留人を見てきたにも関わらず、数日もすれば元の生活に戻れると思っている。戦争が起きているというのに、誰かが何とかしてくれるだろうと暢気に考えている自分が居るのだ。


「さいじょうさーん、さいじょうミキさんのご両親は居ませんか-!」


 体育館中に聞こえる声で呼びかけるが、返事はない。不安げにこちらを見上げるミキちゃんと一緒に小学校内を回ったが、ついに彼女の両親を見つけることは出来なかった。


「今日はここでおばちゃんと休みましょ、明日になればきっと会えるわよ」


 私には、幼い彼女を慰める為、何の根拠もない励ましをすることしか出来なかった。幸いなことに疲労していたのか、すぐに小さな寝息が横から上がった。それに反して私はいつまでも眠れず、外から時折聞こえる物音に怯えながら朝を迎えた。


 そして避難者達の動きが静まる明け方、私はその異変に気がついた。体育館の窓際にもたれていた私は、外で兵士達のささやくような声を聞いたのだ。


「……撤収だ……戦線後退……」


「……しかし……置き去りに……」


「かまわん、上からの命令だ」


 最後の上官らしい男の声だけがはっきりと聞き取れた。


 逃げるつもりだ。


 私達を置き去りにして。


 私は咄嗟に、横で眠るミキちゃんを見つめ、そしてその小さな身体を持ち上げた。顔をしかめながらも、彼女は夢の世界に沈んだままだ。


 体育館は二階に位置していたので、私は出来るだけ物音を立てずに移動し、外へと出た。すると校庭に広げたキャンプはそのままに、沢山の兵士達が装甲車や運搬車に乗り込んでいくのが見えた。その中には、軍の身内と思われる民間人の姿もちらほらと見受けられた。やはり限られた人数だけを連れて、ここから逃げるつもりなのだ。


「逃げるんですか」


「……逃げるのではない、体勢を一度立て直すのだ」


 校舎から出て来た私を見て、明らかに顔をしかめたのは先ほどはっきり聞いた声の主らしい、角刈りの軍人だった。


「他の人達は置き去りですか。まだ沢山中に残って居るんですよ。安全な場所に誘導くらいしても良いんじゃないですか?」


「安全な場所など、もうない」


 男は苦々しげに言って、そして私の背中に目をやった。


「子連れか……乗れ。都の外まで送ってやる」


「……私は、親じゃありません。でも、この子はお願いします。両親とはぐれたそうです。あとは、軍の避難ルートを記した地図と、戦う為の武器をいくつか置いていってください」


「自分が何を言っているのか分かってるのか?」


「そちらこそ。ここで大声を上げてもいいんですよ? 国と国民を守るはずの兵士が、私達を置いて逃げていくぞって」


「ふん……分かった好きにしろ」


 結局、軍用の大ぶりなナイフが10数本と、使えるのか分からないが手のひらに収まる程度の拳銃を数挺残し、軍人達彼らは去って行った。寝ぼけ眼のままトラックの荷台に揺られ遠ざかっていくミキちゃんを見送った私は、体育館へと戻って大声を上げる。


「皆さん、起きてください。兵は逃げました。私達もすぐここから脱出しましょう」


こうして死の街と化した都から、私達は徒歩で脱出を試みることになったのだった。





 最初50人近く居た避難者は、留人兵器によって殺され、そして起き上がった新しい留人の群れと対峙することになった。


 倍々ゲームのように膨れあがっていく死者に街が埋め尽くされていく様子を見せられ、気が触れる者も居た。安全に歩ける道は少なく、安心して夜を越せる場所はさらに少ない。毎日何人もの仲間が留人の手にかかり命を落としていった。


