第6話 許されるという幸せ
私は感激しました。
そのあまり、理性を失わんばかりに歓喜しました。
ずかずかと踏みこんでしまった私のことを、許してくださった。受け入れてくださった。
もしかしたら、そのときから、互いの精神の共通点を見出していたのかもしれません。
相手に不快感を持たせたくない。
傷つけたくない。
傷つけられたくない。
そういう願いがあることに。
そして。
誰かの力になりたい。
そう思う気持ちがあることに。
誰かのために何かが出来れば、こんな私にも、価値がついてくる気がする。
自分で自分の価値を見出すことができないけれど、もし、役に立てたら。喜ばせてさしあげられたら。
私も存在していいんだって、思ってもよい気がする。
無価値な自分を生かしていくことは、とてもしんどいから。
そんな思いに似たものを、あの方もお持ちだったのかもしれません。
だから、私のことも、信じられないほど完璧なまでに受け入れてくださったのかもしれないのです。
共通点。
そう妄想したら、嬉しくてたまらなくなりました。
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