新撰組が斬るのは人だけではない。妖<あやかし>もだ。

幕末の京都を護る新撰組。彼らの相手は、人間だけではなく妖にまで及んでいた。
己が願望を叶えるために、ヒトの理を逸脱してまで妖の力を求める仇たちが迫りくる。

人であり、人ならざる妖の相手をするのは、同い年の若き剣士。
病を得、自らも望んで妖の力を借りる天才剣士、沖田総司。
産まれながらに妖を斬る力を持つ「密偵」、斎藤一。

二人の壬生狼が、時には共に、時には個々に、
己が「誠」を背負って目の前の妖に対峙する。

確かな筆力と骨太な歴史知識に基づいて、史実の「If」を鮮やかに描き出したエンターテイメント小説。
新撰組の面々をはじめとし、歴史好きにはおなじみの、幕末を彩る人物や事件の「おもてなし」も心地よい。

新撰組が、沖田が、斎藤が、約束された破滅への環を歩みゆく。
幕末に咲いた浅葱色のあだ花に寄り添う、誠実で優しい鎮魂歌に酔いしれろ。



なんて書きたくなるくらい面白いお話しでした。
すっごいガッツリ歴史なのに、すっごく青春しています。
新撰組を知ってる方にも、知らない方にもおすすめです。

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