第44話エピローグ

[イベント数日後、話が前後します]


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【雑談スレ】 レベル二十

        :

        :


百五十.ラピズラズリ


 身内びいきになるけど、勇者○トシックスは、

 敵を倒したプレイヤー二位だし、

 敵を倒したPT三位だし、

 敵を倒して得た経験値PT三位だから

 


百五十一.寒ブリ


 いやいや。百万○狼だって、

 敵を倒したプレイヤー上位三位、

 敵を倒したPT二位、

 敵を倒して得た経験値PT二位だよ



百五十二.長宗我部


 初めましてよろしくお願いします。

 今日から始めました。イベント参加したかったな。



百五十三.ハリー持ったー?


 同じく初めまして、よろしくお願いします。

 私も今日からです。



百五十四.寒ブリ


 >>百五十二

 よろしく。楽しかったぞー



百五十五.尻尻尻


 >>百五十二

 よろしく。このゲーム楽しいから今からでも遅くないぞー

 ただ、四国は早めに統一すべきだったね。



百五十六.長宗我部


 このスレの先頭から読んだけど、何で一位の人の話が出てないの?

 いや、二位でも凄いと思うんだけどね。


 >>百五十五

 あとは伊予だけです。



百五十七.御茶ノお湯博士


 それは語る必要がなくて確定しているからだよ。



百五十八.十五代目高橋名人


 一人別次元の人がいるから、その人に合わせると

 おかしなことになるのでね。



百五十九.長宗我部


 >>百五十七

 >>百五十八

 小犀小犀によろしく



百六十.御茶ノお湯博士


 敵を多く倒したプレイヤー

 一位:三十万一匹    え○す

 二位:二千五百三十二匹 勇者○トシックス

 三位:二千三百二十匹  百万○狼

 ※二位の百十八.五倍


 敵を多く倒したPT

 一位:三十万五百二匹 え○すが居たPT

 二位:一万二千十一匹 百万○狼が居たPT

 三位:一万千五百十匹 勇者○トシックスが居たPT

 ※二位の二十九.二倍


 敵を倒して多く得た経験値PT

 一位:千五百万三万五千三十 え○すが居たPT

 二位:六十三万五百五十   百万○狼が居たPT

 三位:六十万五千五百五   勇者○トシックスが居たPT

 ※二位の二十三.八倍


 貢献度が高いと判断されたプレイヤーも当然です。



百六十一.十五代目高橋名人


 全然違うから、同じ土俵で考えたらダメだよ。

 皆RPGしているのに、一人だけ

 シューティングゲームしているレベル

 やっぱり称号を与えないとな。



百六十二.長宗我部


 ぶっw 何それw 飛んでもない人だね。その人。

 ちょっと考えると真っ当な人には思えないんだけど。



百六十三.コロンブス


 単純に凄い人なんだって。別次元の人なんだよ。

 称号だって、十一個持ってるんだら!

 “兎の餌”“脱兎”“兎のふん”“宮廷魔術師”

 “エルドワの親友”“限界を超えし者:仁”

 “限界を超えし者:刻”“限界を超えし者:楽”

 “限界を超えし者:理”“限界を超えし者:悲”

 “自重して下さい”


 しかもヒーラー、バッファー、ウィザード兼ねてるw



百六十四.掲示BAN子


 どう考えてもチートだろ、信じるなよ。


 >>百六十三

 るんだら! ってなんだよ



百六十五.コロンブス


 うるせーよ。てめー。誤字しただけだろ。



百六十六.御茶ノお湯博士


 >>百六十四

 いいから落ち着けって。釣られすぎだよ。



 >>百六十一

 もうそのネタいいから。



百六十七.ハリー持ったー?


 魔法使いなんですけど、オススメの武器ってありますか?



百六十六.御茶ノお湯博士


 魔法使いなら、南西スラム街にある露店で、

 『初見殺し』がお勧めだよ。当たりやすいし、

 この辺の動物相手なら一発で倒せるか、ヒクヒクになる。

 オーク位なら全然戦えるし、魔法も阻害しないしね。



百六十七.ハリー持ったー?


 >>百六十六

 ありがとうございます。


 ところで、このゲーム中世位をイメージしているんですよね?

 なんで酒場の看板が夜に光っているんですか?

 世界感壊してない?



百六十八.御茶ノお湯博士


 ああ、それも南西スラム街のNPCによるものだよ。

 蛍石を使って昼間の光を貯めて、夜に発光するんだ。

 それをハンダで接着して看板にしているんだよ。

 他にも色々な面白い物があるから、行ってみると良いよ。



百六十九.ハリー持ったー?


 凄いね@@

 早速行ってみます。 


        :

        :

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[イベント終了直後]



 クローネシュタット北側全体が安全地帯に変わった。街道には駅馬車が数多く止まっている。兎組のメンバーもにも連絡して中央公園で待ち合わせる事にした。他の多くのプレイヤーがそこに向かっている。


 中央公園に着くと既に打ち上げが始まっている。ハイコ様からワインやビールが何千樽と提供されており、NPCやプレイヤーが一緒に楽しんでいる。兎串屋の屋台のおじさんも無償で串焼きを提供していて、他にも多数の屋台が出ており何でも食べ放題だ。



「「「「「かんぱーい」」」」」

 早速、ビールとウインナーで一杯いただく。本当のお酒ではないし酔わないので、未成年が飲んでも問題ありません。パートも飲みながら食べながら料理を作っている器用だなあ。

 パートも負けじとハンマーで……何をする気ですか! どうやら塩釜焼きを叩き割るようです。そんなものも提供されているんだね。中から魚の蒸し焼きが出てきた、うまそー。


 周りを見るとお湯[仮]お茶ノお湯博士が屋根を出して、その上にお肉並べて屋根ごと焼いている。確かに大量に焼けそうだけど、豪快だな。味付けは料理スキルがある人が別途行っているようだ。兎組の周辺だけでも千人近くいそうだし、食べ物をどんどん作らないと間に合わないよな。


 マリアがお肉を取って周りに配っている。トドミン[仮]東京土民が野菜を屋根に並べている。モフモフが獣人三毛猫を撫でて怒られている。誰だろうあの子?


