用語辞典①

■世界システム「世界樹の理ユグドラシル・ロゴス

 エル=ユーナに存在する絶対なる理にして万物の頂点。

 エル=ユーナと言う世界の創造・破壊・組み換え、世界におけるあらゆる現象・事象・可能性全てを引き起こし、操作する事が可能な世界そのものたる証。

 これを手にすれば事実上、その者はエル=ユーナにおける神すらも凌駕する世界そのものとなれる。

 故に世界の未来を自在に創造し、死したる魂を再び現世に呼び戻す事や世界に存在する全ての人間を消滅させる事も可能となる。

 しかし、この世界システム「世界樹の理(ユグドラシル・ロゴス)」へと完全に到達した者は未だ一人も存在しない。

 唯一「世界樹の理」に限りなく近づいたのが神祖の魔王・アルトサウディウスのみである。

 現在、この世界システムに干渉できるのは“この世の白”ヴァイスと“この世の影”シェイドのみと言われる。

 他にも僅かな干渉やシステムの起動を起こせる者も存在するとされるが、あまりに膨大で強大すぎる世界システムの前では

 そのような僅かな干渉如きは世界システムの行使と認証される事はない。

(とは言え、この世界に存在する人間からすればその“僅かな”干渉ですら大いなる脅威となる)

 マクスウェルが求める最終到達目的地でもある。


■干渉者

 世界システムに干渉し、起こしえぬ奇跡を起こす事を可能とした人物へ与えられる称号。

 神が滅んだこのエル=ユーナに取って、この干渉者と呼ばれる人物がこの世界の神と言っても過言では無い。

 かつて滅んだ魔王アルトサウディウスもこの干渉者にあたり、歴代の中で最も真理に近づいた干渉者でもあった。

 現在、存在する干渉者は“この世の白”ヴァイスと“この世の影”シェイドと言われる。


■“この世の白”ヴァイス

 見た目は16歳程の美少年で憂いを秘めた瞳を持ち、見るものを羨望させる美貌を持つ。

 だがその内面は歪んでおり、この世の全てを憎み、世界に存在する人間全てと世界そのものの消滅を願っている。

 現存する干渉者の中で最も最高位であり、神王クレイムディアの後を継ぐ神の後継者とされた存在だったが 現在、その身は白の空間と呼ばれる世界から切り離された別次元にて幽閉されている。

 この世界の黒幕的存在であり、数々の陰謀をめぐらせ己の願い・世界の消滅を果たそうとする。

 直接世界に干渉する事ができないため、彼は自らの代わりとして役割を果たせる己の分身と呼べる存在を集める。

 それが【神の代行者(トゥアハ・デ・ダナーン)】と呼ばれる者達である。

 また白の空間にあって本来ほど世界システムの干渉を行なえないが、それでもシェイドを上回る死者蘇生(死者延命)、時間逆行と最上級クラスのシ ステムを行使できる。

 ただし破壊に関する世界システムの干渉のみは行なえない。

 これは彼にその素養がなかったため。

 エスペランサーリプレイ「眠りの皇帝」にて、その存在が始めて登場する。


■“この世の影”シェイド

 全身を漆黒のローブで包んだ謎の人物。

 古き神々の時代から存在する人物と言われ、その目的は不明。

 しかし世界の干渉者として世界や人々を正しい方向へと導くべく時折人前に姿を現 し、助言や手助けを行なう。

 その名に相応しく世界の影として決して表舞台には立たず、光を支えるための行いを続ける。

 「影とは光なくして存在し得 えない」と自らの存在を比喩する。

 また割りと幸が薄い。エスペランサーリプレイにて度々登場。好物はレトルト。


■神の代行者(トゥアハ・デ・ダナーン)

 ヴァイスによって選別された彼と志を同じくし、彼の一部・駒となった者達。

 その全員が世界そのものに対する脅威であり 、人も魔族も関係なく全てを消滅させる歪んだ白き神の代行者達。


■第一代行者“堕落の蛇”

