設定メモ

<地上と地底世界>

我々が生きている世界から1000年ほど経過している。

ちょうど20××年の現代にあたる時代に、人類が絶滅の危機に瀕するほどの大災厄が起き、種としての繁栄のピークは過ぎている。

文明レベルの衰退は見られないものの、目覚しい発展もない。

かつて世界中を覆っていたインフラの網は壊滅しており、精々ごく近くの居住区画同士に交流がある程度。


<超物質DRL>

石英のような状態で採掘され、熱や電気など何らかの刺激を与えることで内部に機械的な構造を発生させることができる。

複数の素材を組み合わせ製造する必要がある機械も、DRLだけで造り上げることが可能。

生物のように外部の物質を取り込み代謝する性質があり、磨耗や損傷も物質を補填すれば自己再生する。

惑星中に『鉱脈』が出現しているようだが、複雑な機能を持たせるには特殊な技術ノウハウが必要。

穿地研究所は最先端のDRL実用化研究を進めている。


<採掘都市>

DRL採掘と実用研究の拠点として居を構えた人々が集まり、都市を形成した。

現在の東京都に匹敵する規模である。

総人口が現代の10分の一以下になっている作中世界においては、かなり大規模な都市。


<ドリルロボ>

DRLで形成された『躯体』と呼ばれるフレームに、戦闘に耐える装甲や武装を施した戦闘マシン。

人間が『搭乗者ナビゲーター』として乗り込み制御する。制御方法は機体によって異なる。

穿地研究所の進めるDRL実用化は、ドリルロボ開発における基礎研究の副産物である。


ドリルロボの名の通り、最大の特徴はドリルと呼ばれる削撃武器を持つこと。

ドリルは躯体から直接生えており、ドリルロボが扱う武装の中で最大のパワーを発揮する。

回転する螺旋状の構造はDRLが最も安定する状態であり、ドリルの形態こそが超物質DRL本来の在り様であると考えられている。


精命力オーラ

生命体に循環する生命エネルギー。

特定の物質ではなく、経絡サーキットに循環することで力の源となる。


精命力の流れを巧みに操作することで、超能力じみた現象を引き起こすことも可能。

経絡そのものが一種の魔法陣のような役割を果たしていると言える。


虎珠皇こじゅおう

黄色と橙色の装甲を持つ獣人型。拳や爪を使った格闘戦を得意とする。

両腕をドリルに変形させられる。


全てのドリルロボの中で最も地中での活動に適正があり、熱源震源探知機や地中魚雷など、地中戦闘を想定した装備を充実させている。


自我を持ち、搭乗者である天原旭とは意思の疎通が可能。

旭の獣性に惹かれ、搭乗者として受け入れる。


時命皇じみょうおう

墨色の人型ボディはすべてDRLによって形成され、身体の至る所からドリルが生えている。

ドリルロボに勝るとも劣らない戦闘力と共に明確な自我も備える、出自不明の存在。

外部の物質の吸収・排出を自在に行い、人間サイズ~巨大ロボットサイズまで拡大縮小が可能。


その気になれば外見も変えられる。


天原旭あまはらあさひ

24歳。採掘都市に父母と妹の四人家族で暮らしていた。


家族をドリル獣に惨殺され、自身も拉致され一度はドリル獣となる。

凄惨な体験が、潜在していた獣性と強靭な精命力を目覚めさせた。

怒りの叫びに惹かれ出会った虎珠皇と共に復讐の戦いに身を投じる。


天原明あまはらめい

旭の妹。16歳。兄を慕い、母と共に家庭を支えている。

穏やかかつ明るい性格で、入学したばかりの高校生活も順調であった。


宇頭芽彰吾うずめしょうご

24歳。穿地研究所の職員。ソフトモヒカンの屈強な男だがオネエ口調。

常人離れした怪力を持つ。


子供の頃から異様にドリルに愛着を持っており、研究所に半ば押しかける形で就職した。

十代の頃、ドリルビークルによる暴走族を率いていた。


嵐剣皇らんけんおう

痩身の躯体に鎧のような装甲をまとう。紅い装甲は甲虫を思わせる。


前腕に伸縮自在な細身のドリルが折りたたまれている。

