23:「そんなに優しくされたらぁ……♡ お姉さん、勘違いしちゃうぞっ!」

 下手な言い訳をしていると、いつの間にかエッチがすぐそばにぬっと現れた。歩いてきたのではなく、四次密度フォースデンスィティーから物理顕現したのだろう。まるでお化けだ。

 「あ、エッチ、居たんですかってうぉわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!? ちょ、ちょっと待って! なんでエッチまで下着姿!?」

 真っ赤なハートの形をした下着だけをまとい、エッチは、きめ細やかな全身の肌を惜しげもなく露出している。もう、俺の顔も真っ赤になってしまいそうだ。鼻血で……。

 そんな俺の気も(多分)知らず、エッチはひざ立ちで座り、腕を組んで無意味に胸を強調させた。

 「エッチです。モモさんのお姿を拝見し、その手があったかと思い至りまして」 

 「そんなおかしな境地に至らなくていいですから……!」

 「エッチです。しかし、貴方の内心は、このようなあられもない私の姿を見て、悦んでいらっしゃるようですね……ウフフ♡」

 どうも、心を読まれているらしい。高度な異星人には、その程度造作もないのか。

 「だ、だからって……本音と建前というか、節度というものがっ」

 「エッチです。やはり、私の下着姿で、貴方は情欲をかきたてられていらっしゃるのですね。あぁ、ウレシイです……♡ いっぱい見てくださいねっ♡ 私は、貴方のものなんですから……触りたければ、どこを触ってもよろしいんですよ♡」

 「さ、触るだなんてっ……! それに、『情欲』とか、いやらしい言葉を使わないでくださいよっ!」

 「そうよエッチちゃん。少年は、健全な男子高校生なんだから。むしろ獣欲のほうよね」

 と、モモさんがダジャレみたいなことを言う。

 「それはもっとひどい!」

 「エッチです。アナタ、とにかく私にもご奉仕させてください……♡ 貴方を愛したいキモチがぁ、ふふっ、止まらないんですぅっ♡ いいですよね? んむぅ、ん♡ にゅっクチュぅっ……♡」

 「うぷっ……!?」

 エッチは、俺のくちびるを奪った。避ける暇もない。

 「ンふふっ、ン~~~~~♡ アナタぁっ♡ 愛してますぅ……んちゅっ、ニチュニチュにゅちゅっ、はぁ~っ、ン♡ チュッ……にゅぢゅチュぅっ……♡」

 「んぷっ、ぅく……っ!」

 エッチのなめらかなくちびる&舌の感覚に、俺は圧倒された。

 「え~っ、『愛してる』って!? なんだぁ、やっぱり少年とエッチちゃんはそういう関係だったのね?」

 「んんっ、んん↑ん↓~っ!」

 「違う~っ!」と言いたかったのに、言葉にならなかった。おそるべきエッチの吸着力……!

 「ンちゅっヂュくくっ……にゅるんっ♡ はぁっ……♡ えっちです、ええ、私は彼を愛しています。しかしそれは、他の女性を排除するような、条件つきの愛ではありません。したがって、モモさんが彼を愛したとしても、私は一向に構いませんよ」

 「へぇ~。最近の高校生って、なんか進んでるぅっ!」

 「す、進んでるとか、そんなレベルじゃないでしょう!」

 俺は、やっとそう言った。

 進みすぎてて、ひとつ上の次元の存在なんだよな……。

 「あっ、少年のくちびる開いてるじゃないっ。私がもらっちゃお~っと♡ はぷっ……ンむ♡」

 くちびるを通して、モモさんの温かさが伝わる。にゅむっ、にゅむっ、とこっちの口の中にめりこんでくるくらいだ。

 「うううっ!?」

 「ンちゅっ、はむぅっ……ぁむっ、にゅちゅちゅ♡ ん~~~~~~っ……ぴちゅっ、チュパっ、れろれろれろくちゅくちゅくちゅ♡」

 酒に酔っていた昨晩とはちょっと違い、かなり丁寧な、こちらを嘗め尽くすようなキスだ。

 「うぁ、も、モモさんっ……!」

 「ん~~~どうしたのぉっ? クスクス……ぁむっ、ぅン♡ ぷちゅっピチュ、じゅぷじゅぷじゅぷっ……ふぅーっ、ふぅーっ……じゅくじゅくジュクっ、むちゅっれろぉっ♡ は~っ、シラフで本気キスするのもいいなぁ♡ 少年のおクチ、深いところまでよく分かっちゃうね~……ふふふふっ♡」

 にゅぷンっ♡ と、くちびるが離れる。唾液が床に落っこちる間もなく、今度はエッチが俺のくちびるに吸い付いた。

 「えっちれすぅっ……アナタぁ、私も忘れないでくださいね? はむぅっ……んぷ、んくっ……ちゅぷちゅぷちゅぷ……ぁ♡ はぁーっ、ンぢゅっ、れろれろれろっ……くちゅぢゅぅ♡」

