第4-5話 プロの作家に求められるモノとは…。

 以前、山田詠美さんが、小説新人賞を獲った暁に、雑誌にコメントしていた記事が気になったので、こちらに書き込むことにしました。以下、山田詠美さんの談。


 小説新人賞を獲り、1作で、消えていく作家は多い。

 そんななか、山田詠美さんが、プロの作家に求められるのは、小説を上梓し続ける力だと言い切っていたのが、とても印象に残っています。


 あまりいい加減な記事を書くと、山田詠美さんに失礼なので、ダカーポの【小説新人賞はこれでとれる!】という号を本棚から取り出して、もう一度、読むことにしました。


 彼女のことを知らないWEB作家さんも多いと思うので、山田詠美さんについての情報を小出しにしておきます。昭和34年、東京生まれ。山田詠美さんは、文藝賞、昭和60年の受賞者で、【ベッドタイムアイズ】で芥川賞候補に上がった作家でもある。


 たしか作家になる前にSMクラブでのアルバイト経験があって(?)、黒人の男性パートナーがいることでも有名な作家さんです。


 ダカーポの記事の中で、彼女は、【小説新人賞をとるには、コツコツやってもダメだと思う。才能の問題なんだから、いくら作品を書いたって意味がないんじゃないかな。はっきりいって、新人賞をとるってこと自体は、そんな努力って必要ないと思う。自分の作風に合った雑誌に応募してダメだったら、時代に合わなかったと思った方がいいんじゃないの。小説を書くのなら、1作で終わるんじゃなくて、次々と書けなくちゃイケナイと思ってた】、こんな言葉を残しています。


 カクヨムの編集長も同じ事をカクヨム・ユーザーミーティングで述べていましたので、やはりプロとして求められる作家像は、コンスタントに書き続けることができる作家なのだと、改めて思いました。


 色気のある唇、肌黒い健康的な横顔が素敵な方で、フェロモン漂う、アバンギャルドで、前衛的な作家さん、それが小説家、山田詠美で、どこか攻撃的で、性を匂わす文章が、90年代、とても尖っていてナイスな感じでした。


 右に村上龍あれば、左の山田詠美、そびえ立つ。

 両雄が不思議と同じ舞台で並び立った、奇特な作家さんでもありました。


 山田詠美さんは、賞の受賞時、スキャンダルが先行しちゃって、そういう人だと色眼鏡で見た人も多かったと思いますが、結果オーライ。それが呼び水となり、ファン層を爆発的に獲得したような気もします。


 【私がでてきたとき、スキャンダルの方が先行しちゃって、そういうもので出てきた人と思った人がいると思うのね。でも、そうじゃないんだって言いたいな。悪口もイロイロ書かれたけど、バカにすんじゃないよって感じよね。最初から作家になるために小説を書いて送ったんだから。とにかく大変なのは、新人賞をとったあとだからね。習作なんて書かなくてよかったと思ってるわね、いまは】。


 だそうです。

 含蓄のある言葉をありがとうございます。


 参考(引用先)文献、ダカーポ 7/1号より。

 山田詠美さんの他の作品【指の戯れ】【ジェシーの背骨】【ハーレムワールド】など…他多数あり。小説新人賞の選考委員を務めるなど、業績、功績は広範囲に及び、作家としての実績も申し分ない方です。


 学校の教科書にも掲載された、【ぼくは勉強ができない】を愛読書にしてる方も多いと聞きます。

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純文学というコンテンツは、果たしてオワコンなのか!? 婆雨まう(バウまう) @baw-mau

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