『用語録あ行ーう・え』by天根光子

 あけおめ、ことよろ! 今年もここはボク、天根光子が綴るよ! ……って、みんなもう正月気分じゃないよね。年が明けてもボクたちの話は進まないなぁ。

 話の『流れ』について悩んでるお馬鹿さんにかわって、ボクがあ行の『う』から始まるワードを綴ってくね。

 ちなみに前回のワード、イナッチについて訂正。彼女の身長、本当は171センチだった。訂正しておいたよ!


 そんじゃ、アマツ、ピックアップ!


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あ行ーう


~外伝2章、『2』2章~

『右』のことだね。カムイの禁歌に出ているよ。


・ウェルカムインジ~『2』1章~

 草薙裕也くんが歌ってたね。んー、カムイは知らないだろうけど、みんな知ってるはず。某世紀末アニメの主題歌だ。


丑寅うしとら鬼門きもん~外伝2章~

 一人暮らしの人、安心してね。マンション選び、部屋探しの判断基準にしなくても良いよ。

 十二支で方角を表す場合、北寄りの東をうし、東寄りの北をとらとするんだ。そしてその中央が丑寅。『艮』とも書くね。また鬼門、表鬼門おもてきもんなど、悪いものがくるとされてる。もちろん科学的根拠は薄い。でも気になる人はとことん気にする。特に住宅。だからこそ念入りに設計されてるんだよ。建築士と施工業者はあらゆる面でものすごく考えてる。それがオカルトじみたものでも払拭するために飾りを付け足したりね。気になったら住んでる家、マンションの外観を観てみると良い。ちょっと出っ張ってる形だったり、動物のようなオブジェがあればそれが魔除け、もしくは良いものをもたらすためのものだと信じれば良いよ。


・うたうぞ~『2』1章~

 草薙裕也くんが喧嘩で言ってた言葉だねぇ。『うたう』は極道の用語で『自白』の暗喩なの。彼はそれを応用して『ぶっ飛ばしたい理由とか本音を言わせるつもりか?』って意味を込め、挑発したんだけど……これ、古いよねぇ。

 きっと昭和生まれのケンチンに感化されたんだねぇ。


ち~イナミ編2話、外伝2章、『2』1章~

 日本の古い武術では『打撃』。大里流では『パンチ』のことだよ。他にも雅楽や舞踊で『リズム音』として使われることもあるね。


・ウチガネ~『2』1章~

 十文字エイタのカムイだねぇ。漢字で書くと打金。能力は金属を操れることのみだ。

 十文字エイタは武器を作ったり地中の鉱石を操ってるけど発動条件が不釣り合いだね。脳内で緻密にイメージしたものでなければならないのは、ボクのアマツのレベルでも割に合わない。彼の場合は『脳内で設計した通りに金属を武器化する』ことだけだけど、下準備したり相手を選ばないと瞬殺されちゃう。それを知ってたなら、ケンチンは彼を噛ませ犬にしたともとれる……やっぱりあくどいねぇ。


現世うつしよ(現)~外伝1章~

 現在世界の略だ。他にも言い方はたくさんある。現実世界と認識していればじゅうぶんだよ。


裏鬼門うらきもん~外伝2章~

 これは鬼門の反対方角、つまり南西だ。十二支だと未申ひつじさる、『坤』とも書くね。こっちもあまり良くない方角とされてるけれど、多くの街では住宅地区の表鬼門、裏鬼門にお寺とか神社などが建設されてて邪気を払い、寄せ付け無いようにしてあるはずだ。余程のことが無ければ大丈夫。


裏操氣うらそうき神意カムイごう~外伝3章、『2』2章~

 んー……キラーワードのてっぺんだね。玉緒御前が記したことを要約すると『カムイを操ることと武器を振るうのは同じとして、一心同体になることから始まり、八百万の神を支配下に置くことを最終地点する。その道程に八つの関門があり、それぞれの門番から学び、打ち倒す。地から人体へ、精神から天へ……その関門を通り終えた人は八つの力を得て、新たに九つ目の力に目覚める。そして太極者と呼ばれる』

 うん、ボクには意味不明だ。あはは。

 イナミ編ではミヤッチだけがそれに近づいてた。外伝では中井一麿と玉緒玲、大里雅也の三名がそれに挑んでる。

 『2』ではケンチンのみ。でも不特定多数に知れ渡っててアプローチしてるんだよ。インフレ状態に見えるかもだけど、真意は一握りしか知らないし、武術として取り入れられるのは数名だけだ。

 正直、ボクもこれは複雑すぎて理解できてないし、語りたくないんだよ。序の口でまず感覚で捉えてしまってる。これじゃあ学者見習いとしてのプライドが許さないもの。奥義たる所以だとしても、解明しなきゃ。

 


 ボクとアマツが『あ行ーう』でピックアップしたのはこれだけ。


 少ないよね。だから同時に『あ行ーえ』にいこう!