 「んん~~っ!?」

 休む暇もなく、俺は交互にキスされた。かわいい女の子&美人の女性二人から、そんな風にキスされるということ自体、ヤバすぎる。でもその上、二人は下着姿なのだ。こんな破廉恥な姿、親に見られたら泣かれるな、きっと……。

 「ねぇ~っ、しょうねんしょうねぇんっ♡ 私だってぇ、まだまだイケるでしょぉ? キレイだよね~~っ? んぷっ、にゅるにゅる、ぷぁ、ァ~~~~~~~っ……❤ ふぅーっ、んっ、はぁっ……しょうねんとチューするの、お姉さんー、すっごいスキよぉ♡」

 「それはどうも……」とか当たり障りなく答えようとしたら、その前にエッチが俺の頭の向きをクルッと変えた。

 「はぁ~~~~っ……ン……❤ あぁっ、アナタぁ、もっとキスしてくださぁいっ♡ んぢゅっ、ちゅぅぅぅぅぅっ……ん、ハァッ……ニュぱぁっ、れろれろれろれろ♡ うふふ、女性二人を同時にお相手なさるなんて、貴方はすごい甲斐性ですねっ。私にも、アナタの愛情いっぱい注ぎこんでください……ンふっ……キャッ♡ 私のおクチ、貴方のモノにしてぇっ……♡ ンにゅむっ、ちゅぷぅ♡」

 エッチはくちびるで「ご奉仕」しつつ、内股をこすり合わせていた。下着しか履いてないから、そんな様子さえあからさまに分かってしまう。あ、あぁ……窓のカーテンとか閉めてあったよな? 俺は、その窓を振り返る余裕さえなかった。

 そして、さらにモモさんとキス。

 「ふぁっ、あぁっ……♡ しょうねぇん、私のこともかまってぇっ♡ ンにゅっぷちゅぷちゅっ……んふぅーっ、れるっ、にちゃにちゃにちゃ♡ ンぁっ、あ……ぁ~~~~~~っ❤ やぁっ、ァっ、すっご、いっ……❤ にゅぷん、ちゅぱちゅぱちゅぱっ……ンぐちゅりゅ♡」

 またまた、エッチとキス。

 「ンんっ、ん~~~~~っ……❤ ふぁぁっ……アナタぁ♡ アナタが大好きな私の気持ち、受け取ってくださいぃっ……♡ にゅぷっぶちゅぶちゅちゅっ……ンっ、ん、ンにゅぅぅぅぅぅぅぅ……っ♡ やぁっ、アナタとおクチを重ねるとぉっ、頭がピリピリしてぇ……あはっ♡ ワケが分からなくなっちゃぅんですぅ~~~っ……♡ にゅぽっ、にゅぷっ、んちゅっチュぅぅぅぅ~~~~っ♡」

 「ううっ、んぶっぷっ……!」

 ワケが分からないのは俺のほうだ。けれど、返事もできない。

 そして……。

 モモさんが、にゅくぅぅぅぅっ! とくちびるを強く押し付けた。

 「やぁ~~~ンっ♡ もっと、もっとチューしましょうよぉ♡ んむっ、はぁーっ、にゅるにゅるじゅぷじゅぷぷっ、ンっ……くちゅっ、チュクチュクチュク♡ ぁぁ~~~~~~っ……❤ すごーい、すっごいよぉ、しょぉねぇんっ♡ もっとぉ……キス、してぇ?」

 俺に吐息を吐きかけながら、モモさんは切なそうに言った。ここまでお願いされて、断れるわけがないだろう……! 俺ってお人よしだな。 「んんっ……モモさん、モモさんっ……!」

 「はぁっ、ンあぁぁぁ♡ しょうねんっ、しょうねぇんっ……♡ んにゅっ、プちゅ、ふぁ~~~っ、あむっ、クチュクチュれろれろっ……♡ そんなに優しくされたらぁ……っァ❤ お姉さん、勘違いしちゃうぞっ……! あむっ、ンぷっ、ちゅくちゅくヂュクぅ♡ あんまりぃ、女の子に優しくしすぎちゃ、ダメなんだからねっ? ぁんっ、キャぁんっ♡ にゅぷっ、ちゅっちゅっ、ぁ、ふぁぁぁぁぁ~~~~~~っ……❤ あぁ~っン♡ お姉さん、もうガマンできないよぉっ……しょおねぇんっ、んぷっ、いやぁっ、ンああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~っ…………❤」

 お姉さんがくちびるを離すと、すかさずエッチが割り込む。

 「ンふふっ、アナタぁ♡ また接吻奉仕キスサービスを遂げられましたね? でもォ……ンふっ♡ 私もガマンでできないですぅ……ん♡ ぢゅぱっ、にゅくにゅくにゅくっ、はぁーっ……れるっ、ぺろぺろぺろンにゅ♡ モモさんのついでに、私にもっ、アナタの愛情い~~~っぱいくださぁい♡ ぷちゅっ、ン、はぁ~~~~~っ……❤ アナタ、あなたぁ、ぁ……あ♡ ぴちゃっ、ぴちゅっちゅっ、ン……ぁぁぁぁっ、らめっ、らめぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ、ヤぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~っ…………❤」

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