 最初にヴァイスへと傅いた第一の代行者。現在ヴァイスとの連絡が途絶え、エル=ユーナにて独自の活動を行なっている。

 人を堕落させる術に長けており、人の面のあらゆる悪性をいかんなく開花させる。

 ヴァイスと深い因縁があるらしく、ヴァイス自身この“堕落の蛇”を心の底から嫌悪しているが、彼ほど世界を破滅に誘う使徒はいないとも称する。


■第二代行者“亡者の誘い手”

 【狂戦士の瞳(ヴァーサーカー・アイズ)】の継承者にしてヴァイスに心酔した狂信者。本名ユーグ・ソラン。

 1000年前にレギオンの扉システムを完成させたヴァイスがエル=ユーナとレギオンの扉との空間を繋げる為に

 このユーグ・ソランの持つ【狂戦士の瞳(ヴァーサーカー・アイズ)】と共鳴し、レギオンの扉とエル=ユーナとの接点になるよう施しを行う。

 当初はユーグ・ソランによってレギオンの扉が呼び込まれていたが、「絶斧」と「翼弓」の持ち主達によって倒され、レギオンによる世界の殲滅を果た せずに終わった。


■第三代行者“人形遣い”

 魔族でありながら、神の代行者の一人として選ばれた者。

 卓越した頭脳と幾多もの陰謀を張り巡らせるそれはまさに鬼才であり、ヴァイスの悲願成 就を忠実に遂行する駒として選ばれた。

 当初は主であるヴァイスに忠誠を誓い任務を遂げていたが、その任務の際に出会ったある人物に心を奪われることとなる。

 エスペランサーリプレイ「眠りの皇帝」にて登場。


■第四代行者“硝子の虚像”

 八人の代行者の中で唯一純粋な人間。しかしその内面はヴァイスと同じように世界の全てを無価値と考え、存在する価値がないと信じている。

 ある 一人の人物の魂を壊すためだけに活動を行なっている。


■第五代行者“太陽の神帝”

 全代行者の中で最強と言われ、彼がエル=ユーナに再び再臨した際にはその時点でヴァイスの悲願・世界の崩壊は成就されるとさえ言われる。

 現 在のエル=ユーナに存在するあらゆる者は決してこの人物には及ばず、それは世界の過去を遡っても唯一、神祖の魔王アルトサウディウスのみが彼 と対等と言われる程である。

 あまりに存在そのものの次元が世界と異なるため、ヴァイスの死者蘇生(死者延命)も通常では及びもつかない時間が掛かっており、現在も蘇生シス テムの最中である。

 しかし彼が再臨した際はそれはすなわちエル=ユーナの破滅の降臨と同義である。


■第六代行者“眠りの皇帝”

 これは五人の魔王の一人であり、現在の南の大陸ムーヴェリアスを支配できる当代の魔王“眠りの皇帝”その者である。

 13年前に“人形遣い”による陰謀によりこの人物誕生の計画は挫かれたかに見えたが、当初のヴァイスの目的通りにこの人物の誕生は行なわれ た。

 この“眠りの皇帝”は三代目にあたるが、歴代の“眠りの皇帝”の中でもその力は随一であり、魔族に伝わる三極剣の一つ、触れるだけであらゆる武具を崩壊させる破壊の剣「ナイトブレイカー(闇夜の破壊者)」の現所有者でもある。

 シュヴァル スト、アリスに深く関わる人物。

 エスペランサーリプレイ「眠りの皇帝」において生誕。


■第七代行者“復活の焔”

 エル=ユーナにて死して魂となった所、ヴァイスにその魂を拾われる。

 本来は第七の代行者としてヴァイスの命の下、活動を行なうはずの存在であったが本人は蘇生を拒否し、世界へと再臨をせずにいる。エル=ユーナ にて己が果たすべき目的があるが、ヴァイスの悲願に付き合う気はなく、未だに蘇生の意志を見せない。