 やがて、都を順調に占領していく敵軍の兵士が追いついて来ると、彼らは邪魔になった留人と一緒に、民間人であるはずの私達を面白半分に撃ち始めた。


 大きな口径の銃で撃たれ、冗談みたいにばたばたと目の前で人が倒れた。


 そして10人以下になった私達は、ついに半ば瓦礫と化したショッピングモール内に閉じ込められてしまっていた。


 外からは、異国訛りの強い言葉で笑い合う敵兵の声が聞こえている。


 私は残り少ない仲間を励ましながら、先程からやけに痺れる手足を引き摺るように建物の奥へと進んでいった。


「鈴原さん、あたしぃ、もう、らめです」


「大丈夫、きっとここに隠れてれば、連中もどこかへ行ってくれるはずよ」


「ははは、もお無理ですよ。それにほら、私達みんなぁ……」


 そう言って、元は花屋のアルバイトをしていたというトモコちゃんは手のひらをこちらにかざして見せた。そこには、歯形に沿うように肉が千切られ、指が三本だけになった右手があった。ここに逃げる前、留人に負わされた傷だ。


「鈴原さん、じぶん、先に逝ってます」


 彼女の横で、息子と同い年のタクマくんが拳銃をこめかみに当てて、その引き金を引いた。スパンと短い音と共に、命がまた失われる。


 腹部がズキズキと痛い。


 見れば白いブラウスが、ぬらぬらと血で真っ赤に染まっていた。その下をめくれば、しっかりと歯形が残っているだろう。しかし、確かめる気力も、もうない。


 私達は今朝方、敵兵に追われるまま留人の群れに突っ込む形になった。結果として命は繋いだが、皆がそれぞれ留人に噛まれてしまった。遅かれ早かれ私達は、ここで全滅することが決まったのだ。


「ねえ鈴原さん、かぞくって、いますか」


「ええ居るわ。主人と息子が一人」


「いいれすね、わたしにも、おとうとがひとり……」


 言い切る前に、トモコちゃんは泡を吹き、がくりと項垂れて動かなくなった。


 1人、また1人と命を亡くしていく中、私だけは意識を保ったまま、彼らの最期を看取り続けた。


「ゆるさぁない」


 私も、いよいよ呂律が回らなくなってきた。


 それにしても憎い……憎い、憎すぎる。


 日常を奪った者が、理不尽に命を狙う者が、なにもかもが憎い。


 わずかに息をしていた最後の一人が、うつ伏せに倒れたのはいつだったろうか。


 ずいぶんと時間が経った気がするし、経っていない気もする。


 私は腕時計を確認するが、とっくに秒針は音を止めていた。


 すると口元に泡を付けたトモコちゃんが、ゆっくりと起き上がって言った。


『あれから半日経ってますね、どうやら夜は明けたみたいです』


 うつ伏せになっていたコウジくんも、そのままの体勢でいう。


『あいつらまだ外に居ますね、近くにキャンプがあるみたいだ』


 そして順番に皆が蘇ってきた。私はとても嬉しかった。


 結局、頭を撃ち抜いて死んだタクマくん以外は皆よみがえった。ああ、タクマくんは何てもったいないことをしたのだろうか。


 いつの間にか、手足のしびれは取れていた。身体が羽のように軽い。


 そして、憎しみが心地よい。


 私達がショッピングモールの外へ出ると、いたるところから生存者達が集まってきた。皆こっそりと隠れて生き延びていたのだろう。私の後ろをゆっくりと歩く彼らを従えて、私は敵兵のキャンプへと向かうことにした。


 こちらを見るなり、嵐のように銃弾を撃ち込んでくる彼らに、私達はひるむことなく進んでいった。私はその先頭を走り、邪魔をする連中の頭を率先して握りつぶしてやった。手の中で破裂する感触が気持ち良かった。


 ……何時間経ったろうか、気づけば辺りに敵兵の姿はなかった。


 ついに、私達生存者が数の力で勝利したのだ。


 多くの生存者達が、死んだ敵兵の肉を千切っては口に運んでいた。でも、それも仕方ないと思う。それくらいの残酷なことを彼らは私達にやったのだから。


『早く都の外に逃げなくちゃね』


 トモコちゃんが大きく口を開けたまま、空を見上げながら言った。


『鈴原さん、俺達一体どこへ行けば安全なんですか』


 コウジくんが首を揺らしながら聞いてくる。先程敵に撃たれたのか、下顎が付いていない。さっきから、どうやって喋っているんだろうか。


 私は同じように指示を待っている皆を眺め、すこし考えてから答えた。


「ぎがえりぢょお」

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限界集落・オブ・ザ・デッド ロッキン神経痛 @rockinsink2

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