「あれ? ああニャニャ子さんだよ。前にお爺ちゃんのスレ管理してた人」

 目があったので、ジョッキを掲げて挨拶しておいた。手を振ってる、猫も可愛いね。尻尻尻が川魚を屋根に乗っけて、先ほど叩き割った塩釜の塩を上から掛けてる。物を大事にするその心、嫌いじゃないぞ。


 花子が切り出した木材をポシェットから出して薪に変えながら、鼻を使って肉を掴んで食べている。器用だね、でも熱くないんだろうか? 謙信がどこからかポテト料理を調達してきた、おおジャーマンポテトだな、でかした。



「お爺ちゃん、そういえば上半身で避ける動作ってどうやってるの? 私もやりたい!!」

 うーんそれは難しいんだよ。まずチョコの家にあるVR機で対応させるのには、AIのカスタマイズを大幅にしないと効率良く発動できないんだ。だから直ぐにはちょっと……ん?


「かくかくしかじかな理由があるので、家のVR機なら可能だよ。二人で出来るから、いつでも遊びにくるといいよ」


「分かった、じゃあ来週末は遊びに行くね! ただ、かくかくしかじかってのは何の事かよくわからなかった」

 ご都合主義で伝わると思ったけどダメだったか、でもこれで週末は孫娘が遊びに来るようになるし、私もそれなりに皆に受け入れられたようだし、トムやハジメが来ても余裕でフォロー出来そうだな。

 

 まだ暇になって一ヶ月だ。余暇を楽しむための時間は十分にあるし、美食ゲームもやりたいし、楽しいことが沢山あるな。早めに引退してよかった。



 多くの人に囲まれて楽しい時間を過ごせる、なんとも贅沢だな。視線を周囲に配っていると、あれはコンタクトとラクンだ! 急いで彼らの元に向かう。


「えーすさん。無事で良かったです」「えーーすーー」

 ラクンが足に抱きついてきた。頭を撫でて、二人に話しかける。


「二人共無事で良かった。あの……その……エルドワの事は本当にすま……」

 言い終わる前に、二人は互の顔を見合わせた後、私に背を向けて、感情を押し殺すように震えている。ああ……しまった。この子らには姉も同然なのに、まだショックから抜け出せていないのだろう。言葉を選ぶべきだった。うううっ、すっすまん。涙が溢れてくる。

 ラクンとコンタクトを両手で、それぞれ後ろから抱きしめる。嗚咽をしながら抱きしめると、より一層震えが激しくなった。ああ、私が泣くことでより一層刺激してしまったようだ。すまない……グス。本当にすまない。涙と鼻水が止まらくなってきた、グスン。


「おふ、どおほひた。えーす。へんなほほでもはへたは?」

 何やら口にものを一杯詰め込みながら話しかけてくる。事情を知らないから仕方がないと思うが、流石にちょっと……、振り返る、


「ごっくん。何だ? 死人でも見たような顔して、そんな顔見たらこっちがびっくりするわ」

 エルドワが居た。周りには死んだ子供たちも居た。なんでだ。いやどうでもいい。エルドワに駆け寄って抱きしめる。


「おっおい、なっ何だ! そんなイキナリ、こんなところで、痛い、いてて、ちょっとは加減しろよ」

 スラム街の子供たちから「ヒューヒュー」とか冷やかしの声が掛かるが気にならなかった。しかし、ちょっと嬉しくて力の加減が制御出来なかった。



「いや、街の中で死んだのでダメかと思ったんだけど、どうやら街の外と同じように生き返れたらしい。気がついたら駐屯地だったよ」

 なるほど、街は通常のフィールドと同じ扱いになっていたのか。じゃあどうして、コンタクトとラクンは泣いているの?


「アハハッハーー」「ヒヒーハハハハ、っくっくるしい」

 泣いてない笑い転げている。笑いを我慢していたようだ。どうやら、エルドワは今まで倒されたことが無かったから、自分が死んだと勘違いしたらしく、


「ここは天国か?」

 と死に戻ったエルドワに話しかけられて爆笑したら、


「ありゃ地獄だったか」

 と言って、駐屯地では盛り上がっていたらしい。その話を思い出して笑っていたのか、紛らわしいな。まあ無事で良かった。ハンガク達が集まってきた。


「えーす。あの人たちは誰だい?」

 エルドワが訪ねてきたので、それぞれ紹介したら、


「へえー、フレンドなんだ。私は親友だけどね。へッへへン」

 両手を腰にあてて、胸を突き出してエバっている。何故かハンガクがダメージを受けている。スラム街の子達も含めて、再度祝勝会のやり直しだな。

 エルドワが尻をバンバンと叩いて、料理を指さしてる。うん、ご飯のあるところに戻ろう。エルドワが左手を引っ張り、何故かハンガクが右手を組んで引っ張る。やっぱり食いしん坊だなハンガクは。


 今日は凄く嬉しい。何故か涙が出てきた。こんなに嬉しいことはないよ。

 どれくらい嬉しいかって? 孫がイキナリ百人出来たくらい嬉しいよ。


 よし、食べるぞー!

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定年退職したからVRMMOをはじめてみた2.0 @guwajin

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