 復活した際には現在の代行者でも上位に入るほどの実力者と言われる。


■第八代行者“滅びの帝王”

 新たに加わった新参の代行者、その正体は東のロー大陸を支配する魔王、滅びの帝王である。

 彼はある事情から魔王としての能力を失い、大幅な力の減少を余儀なくされ彷徨っていた所を“この世の白”ヴァイスによって拾われ、彼の代行者となることで、その身の安全を保証され、現在まで魔王としての力を失いながらも生存出来たと言われている。

 彼自身、ヴァイスに対する恩義は感じており、またヴァイスが願う世界を消滅するという目的も、この滅びの帝王が抱いているある願いを叶えるための 手段に適しており、そうした意味からも、この滅びの帝王はこの世の白の代理人、代行者として世界を破滅させる手段を秘密裏に行っている。


■第九代行者“白の剣聖”

 正体不明の最後の代行者にして事実上ヴァイスの体現者、半身そのものと言われる。

 この人物が完全に覚醒した際には第五代行者の目覚めを待つことなくヴァイスの望みは果たされる。

 第五代行者を除けば事実上、代行者最高位の実力を秘めた人物であり、ヴァイスの計画の中枢を担う役目を持つ。



■【レギオンの扉】

 “この世の白”ヴァイスが世界システムに干渉し、その中の一つ無限回帰のシステムに類似した擬似システムを作り出した物。

 それこそがレギオンの扉と呼ばれる物であり、全てを喰らい破壊する為の歪んだ世界システムである。

 レギオンの扉と呼ばれるシステムの中には“レギオン”と呼ばれる亡者が10億に及ぶほど存在している。それらは本来、世界で死した人の魂である はずなのだが、この歪んだシステムに取り込まれた事により“レギオン”と呼ばれるあらゆる存在を喰らいつくす亡者へと変貌してしまっている。

 このレギオンと呼ばれる亡者は世界システムにより変革された、新種の生命(霊体)であり、これを破壊する為には同じく世界システムに匹敵する強 力な力、即ち【神器】の力や【魔王の呪い】などでなければ、破壊する事は敵わない。

 ヴァイスはこのレギオンの扉による世界の破滅を目論み、このレギオンの扉とエル=ユーナとの接点を繋げる為に、その時代に生まれた第二代行者 ユーグ・ソランに施された【狂戦士の瞳】に共鳴し、レギオンの扉がエル=ユーナの世界へと開くようにシステムの最終調整を行なった。

 この為、【狂戦士の瞳】の持ち主が生まれるたびにそれに反応しこのレギオンの扉が開くシステムともなった。

 しかしこの時代、「絶斧」の持ち主であったロイと「翼弓」の持ち主でもあったアラウがこの異変に気づき、【狂戦士の瞳】を持つユーグ・ソランを葬り、 「絶斧」の無効果能力と「翼弓」の能力の一つ封魔の矢により封印が施され、レギオンの扉は機能を停止した。しかし、この機能停止も1000年の時の 流れによって弱体化し、レギオンの扉がレプリカ【狂戦士の瞳】を持つテナに反応し出した事を切欠に【狂戦士の瞳】の正統後継者・レオンの手により レギオンの扉解放が行なわれ、世界は滅亡の危機に瀕する。しかし、零の騎士セレナス、ユーア隊第八席ミスト、封魔の矢を受け継ぐ一族最後の生 き残りユージーン、翼弓の所有者の資質を持つラグナスら、時の英雄達の活躍により、今度こそ、このレギオンの扉は完全なる消滅を果たす。


■剣聖

 剣聖とは世界システムの最高位であり世界の根幹を成す存在でもある。

 かつて世界が魔王アルトサウディウスによって死に掛けた際に、世界はその脅威を認識した。

 これにより世界は新たに魔王アルトサウディウスに匹敵する世界破滅の要因となる存在が現れた際にそれに対抗し得るように抗体となる存在をシス テムとして創り出した、これが剣聖システムである。

