第13話 1枚の絆

「大会終わっちゃったね」

「ああ、そうだな」

「リョウくんと対戦してた人が優勝してたね」

「次は勝ちたいな」


僕たちの大会は二人とも1回戦負けだった。

でも、大会に出たことは後悔してない。

だって次も挑戦したいと、今思ってるから。


「参加賞カードはこれか〜」

「これは僕のデッキには入れれそうにないや」

「俺もだな。じゃあさ、ちょっと面白いことしないか」


リョウくんはそのカードにペンで自分のサインを書いた。


「こうやってさ、このカードに俺たちのサインを書いて

世界オリジナルのカードにしないか?」

「いいねそれ!」


僕たちはそのカードにサインを書いた後は好きな落書きを書いた。

それはカードとしては使い物にならないけど、

僕たちにとっては思い出の1枚になったんだ。



「せっかくの記念だ。お前のそのカードと俺のこのカード交換しようぜ」

「そうだね」


僕がリョウくんのカードを受け取って

リョウくんが僕のカードを受け取った。


そのカードは僕たちの小さな思い出が詰まったになったんだ。


そう1枚の絆のカードに。






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1枚の絆 土呂 @toro515

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