#6 BTL_side-Yukito

 なんつーか、…もう間違いなく厄日って奴だ。

 客観的な現実は知らないけれど、気分的には間違いないし――何ならマジで、もういいよ何だって。


 そんな感じで今日は何をやってもダメな気がする。あれか? 仏滅ってやつなのか?

 別段、特定の宗教を信仰しているつもりはないけど――とりあえず、帰ったら代々の先祖を祀った仏壇でも拝んでみようと思うレベルで上手くいかない。


 それともインスタント的に星座占いでもチェックしてみようか。

 いや、もう遅いか。転機ことは既に起きてしまった。今更運勢なんか見ても、後の祭りというやつだ。


 そう常識的の理解していても、朝食を摂ったときに新聞に載っている占いやつでも見るべきだったのだろうかと思ってしまう情けない僕。


 でも、そうしていれば運命は変わったかも知れない。

 違うな。変えられない道筋だから、人間はその確定事項を運命と呼ぶのだろう。


 だからと言って、『運命と呼ばれる事象だから』と全てを無条件で受け入れる程に僕は物分りの良い出来た人間じゃないけれど、僕の状況などお構いなしに運命づけられた数々の厄は襲ってくる。


 そして、この日屋上でヘコんだ程度の厄は大した事など無い―――最早、序ノ口と言うにも烏滸がましいレベルの不運が僕を待ち受けているのだと気付くのは……先の話だ。

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