園田美里からの手紙①
眞鍋亮さん
前略
眞鍋さん、いかがおすごしでしょうか。こちらは東京とはちがい夏が短いのでだんだんとまた寒くなってきました。少しづつ肌に感じる寒さがあの日々を思い出させます。
住所が仮設住宅から親戚のおばの家になったので、幾分か過ごしやすくなりました。最初の頃は、みんなこんな状況だからがんばろうって雰囲気があったんですけど、日々の生活の中であきらかにストレスが溜まっていっていたので一安心です。
こちらは同じ仙台でも被害の少ない場所なので、少し以前の生活を取り戻せています。でもやっぱり、いつまでもおばの世話になるわけにはいかないので、いずれは出ていかないといけないと思います。そして、その準備というわけでもないんですけど、こちらでもアルバイトを始めました。またコンビニですけどね。レジに立っていると、ふとお客さんが眞鍋さんに見えてしまうときがあります。特に警備服を着ている人なんかが入ってくると 笑。
そうそう、二週間後に東京に行くことになりました。東京の友達がわたしの心配をしていたので、顔見せも含めてです。その時に眞鍋さんにも連絡を入れますね。今度はそちらでお会いしましょう。
草々
園田美里
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