地中穿行時は下半身全体が回転し、ドリルの機能を持つ。


精命力エネルギーを利用した特殊戦術を実現させる為に、人間を丸ごと取り込み経絡の構造を得ている。

その結果、人間との会話が可能なほどの高度な自我をも持つに至り、『生贄』となった国主明彦の恋人を搭乗者とし逃亡する。


明彦の人格や記憶と共に退魔士としての戦闘技術も受け継いでいる。

だが、あくまでも嵐剣皇は個別の人格である。


薙瀬夕ながせゆう

26歳。恋人の明彦と長年の交際の末婚約し、幸せな人生の第一歩を踏み出そうとしていた。

セミロングの黒髪に眼鏡。年下好き。

数年前に、両親を居住区画のマグマ噴火事故で亡くしている。


生まれつき体内経絡に流れる精命力オーラの質と量が常人よりも優れている。


国主明彦くにぬしあきひこ

23歳。地上で魔族を退ける家業についていた退魔戦士の末裔。


自らのルーツを確かめようと、採掘都市へやってきて夕と出会った。

遥か昔から練り上げられてきた退魔戦士の戦闘技術を修得している。


普段は穏やかだが、興味のある話題になると早口になる。


深中審也みなかしんや

時命皇が人間に身をやつした姿。


本人としては、この形態をとるのはあまり好きではない。


淵鏡皇えんきょうおう

白色を基調とした装甲を持つ。

DRL躯体は体幹部のみで、四肢は通常の機械を繋ぎ合わせている。

見た目は建設重機のようだが高機動。


胴体から生える巨大なドリルの破壊力は絶大だが、取り回しには難がある。

重機関砲やロケット弾など地上戦寄りの武装を持つ他、クレーンなどの作業用装備も装備可能。


虎珠皇や嵐剣皇が自我を持ってしまったことを教訓に、機械的な制御部分を多くすることで兵器としての安定性確保をはかっている。


穿地元うがちげん

50歳後半になるが見た目はもう少し若く見える。

自問自答形式の独り言を話す癖がある。


超物質生命「DRL」の研究第一人者で、穿地研究所の所長。

研究所には彼の一族に連なる者が多数勤務している。


宇頭芽彰三うずめしょうぞう 梓乃しの

彰吾の両親。二人三脚で会社を運営している。

元は採掘都市で掘削機械のオーダーメイド製造販売を行っていた。


穿地研究所のドリルロボ開発プロジェクトに先行投資し、実用化されたドリルマシンの技術をほぼ独占的に扱い企業は急成長を遂げた。


元来堅実な経営者であり、得体の知れないドリル研究に投資することは考えにくい人物。

会社が大きくなり始めた頃から別人のようになり、彰吾が非行に走るきっかけとなった。


穿道九十九せんどうつくも

かつて穿地の腹心であったが、ある日姿を消す。

再び現れたとき、彼は人類そのものを裏切っていた。


壊天大王かいてんだいおう

移動要塞研究所『回地』が変形。神殿のような神々しさを放つ超巨体。

手に独鈷型の両刃ドリルを持っている。

穿地博士の最高傑作。


『次元穿孔』『百鬼夜行』など、他のドリルロボが足元にも及ばない能力を使いこなす。


<ドリル奥義>

ドリルロボと搭乗者ナビゲーターが力を高めることでDRLの潜在能力を発現することができる。


金剛索こんごうさく

四方八方から同時に発射したドリルの軌跡で檻を編み上げる捕縛技。

檻に電気を流すなどすれば攻撃にも使える。


破導はどう

極限まで回転エネルギーを高めることで、空間を破壊する技。

ドリルが触れた場所に破壊空間が発生するため、黒い光を纏っているように見える。

破壊空間を飛ばして、離れた場所を破壊することができる。


『百鬼夜行』

自らより下位のDRL躯体にハッキングし、躯体の構造を変化させて操る技。

自在に繰り出すには桁外れの処理能力を必要とする。


『次元穿孔』

単に破壊するだけでなく、空間そのものを歪めコントロールする。

次元穿孔の射程内では神になったも同然である。


辰間たつまはじめ

14歳。地上の学校に通う。父母との三人家族だが、父は仕事の都合で家を離れがち。おとなしく穏やかな少年で、ともすれば気弱な印象を受けるが芯はかなり強い。

