Session #01: 君の嘘を、真実に

PREPLAY

Preplay 00:「セッションがしたい!」

2016年11月某日——


 吹く風冷たい冬の夜。わたくし、みけねこは、東京・池袋にあるとある小劇場を後にしておりました。友人の企画した舞台を観劇した帰りです。公演の熱と臨場感に、時に大いに笑い、そして感じ入り——たくさんの刺激を受けての帰り途でした。


 どうも素敵な舞台を観た後というのは、様々、諸々、よりどりみどり。考えが考えを呼び、思索にふけってしまうものです。メインの劇の素敵だったところ、もっとこうだったらなと思ったところ——批判的な視点からの思考はいつしか、久しく感じていなかった「物語」に対する情熱を呼び起こしていました。そんな懐かしい感情をあらためながら、何か久しぶりに「物語を作りたい」という気分になっていたのです。


 その時思い出したのが、長らく遊んでいなかった「TRPG」のこと。そうしてわたくし、つぶやきました。某青い鳥のSNSで。


三毛猫

一年ぶりにtrpgしたいんじゃ

しのさき

@三毛猫 壁|д')そっ…

三毛猫

@しのさき しのさあああああああんんん


 釣れた。釣れました。

 まさかの釣られてくれた、ご友人。名をしのさきさん。長期掲示板型の人狼界隈でお会いし、ちょくちょく遊んでくれる方。人狼では低確率なはずの役職「妖狐」をよく引くというので、狐にたとえられたり、それにまつわるネタでいじられるところを時折見かけます。

 一年前にDX3基本ルールブック1掲載のサンプルシナリオを回したときにも、一緒に遊んでくださいました。


 ここぞとばかりに、しのさん遊ぼうよー、とみけねこ。最近しのさんもTRPGをアレコレやってらっしゃるらしく、ノリノリです。


 鉄は熱いうちに打て、とばかりに、卓のご相談はトントン進み、しのさんのご紹介でもう一人参加者が加わることに。グループトークを作っていざご対面です。


ねこんこん:はっ、はじめましてお初にお目にかかりますねこんこんと申します:(˙꒳​˙):

三毛猫:ねこんこんさん! 宜しくお願いします! お名前はかねがね。。。

ねこんこん:わたしもお名前だけは伺っておりました!!!!!

三毛猫:しのさんが叫んでるのを。。。

ねこんこん:しのさんが叫んでるのを。。。

しのさき:叫んでた。。。。。


 共通する知人をダシに、距離を近づける初対面2人の図である。


 ねこんこんさんは、これまた人狼のプレイヤーで、しのさんとは大変仲良し。「TRPGを一緒にやるなら」と、しのさんから真っ先に候補に挙がった方でした。


三毛猫:で、ダブクロやりたいとわがままこねてたらしのさんが釣れまして、ねこんこんさん巻き込んでみたと

しのさき:釣られて巻き込んでみました

ねこんこん:しのさんのしっぽに食いついて一緒に釣られました

三毛猫:あ、そういう構図

ねこんこん:そういう構図ですきっと


 狐のしっぽに食いついたんですね、きっと。


しのさき:(五分前くらいに声かけた)

ねこんこん:(五分前くらいに話を聞いた)

三毛猫:五分前wwww


 えらい巻き込まれかたである。


三毛猫:お二人はルルブはお持ちです?基本1,2かな?

しのさき:いえす基本1.2!

ねこんこん:基本1と2もってます!

三毛猫:おけです。以前PL2人相手に回そうとしたシナリオがあって、良ければそれで回してみようかな? などと思っております

しのさき:2人用素敵!!!!

ねこんこん:おおおおお!!:(˙꒳​˙):


 実は、PL2人を想定してのシナリオ、書いていたのです。身内向けシナリオだったけど、手直しすれば、単発のセッションくらいはできるかな? という目算で、見切り発車をすることにしたのでした。


+++


 いよいよ、人狼界隈のロールプレイ好きなメンバーばかりが集まった、ちょっと風変わりな「初心者セッション」が始まります。はてさて、どうなることやら——。

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