『え』から始まるワード、アマツ、ピックアップ!


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あ行ーえ


・エイドウ~『2』1章~

 シャオちゃんや十文字ミノルたちの使うカムイだね。物体を移動させる能力だ。

 ウチガネと同じく、低級のカムイだよ。その為、多数の術者が真似することもあるんだ。真似するためには絶対勘っていう能力が必須なの。


・エイチン(梶尾英二、エイジ)~外伝3章、『2』1章~

 本名、雅エイジ・サンパウロ。ブラジル生まれ。誕生日は11月8日。血液型はA、RHー。右利き。

『2』では28歳、身長185センチ、体重109キロ。B125・W98・H105……体格だけでもじゅうぶんモンスターだけど経歴が、ね。

 6歳のとき日本に帰化、そして大里流武具術で剣術を学びはじめた。めきめきと力をつけ16歳のときには武具術総家、序列二位まで駆け上がってたんだ。当時の二千年組制度で男子はケンチンとエイチン、ミヤッチのスリートップだった。でもエイチンはアキチンに試合で敗れ、悔しさから師と同門を25名も斬殺した。本人曰く、発狂状態だってさ。アキチンが嫌う理由はそのことを踏まえてだよ。決して許されないけれど、ボクも似たようなことしてるからね。接するときは傷を舐め合うような感覚になるんだ。

 警察より早く無刀大里流に捕縛されて処罰されたんだ。雅家を追い出され武具術から破門されたものの完全実力主義の無刀がスカウトして、カムイ使いとなった。現在、『2』では青井市内の菱山特殊病院でボランティアスタッフとして勤務中、そして拉致監禁中。

 一時期の二千年組内ではボクVSエイチンが通例みたいになってた。戦績はボクの負け越しだ。エイチンは無刀移籍後も刀は持ってる。野太刀、太刀などなど。ボクが手合わせしたときには手裏剣もあったなぁ。

 過去のこともあるし、エイチンはむやみやたらに武器を振るえ無いんだ。厳重な制約のなか、大里流関係者、カムイにも管理されてる。だからこそ、海馬のオジイちゃんたちに不意を突かれて不覚をとったのかもね。

 好きな映画は時代もの。最近は戦争のドキュメンタリーとか観てるって。監督とかキャストで選んだりせず、ふと観たものをとことん考えたりするのが癖ともいえるねぇ。小説も司馬遼太郎とかの新撰組は好きだけど「実際に戦闘するとあんな立ち回りしねーよ」が口癖なの。

 音楽はブラジル人の性なのかな、けっこう騒がしいのが好きで、クラシックとか日本の演歌なんて論外だって。それでもレゲエとかはこだわりが強くて、最近は90年代テクノとかを聴いてる。日本文化と真逆じゃない?

 エイチンはこういうお喋りしながらのお酒が一番好きなの。そしてそれに合う肴ならなんでも好きだけど、合わないものは絶対に食べない。酒が無いとプロテインのみで済ますほど食事に無頓着。それであの体型なのは鍛錬と天賦の才なのかなぁ。

 ちなみに『2』でのボクの友人、リョウチンは彼の実弟だよ。


・エンジャのカムイ(炎蛇、海馬のオジイちゃんのカムイ)~イナミ編3話、『2』2章~

 イナミ編では咲ちゃんたち、『2』では海馬のオジイちゃんのカムイだ。

 咲ちゃんの場合は炎蛇であり、子供だった。名前通り炎を操る能力。

 海馬のオジイちゃんは、その上位に在るね。まだ情報がロックされてるけど、人を操る能力なのは確かだよ。

 ここからはボクの推察。イナミ編にちょっとだけ出てる、エンジャの禁歌は咲ちゃんの炎蛇でもミヤッチが宿したものでも無いんじゃないかな。咲ちゃんの家には複数の社があった。咲ちゃんの入った社とイナッチが入った社とは別だったもの。

 炎蛇の親はミヤッチが宿したけれど、あのカムイは『家族』って観念があったレアもの。他にも祖父や兄弟がいたかも……海馬のオジイちゃんは、とある人物を通して手に入れたなら、ちょっとだけピースが繋がっていかない?




 んー、ボクとアマツが気になったのはこの二つだけかな。今後増えるかもだけど。


 他にもあれば、コメントしてくれたら助かるなあ。

 そんじゃ、次回は『あ行ーお』だね。ここから情報量が増えそうな予感がするよ……

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