第6話 広がる世界

「おい、マモル?今日は暇か?」

「大丈夫だけど、どうかしたのリョウくん?」

「いやさ、駅前の方にさ、新しいカードショップが出来たみたいなんだよ」

「えー本当!?だからあそこ工事してたんだね」

「じゃあさ、今日行ってみねーか?お前カードショップあまり

きたことないだろ」

「うん、そうだね。行こっか」


僕たちは学校の放課後に駅前のカードショップへ行くことにした。

僕たちはあの一件のあと、毎日カードバトルしてたんだ。

リョウくんはやっぱり強くて、僕はなかなか勝つことが出来なかったんだ。

でも、とても楽しかったんだ。

ただ笑って、遊ぶ。それだけでもっと楽しみたいって気持ちが

強くなっていったんだ。


「ほら、ここだぜ。ここがカード専門の店だぜ」

「見た目はなんか地味だよね」

「そりゃ今時カード売ってるのは大半がデカイ店の一部のコーナーだからな。

でもなこういうところの方がレアなカードがあったりするんだぜ!」

「うわ〜すごい。早く見てみたいよ!」

「そうだろそうだろ〜。じゃあ入るぞ」


店内はたくさんのテーブルがあってカードバトルをしている人、

そして店に置かれてるカードボックスを漁っていたり

カードを展示されてる場所でずっとカードを見ている人など

たくさんいた。


「人がたくさんいるね…」

「そうだろ、これがみんなカードバトルをやってるんだぜ」

「うわ〜、あそこの席に座ってるお兄さん達すごく強そうだね」

「そうだな。あれには勝てる気がしないや…」


彼らのカードバトルの戦いは中学生の僕らには何をやっているかが

分からなかった。ただデッキをシャッフルする手つきや

手札を常にシャッフルしてるその姿。

その全てがとてもかっこよく見えたんだ…。


「僕もあんな風になってみたいな〜」

「それはまず俺に勝ってから言うんだな。はははは」

「そうだね。僕の目標は今はリョウくんだよ」


テイマさんが言ってたんだ。

最初は弱くても、いつか変われる。

それは僕も例外じゃあないんだって。



「よし、マモル!早速バトルするぞ。あこの席座れよ!」

「今座るよ」


カードショップに来ることで今まで知らなかった世界の1部を知ることが出来た。

そのことを今日、強く実感できたんだ。






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