従兄弟

僕の一番仲のいい従兄弟は身体障がい者だ。


僕と同い年で、同じ病院で僕が産まれた六日後に産まれた。


彼は左手と左足を動かすことができない。


片手だから何をするのも人より大変で、靴を履くのも一苦労、服を着るのも一苦労。


そんな彼と僕は小さいころからずっと一緒に遊んでいたけれど、彼はとにかく優しかった。


周りに気を使い、人の不幸を自分の不幸のように思う、そんな子だった。


それに彼はとにかくマイペースで、周りからひどいことを言われてもまったく気にする素振りは見せなかった。


今、彼は青年団に入り、地元の祭りに参加したりしている。


青年団の友人も彼に気を使い、何かと不自由ないように配慮してあげたりしているらしい。


それはたぶん彼の人柄のおかげだろうと僕は思う。


障がいがあるなしに関わらず、僕はそんな彼を心から尊敬している。


たまに二人で酒を飲むと、彼は意気揚々と面白い話を僕に聞かしてくれる。


そんな彼といると僕は、彼に同情することなどなく、本当の仲の良いただの従兄弟として接することができる。


弟は知的障がい者だけど、弟も彼のようになって欲しいと思う。


明るくて優しい、彼のように。




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