第2話 おもてなし?かな

 今は子供相手に商売している駄菓子屋さんももんじゃ屋さんも少なくなってしまったようだ。もんじゃをこがして、ヘラでやけどして、よけいなものを焼いて怒られ、出来上がりの味や見た目を競い、はじめて自分で料理した気分を味わった。大人に少し近づく勉強をたくさんさせてくれた。学校では教えてくれない大事な時間がそこにあったのだと思う。やっていいこと、やってはいけないこと、お金のつかいかた、学校の先生や家では教えてくれないことがたくさんあった。自分で考えてやることを。いけないことをしていたらおせっかいな怒ってくれる人がいたことを。近所の人とのつながりが薄まり、ファミレスやコンビニでなんでも済ます便利な社会が少し恨めしい。

 それにしても自分でお金払って自分で調理するシステムは日本文化なのだろうか?外国でそんな飲食店を見聞きした記憶が自分にはない。お店に行くときは一緒にお店のサービスを受けるのが普通だろう。確かにアメリカでお店の鉄板で火傷なんかしたらすぐに裁判沙汰になりそうである。提供されたコーヒーの温度だけでそうなるのだから。ホームパーティでもてなす、もてなす側ともてなされる側がはっきりとしていてその家ご自慢の料理をふるまう。逆に日本にはそんな文化育たなかった。経済的にもお裾分け程度で食卓に隣の家からいただいたものが並ぶ程度だったような。もしかすると少し控えめな日本人の食文化が少し発展して、飲食店で自らもてなすようになったのかもしれませんね。

 もんじゃもそうだが、焼肉もお客が焼く、しゃぶしゃぶやお鍋もお客が火加減や材料の投入タイミングや順番など仕切っている。サービスを受けつつ、サービスすることにも喜びを感じるのが日本だからこその食文化であり世界に誇る「お・も・て・な・し」の源流に違いないと私は感じる。

 さて今夜も、もんじゃ屋さんや焼き肉屋さんでおいしく焼き上げてくれている皆様、あまりこだわり過ぎてうるさがられない程度で楽しい時間を過ごしてくださいね(うんちくは程々に、それぞれの好みもありますからね)。※宴が盛り上がり、鉄板の熱に喉が渇き過ぎて飲み過ぎにもご注意を。

 

 

 

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下町グルメに教えられたこと 麗永遠 @tadao

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