第11話 初めての大会

えー、ではこれからショップ大会を始めたいと思います。


ショップの中には50人ぐらいの人がいた。

とても緊張する。


では呼ばれた方はこちらの席に座ってください。

バトルはこちらで合図してから一斉に始めてください。


人数が多いためリョウくんの試合は僕の試合の後になった。


では倉田マモルさん。


僕の名前が呼ばれる。そして席に座る。そして目の前に人がいる。

僕と同じぐらいの歳の人だった。

これからこの人と戦うんだ。

僕はこの人に勝てるのかな?

この人がとても強そうでその場の雰囲気に押しつぶされるような、

とても緊張感が漂う雰囲気だ。


リョウくんは後ろで見守ってくれている。

やれる限り頑張ろうと思った。


「あの?先攻後攻のじゃんけんしませんか?」

「は、はいぃ」


じゃんけんをする。僕が先攻だ。緊張で言葉を出すのもつらい。


ではバトルを開始してください。


その声と同時にみんな一斉にバトルをし始める。

みんなの声が聞こえる。頭が一瞬真っ白になった。


「僕のターンですね」


バトルは始まる。

僕の初めての大会デビュー戦だ。


「僕はこのカードを出します。ターン終了です」


僕の出したカードは相手に攻撃されず攻撃できないカードだ。

攻撃されないからこのカードが倒されることはないけど

プレイヤーへの直接攻撃でダメージは受ける。

だけど次のターンにレベル2のカードを必ず出せる。


リョウくんが使い慣れたデッキじゃないとだめと言ってた意味が

理解できた。この緊張感の中で新しいカードを使うのは

今の僕にはできないと思った。


「ではいきますね。このカードを出して、さらにサポートカードで

行動回数を1回増やして攻撃です」

「あ、そうか。これで2回直接攻撃されるんだ…」


いきなり墓地に2枚たまり相手は2枚ドローできる。

序盤から不利だとすごく不安を感じた。


このカードバトルの結果は僕の負けだった。

逆転の女神サウスコアのカードを入れてたけど来なかった。

でも、悔しかったけど今度は勝ちたいって気持ちが生まれた。

だからこの大会に出て本当によかったと思う。


「はぁーよかった。勝ててよかった…」


対戦相手の人も緊張していたんだ。

僕と同じぐらいの歳の人だった。

結果の差はあったけど思ったことは同じだった。

だからこそ僕はまた頑張りたいと強く思えたんだ。



「惜しかったな。マモル。いい対戦だったぜ」

「うん、ありがとう。リョウくん」

「まあ、次は俺の対戦を見ててくれよ。勝ってやるぜー」


そうこれで僕1人の大会は終わったけど、

僕らの大会は終わってないんだ。

まだ楽しみが残っているんだって。







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