第3話何事もない日々が続いて、ふとある日昔の心苦しさを思い出した


半ば引きこもりの生活が何年も続いて、

相変わらず精神科医にはお世話になっていた。


ただ、ドクターショッピングを続け、

ようやく今の柔和な笑顔で話を聞いてくれる医師と出会って、

これまでは抗うつ剤やら安定剤など、数々の薬を飲んでいたが、

その医者にかけこんだ際、今までの薬の中から睡眠導入剤だけを持って、

医師に呼ばれて診察室へと入ったとき、その薬をばっと出して、

「この薬を処方してください!」

と言った。



私の考え方なら、どれが効いてどれが効かないとかわかってる。

医者側からすれば、嫌な患者っていう風に思われるかもしれないけど。

でももう、例えば抗うつ剤を飲んで、

ぼーーーっとする時間がもったいないと思ったから。

ホントにぼーーーっとしちゃって、なにもやる気が起きない。


だから、私は薬を引き算した。

眠れれば、何とかなるから。



ある日、事情があって、ある患者さんの付き添いで、大きな病院へと行った。

そこで、管理栄養士さんと話をしたとたんに、気づくと過呼吸になっていた。

栄養士さんにはわからないであろうが、

私の中では過呼吸と失語症が混ざり合って、

話が支離滅裂だったし、途中だんまりになることもあったが、

それでも何とか切り抜けた。


その時の感覚が、はるか昔の小学生だった自分と「ダブった」。


ああ、こういう感覚だったんだな。

今まで私は恵まれた状況にいたんだな。


たとえ引きこもり気味だったとしても。


そんな風に思っちゃったんだ。








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