開拓調査員(冒険者のようなもの)の父を尊敬している。


『千里眼』という超能力を持つ舞に対し、自身は平凡だと思っている。

実際は幼い頃から父親により精命力の流れを効率化する訓練をなされているため、潜在能力は高い。


<辰間 りゅう

基の父親。

将来的な居住区域の拡張のため、現在は放棄されている旧時代の遺跡を調査する開拓調査員の仕事に従事している。

家は留守にしがちだが、家族と共に過ごす時間を大切にする。

基の素養を見抜き、幼い頃から潜在能力を高める『英才教育』をしていた。

息子がその力をどう使うかはただ見守るべしと考えている。


<辰間 サラ>

基の母。

非日常に位置する夫の生業を全て知った上で、平凡な家庭の妻、母として生きている。


「真実を見るのなら覚悟が必要」が夫婦の合言葉。


鍔作つばさ まい

14歳。古物商を営む祖母と暮らしている。開拓調査員だった両親とは幼い頃に死別しており、祖母に育てられた。

辰間基とは幼馴染。


両親譲りの知的好奇心が旺盛で、興味のある事柄には一直線。

商品として取り扱っている古文書に記された『おとぎばなし』に興味をもったのが切っ掛けで、調査のために廃部寸前だったオカルト研究会を力技で存続させている。


地上に生き残った退魔士の末裔としての力が強く現れている。

舞に顕著に現れている能力は『千里眼(超視力)』


<鍔作 杜眞理とまり

舞の祖母。息子たち無き後も骨董品店「鍔作オーパーツ」を経営し、舞を育てている。

現在は辰間竜が持ち帰る遺跡の物品を買いつけ、地元の技術保存課や防衛隊に降ろすのが専らの仕事。以前は息子と嫁が商品の調達役をしていた。


ただの道具や機械と、対魔士にまつわる道具とを直観的に見分けることができる。


礼座れいざ ひかる

基たちの学校に転入してきた、金髪碧眼の絵に描いたような美少年。

外見の印象とは裏腹に一人称は「俺」で、ややワイルドな性格は女子生徒の注目を一気に集めた。


その正体は人類側に与する光鉄機・アイエン。


光鉄機こうてつき 魂鋼こんごうアイエン>

礼座光の真の姿。銀の鎧を全身に纏った武装天使。

達人の域に達した体術と、腕から放たれる精命力オーラの光線技が主な攻撃手段。

必殺技は突き出した両手から超圧縮エネルギーを放射するオーラ・フラッシャー。


サイズはドリルロボと同程度。


<光鉄機 電龍でんりゅうドラグ>

辰間基が礼座光アイエンの欠片と『光鋼鍛着アークビルド』により変身した姿。


アイエンの力を触媒とし、基と舞の精命力が相互作用を起こすことで、かつての光鉄機アイエンとは全く異なる姿に再構成される。

それゆえ、基、舞、光の欠片が揃っていないと光鋼鍛着はできない。


サイズはアイエンやドリルロボの三分の二程度。

この差は、礼座光の精命力を分割していることが影響している。


退魔士の技を用いた拳法のような格闘術と、左腕で操る電気や磁力を用いた技を得意とする。

一撃の軽さを手数で補うタイプである。


<光鉄機 翔炎しょうえんセイル>

舞が変身した翼人。ドラグとセイルは二体で1対の光鉄機。

空中を自在に駆け、右の指先からビームを発射して戦う。

元々持っていた『千里眼』の能力が何倍にも強化されており、正確無比な狙撃を可能としている。


光撃を得意とする反面、直接的な腕力は弱い。

生身の彰吾と組み合ったら拮抗してしまうレベルである。


<地獄界>

地獄界は採掘都市のような単なる地中とは異なる空間に存在する。


地上の特定の土地は異世界との壁が薄く、行き来が容易である。

そういった場所は、古来より三途の川、賽の河原などと呼ばれ霊的な守護の対象となっていた。


<魔族>

地獄界での生存競争にあぶれた力の弱い魔族は地上に侵入し、生物の精命力を喰らおうとする。


ゆえに地上に姿を現すのは低級魔族が殆どで、第二部終盤に出てきた鬼のような魔族がわざわざ人界へやってくることは稀。