 いわば剣聖とは世界にとっての白血球のような存在であり、世界を滅ぼす要因に対してのみ働く対抗存在である。(このため世界をたった一人で殺し 掛けた魔王アルトサウディウスと対を成す存在とも呼ばれる)

 剣聖とはその時代に生きる人間の中から無造作に選ばれるわけではなく、世界が近い将来に起こりうる危険や崩壊を察知しそれに対処できるように 事前に剣聖となり得る者が生まれるのである。

 そして世界を滅ぼす要因が活動を開始すると同時に剣聖もまたそのシステムの起動を開始する。システムの起動と同時に剣聖は人としての意志や 記憶・感情を一時的に無くし世界システムとの完全同調を行なう。

 これにより人では決して到達できない世界システム「世界樹の理」の中枢にまで同調し、世界の持つ力を人という器でありながら限りなく発揮する事 が可能となる。

 これはいわば世界の意志をそのまま代行している形である。

 このため剣聖と化している間、本人の意志や人格は仮死状態(眠り)についているが剣聖としての役割が終われば剣聖システムはその機能を終了さ せ、その者の人格や意志は元に戻る。

 また剣聖と化している間はあくまで世界が生み出した対抗存在として世界を滅ぼす要因に対してのみ世界の力を行使するものであり、その手段や経 過で無関係な人間を巻き込んだり、世界(己)自体を傷つけることは決してない。

 剣聖について正しい伝承が残っている地は少なく、中途半端な知識として残っている場所が多くあり「剣聖となった者は意志や人格を無くす」というく だりから剣聖というシステム自体が人柱的なシステムとして危険視する者がいるがそれは誤った認識であり、正しい剣聖システムには一切の害はな く、まさに世界システムの最高位に相応しい完璧なシステムである。


■“剣聖”アーク=フェイル

 初代剣聖にして人類史上最強の英雄と言われた人物。アルトサウディウスの死後、彼は剣聖システムによりすぐにエル=ユーナの世界にて生ま れたとされる。

 この時、世界が認識した脅威が五人の魔王と言われる(一説には五人の魔王ではなく、その中の一人不敗の覇王に対してのみ反応 したとも言われている)

 剣聖システムを宿して生まれたアークは剣聖と化さずとも英雄として十二分な素質を備え、その時代で魔族の脅威に怯える人々を多く救ったとされ る。またその時彼と共に戦い人類最古の歴史に英雄として名を馳せたのがオシリス、ヴァリス、そしてアークの“三英雄”と言われている。

 やがてアークは不敗の覇王フォルクスと運命的な出会いを果たす。二人の出会いは後の悲劇からは想像できない穏やかなものであり、それまで誰と も関わりを持たなかった最強の魔王フォルクスが初めて人に心を許したほどであった。

 二人は生涯の友と言えるほどの絆を築くが、やがてアークが剣聖として覚醒した瞬間 、それまで親友であったはずのフォルクスはアークをその手で討ち取り人類史上最強にして最高の英雄の歴史は幕を降ろす。

 何故、互いに深く結びついていたはずのフォルクスがアークを殺したのか。そしてそれ以後、フォルクスが剣聖の抹殺を己の使命と課したのか、全ては謎のままである。


■“春の剣聖”ルティナス=フェイレース

 春の大陸エルフェナに生まれ育った少女。ボク口調の明るい娘であり、天真爛漫で純粋無垢な彼女の心に多くの人物が魅了され、知らず知らずの 内に好意を抱くようなそんな少女である。(このためエスペランサーシリーズの中でモテモテな少女なのだが、本人には自覚は無い)。

 料理の腕に関してカレーに関しては超一流だが、その他の料理はイマイチという不思議な腕の持ち主。

 夢は世界一と謳われる学院・銀の学院に入学する事であり、これは父・クレイがかつて銀の学院に通っていた事が理由である。

 その正体はアーク=フェイルと同じその時代に選ばれた剣聖であり、その素質はアーク以上とも言われている。

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