第8話 カードの世界

「おーい、マモルー今日もショップに行こうぜー!」

「いいよ、リョウくん。すぐ行こ!」


僕たちはあれから学校の放課後ほぼ毎日そのカードショップに来ていた。

あの店には僕の知らない世界がたくさんあって毎日行くのが

とても楽しかったんだ。


「そういえばさ、マモルはどんなカードを使うのが得意なんだ?」

「僕は使ってて安心できるカードかな。難しいことまだよく分からないし」

「だよな〜俺も難しいこと書いてあるカードを使うのは苦手なんだよな…」

「リョウくんのカードはパワーを上げてくるカードが多いよね」

「そりゃカードはパワーが大事だからな!攻撃した時、強いパワーのほうが

勝つからな」

「そうだよね。パワーは大事だよね」


僕は少し疑問だったんだ。店内で対戦してるお兄さんたちはいつも

Tゾーンやエナジーゾーンのカードを裏返すところばかりみるんだ。

あの人たちはどんなデッキを使っているんだろう。

あの人たちはどうやって戦ってるんだろう。

なんであんなに強そうに見えるんだろう。

僕はその光景を見る度に気になっていたんだ。


「あのさ、リョウくん!せっかくだし今日は色んなカードを見てみない?

店にどんなカードがあるか見てみたいからさ」

「いいぜ、じゃあ今日はカードをたくさん見ていくか!強そうなのあったら

俺買っていくぜー」


いらっしゃいませー


いつもと同じ景色だ。

カードが展示されてて、机がたくさんあって、色んな人がバトルしている。

その中にはとても強そうな人がいて言ってることも難しそうだった。


「カードはあっちだな。行くぞマモル!」

「うん、今行くよ」


たくさんのカードが展示されていた。カードの種類がたくさんあって

何がいいカードなのか何が強いカードなのかも分からない。

でも、テキスト分が多いものが強いカードなのかな…と

最初はそう思ってたんだ。


「このカード見てよリョウくん。なんか凄そうだよね」

「えっと、なになに」


[逆転の女神 サウスコア]

このカードが場に出た時、サポートゾーンにカードを6枚まで

置くことができる。

ターン終了時にTゾーンのカードを1枚デッキに戻す。

またこのカードが墓地に送られた時、デッキから1枚墓地に送り

さらに相手は1枚メインデッキからドローする。


「なんだこれ、弱くねぇか?」

「どういうこと?」

「あのな、このカードは場に1枚サポートカードを多く置けるけど、

その代わりなやられた時はレベル3だから墓地に4枚カードが送られるんだよ」

「そういえば墓地に8枚カードが送られたら負けだからね」

「そうだろ。やられたら半分の4枚も墓地に行くとか弱いだろ」

「うん、カードって難しいよね」


でも、僕は強そうなお兄さんの中にこのカードを使ってる人がいることを

知ってるんだ。その人はショップ大会でも強い人らしいんだ。

でも、リョウくんは弱いと思ってる。


僕には分からなかった。

どうしてリョウくんが弱いと思ってるカードがその人が使っていたのか。

でもね、分からないからこそとても面白いって思うんだ。



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