第2話 お姉ちゃんは嘘吐き。

お姉ちゃんは嘘吐きだ。

この間の怪我したことも、本当は校庭に落ちているさくらんぼの実をすり潰して膝に塗っていただけなのだから。

実際そのさくらんぼの熟れた実は「血液」にみえる。

それをお姉ちゃんは使ったのだ。


学校でも、学年一年上のお姉ちゃんの噂はわたしのところまで届いている。

最近ではお姉ちゃんが「カンニング」をしたかでクラスで争点になっていたらしい。

実際、お姉ちゃんがテスト中に隣の男の子に「カンニング」をしたらしく、担任の先生から呼び出されているのをクラスメイトのなおちゃんが目撃したらしい。

「はあーー」

妹のわたしにとってお姉ちゃんは脅威だ。

なんでって、妹の私にまで被害がくるかもしてないから。

「もう、いやだあんなお姉ちゃん・・・」そんな風に思う。


そんな噂(というかなおちゃんがみたのは事実だろうから)のせいで帰宅への足が重い。

重いながらも帰宅し、真っ先に飛び込んできたのは、お母さんの罵倒の声。

お母さんのお姉ちゃんへの罵倒を別の部屋からきいてる限り、

カンニングの事はばれてないみたい・・・

図書室の借りてた本を返してないとかで、怒らてれいる。

お姉ちゃんはまた泣いてる。


「なんで返しに行けなかったの?!」

「今日返しに行くってお母さんと決めたわよね?!」

「なんであんたはそうなの?!」

「口があるんだから泣いてばっかで喋りなさいよ?!」


と、お姉ちゃんの涙でどろどろになった顔を手で押さえつけ大きな声で問いただしてる。

お姉ちゃんは泣いてるばかりで何にも言わない。

何にも言わなかったら言わないで、お母さんはもっと逆上しちゃうのに・・・

お姉ちゃんには分からないみたい。

わたしは「また始まった、はあー」と思うしかない。


こんな事日常茶飯事なのだ。



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