第7話お祭りで見る七味屋でようやく七の意味を知る

「おはようございま~す七味センセ!」

「ああ、おはよう!」

僕は私立砂糖学園の国語教師、七味「しっちーオハー」

「こら~誰がしっちーだ!」

まあ教師の七味である。

こんな周りに流されやすい僕であるが、それはひとえにオタクというジョブを持つゆえである。

教師になったのも、夏と冬に休みが取りやすいと思っただけなのであるが…このたび、禁断の恋をしてしまったのである。

それは…。

「ザラメさ~んそろそろ下りないとB棟ですから、天井低くなりますよ~」

「待って、今日中にこの電子魔道書のレビュー応募で限定カイハン衣装が!」

がんっ。

「っ!!!!!エリカ!もっと察して腰低くしろ!」

「え~だって流石に今でももう膝曲げてるのに」

「ほな、おとーやんに言って改築してもらうのがええやんザラメ♪」

そうマイエンジェル麹シオ。

普通のルックスでたまに友人たちとの会話で出る大阪弁。

そして…。

「「おはようございます七味先生」」

「グッモニ七味」

こう様々な挨拶をする中、マイエンジェー麹シオは。

「…おはよう」

ご、極上の塩対応!!!いや、これが世に言うツンデレ…リアル積んデレ!?

つまりデレ過ぎて恥ずかしくて素直に言えない系!?

いやいや、それはアラサーと言われてもおかしくない俺の妄想なのかリアル魔法使い…いや、現代には書籍魔道士がいるから、MANAでなくMP使うほうの魔法使いになっているかは別にして、これは偶然の産物ではない。


別の日

「え~そろそろゴールデンウイークに入る時期だが、みんな遊びすぎるなよ!」

そう喝を入れる僕だが、遊びたい盛りなのは決まっている。青春を謳歌するのがいいさ。

「そういえばシオ、最近バイト多いな。なんかあるのか?」

「いや~、せっかくこむぎも増えたんやし~どっか遊びに行きたいやん~」

「そ、そんな私なんて…」

「え~じゃあまたオジサンとデート?」


オジサン!?


てか、また!?エレンコフ、そこはもっと詳しくツイートしろ!

こ、これは教育的指導が必要だ…。大丈夫、薄い本で予習はしてある。

主人公は大抵本番に統計学的に強いとこの前メチャニコ生放送で見た。

「おい麹!なんだそのバイトっていうのは!?」

こっちを見る麹。


キュン…。


ああああああ、そのさげすんだ眼。朝起きて出すのがかったるいゴミ袋を投げ捨てたのを見るような目…。

「デ、デートていうのはなんだ!?もしかして援こ」

「ただのボランティアです。老人ホームとかに行って、電子魔道書とかでおじいちゃんたちを仮想幼児化させて、童心に帰ってもらってストレスをなくす電子魔道書療法の一環です。そういうのがあるのを先生はご存じない?」

「あ、ああ勿論知っている!ボランティアいいな!あまり無理はするなよ!」

「言われなくても」

なんだ、〇×先生のあっち系の本かと思ったらボランティアか…。Sな雰囲気を出しながらも献身的なところがあるとは流石だな麹。

「あれ?前のお寿司のじゃないの?」

「そーやけど、後々めんどい」

「でも流石にばれちゃいそうな気がしますけれど…」

「そりゃないよこむぎ。歩く電子魔道書オタクがリアルを見る目なんてないから」

「ほなどこいこっか~。温泉?山?いちご狩りは厳しいかぁ~」

麹シオ、決まった友人にしか素を出せない基本塩対応なぼっちだった子。

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