第3話 ホットミルク


「はい、ホットミルク。気持ちが落ち着くよ」

 ショートの女性がソッと差し出してくれた。

 うん、美味しい。


「私は"リコ"、ここは私達ギルドの詰所なの」


「"サエ"だよ!よろしくね♪」


「リコさん、サエさん、助けてくれてありがとうございます、アタシはハナです。」

 ホットミルクの効果で落ち着いて話すことができた。

 クスっとリコは笑うと、

「どういたしましてハナちゃん、でも、お礼は"バト"本人に言ってあげて」


「バト…さん?」

「ハナを助けた張本人だよ!ウチのエース!」

 喋りたくてウズウズしていたサエが割って入る。


「でも今は出ているし、暗くなる前にハナちゃんは家に戻った方がいいよね、サエに送ってもらってね」

「任せて♪マスター」


 ベッドから立ち上がるとき、気絶していたせいか少しふらついたけど、大丈夫、自分の足で歩ける。


「ありがとうございました。またお礼に参ります」

「うん。いつでも遊びに来て」

 リコはニコっと笑顔で見送ってくれた。


 詰所を出たときに気が付いた。

 あれ?夕方??どれだけ気を失ってたの?!

「アタシどれくらい寝ていたの?」

「んー、丸一日かな?」

 生まれて始めての魔物との遭遇がよほどショックだったのか、そんなに経ってたなんて…

「お婆ちゃん、心配してるだろうな…」


 二人でハナの家を目指しながら街並みを見ていた。

 どうやらここは街の南側にある、主に冒険者達が集まる地区のようだ。


「あの…バトさんはいつなら詰所に居ますか?」

 男性の事を聞くなんてハナにはとても恥ずかしい事だった。

「えっとねー、確か2日後なら空いてたかも!」

(よし!その日にお礼をしなきゃ!)


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