博多ぶらぶらさるき

作久

さるくは歩く。

 博多から天神まで100円!というのは西鉄バスが走らせてるバスのこと。確かに便利なのだが今回は徒歩で福岡城址までの道のりを書いてみたいと思う。読んでくださっている方も地図を片手に見ていただくとわかりやすいかと思う。何せ私は説明が下手だ。


 さてはまず、博多駅を博多口から出て右手。海めがけ伸びる大博通りをまっすぐに行き、祇園の交差点で左に折れ、しばらく行くとかろのうろんやといううどん屋がある。ここをそのまままっすぐいけばキャナルシティと中州のある意味中心地に行けるが今回はかろのうろん脇にある小道へするりと入ろう。すぐに中洲川端商店街のアーケードが見えてくる。右手には博多総鎮守である櫛田神社の入り口。ここからお櫛田さんへ入ると力士が奉納した力石と飾り山がある場所に近い。さらに奥へ行くと櫛田入りに使われる広場がある。ここの門には一つ秘密があるのだがそれは秘密だから秘密だ。


 さて、商店街へ戻ろう。ここの商店街はながーいストレートの商店街。垂れ幕で博多弁を紹介しているのでさるいて抜けるだけでもわりかし楽しい。途中川端ぜんざい広場という甘味処があるがそこには走る飾り山が展示されている。お櫛田さんとここで山を二つ観賞することができるのでルートとしておすすめしたい。松田ネーム刺繍店ではにわか面の帽子や博多弁が刺繍された帽子等が売られているので博多土産には面白いだろう。


 さて、商店街を抜けると目の前に博多リバレインという建物が現れる。此処にはアジア美術館という変わった美術館があり、少し前から今くらいの新しめでアジア地域の作家の美術品を収蔵展示している。リバレインの右手には博多座という劇場。ここで歌舞伎が催される際にはリバレインの左側にある川を使って船乗り込が行われることがあり川面に紙吹雪が舞う。

先ほど書きそびれたが櫛田神社のそばには博多町家ふるさと館や博多伝統工芸館という博多織や博多人形などの伝統工芸を紹介している場所もある。ここら中洲川端一帯は山笠、総鎮守、伝統工芸と福博の歴史と伝統が色濃く集めてあると言っていいだろう。


 さて、丁字をリバレインに向かって左手側、川の方向に曲がっていこう。この道は中州のど真ん中をぶち抜いていく道である。ずーっと進んでいくと中州大洋映画劇場という古くからある映画館が左手に見えてくる。更に少し進みまた川を渡る。ここは川上に福博出会い橋という少し大きな広場が並走している。橋の向こうには船の舳先のような場所に舳先のような建物がある。2016年に再整備された水上公園だ。昔は噴水と花壇があるだけの公園だったが、再整備で世界最高の朝食を出す店が入ったとかで今は活気に満ちている。ここで不思議な形の風車が目に入る方がいるかもしれない。それは風のプリズムというものだ。


 水上公園の前から川をまた渡ると天神だ。左手にあるガラス張りの絶壁はアクロス福岡。右手にあるのは水鏡天満宮。天神の由来となった神社はこれだ。入り口は狭くあるが入ると境内は広く、神社らしいピシリと締まった空気が身を引き締める。神社に沿うようにある細い道はうまかもん通りというキャッチ―で自信にあふれた名前をしていて色々と飲食店があるので行ってみるのもいいだろう。

 アクロスに関してはすっきりしたガラスの絶壁のこちらは裏側である。表側の表情は裏と打って変わってワイルドなもので山をビルにしたといった感じ。悪の組織の根城と言っても良い風貌となっている。なんせ建物の形がわからんほど生い茂った木々の間からドカンとガラス張りの半円筒の吹き抜けを突き出してみたり、1階にある喫茶店の前に池を置き横にカーテンの様に水を落としたりしているのだ。おおよそまともな発想のデザインではない。間違いなくほかに無いと言える建物である。しかもこのアクロス山。ステップガーデンと言って昼なら上ることができる。周りが低く目の前が公園なので登ればなかなかの眺めを味わえる。ここのすぐ横。先ほど言った出会い橋の方には古い洋館もある。

 ああ、今思い出した。ここからもう一つ海側にある大通りの川沿い水鏡天満宮の裏あたりにも場違いな赤レンガの洋館がある。双方とも詳細は知らないが何とも味と時間のある建物なので興味が沸いたらご覧になるとよいだろう。


 さて、時間を取ったので先へ進もうか。水鏡天満宮正面の道。これをまっすぐに進んで最初にぶつかる大きな交差点。ここらが天神の中心、商業街だ。ここを右に折れ海側に少し行けばいわゆる北天神。今回の目的は福岡城址なのでこの交差点をまっすぐに行く。ほどなくしてクランクの様に道が無意味にぐねる。何かしらの理由があってこうなっているのだろうが非常に不便である。左手にホテル右手に教会を見てこの道をまだまっすぐ。代わり映えのないビル街が続くが赤坂の交差点を超えると


 左手側が大きく開けて空が大半を占める。


 その開けた場所が目的地の福岡城址。平和台球場やその前にあった鴻臚館など長々と福岡に影響を与えている場所だ。この城に今ある天守台からは福岡タワーがよく見える。イルミネーションされているときであれば格別に綺麗だ。


 天守台からは眼下に大きな水がめが見えるだろう。それは大濠公園である。池を中心に据えた周遊型の公園。夏場、8月の朔日だっただろうかそのころにここで花火大会も行われる憩いの場だ。ここにはジョー・ディマジオが新婚旅行にて食事をしたというレストランとその一部が形を変えながらもまだ残っていたりもする。彼の伴侶はそこのオニオングラタンスープを大変に気に入ったそうだ。

 ああ、彼に関してだが、東区の方にあるかしいかえん。あそこは昔、香椎球場だったのだがそこでプロ選手への指導をしたそうだ。遊園地になって長くたつ今もわずかに球場の痕跡があるらしい。


さて、字数の制限が近い。博多から福岡城址までの案内はこれにて終了またいつかどこかで。

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