<退魔士>

人間の肉体には循環器がある。生命力には経絡がある。精神にも一定の道筋が存在する。

言わば人体とは器質的に一種の『魔法陣』なのである。

退魔士とはその器質の構造がより高効率になっている者達である。


精命力を媒介として超人的な力を発揮する彼らは、かつては世界中に巨大な組織をつくり人類を守護していたという。

現在は各地に散り散りとなり、連綿と世代を重ね戦いを続ける者も居れば野に下り人々と共に暮らし血を残す者も居る。


退魔士はその力の程度により簡単な区分をする習慣がある。


2級退魔士:駆け出しの退魔士。修業中の身であり、単身で戦場に出ることは無い。能力的にはほぼ常人と変わらない。


1級退魔士:

通常、退魔士と言うと1級退魔士を指す。退魔士の任務遂行に必要な様々な能力が修練により覚醒解放された、超能力戦士である。


上級退魔士:

特に能力の高さを認められた者は、上級退魔士と呼ばれ、より困難な任務に就く。

強力な念道力や透視能力、運動能力増幅による怪力など、精命力を高レベルで使いこなす。

その戦力は一般の退魔士10人分に匹敵すると言われる。


特級退魔士:

存在そのものが全くもって他の階級とは異なる退魔士。

人類の手に負えない強力な魔が現れた時に姿を現す“切り札”的存在。つまり、人類とは別種。

太古より続く人と魔との戦いが始まった頃から現在に至るまで同一の特級退魔士が人類側に与して戦い続けている。

存在する特級退魔士の姿も様々で、ある者は海溝の底で眠っていたり、ある者は列車に身をやつしていたりする。

共通する特徴は『巨大であること』



<大巫女・雨深那うみな

現存する退魔士の里を治める指導者であり、最強クラスの退魔士。

最初老婆の姿に身をやつしていたのは本人なりのサプライズ演出。


人類が滅亡に瀕した千年前より更に昔、太古の時代から地上を守護していた戦士の出。

かつての戦いの折、龍神の巫女として『オオキミ』の力と主神たる龍と同等の生命を授かり、半不死の超人となった。


精命力を内的な力に変換した体術を得意とし、特に投擲は白眉の腕前。

手近なものをただ投げるだけの乱定剣であっても、雨深那の投擲であれば近代兵器に並ぶ威力を発揮する。


翆流すいる

水を司る龍神。

魔族ではなく、いわゆる我々が想像する『神様』である。


巫女である雨深那とは固い友情で結ばれている。


現在は賽の河原の上流に祠をかまえ退魔士を見守る。

時々、雨深那と同じく若い女性の姿で里へ降りてきて酒盛りをするらしい。


自身が支配する空間の『水』を意のままに操ることができる。

川や湖の水流を変化させたり空気中の水分を操作して雲を作り雷を発生させることも可能。


<特級退魔士オオキミ>

雨深那が生まれる前、途方も無い太古の時代から人々を護ってきた巨人。

搭乗者ナビゲーターの動きに同調し、神の如き力を授ける。


戦士の埴輪を巨大ロボットにリファインしたような姿をしている。

現代の科学技術とは異なる古代文明の技術によって建造されたが、後付で現代技術の機構や武装を取り付けることもある。

甲冑の縁取りにあしらったファイアパターンは雨深那の趣味。


<ゲドー軍>

地獄界唯一のまとまりのある勢力。

鬼などヒエラルキーの上位に位置する魔族で構成された暴虐集団。


彼らを束ねるのは地獄王ド・ゲドーである。


<地獄の愉快な仲間たち>


ヒャッハー鬼:思うさま暴力を振るい日々を過ごすエンジョイ&エキサイティング勢。だいたいはゲドー軍所属。彼らに頭髪は無いが、もし生えたならヘアスタイルはモヒカンであろう。


ガーデニング鬼:愚鈍なインドア派ながら軍勢の食糧事情に割と貢献していた。


武者鬼:トゲトゲのついたアーマーを着用する世紀末ファッションリーダー。


人面花:種子は淫具、発芽したらグロ系のリョナ担当植物。果実は脳みそみたいな味がするらしい。


蝙蝠男:女子中学生をさらうと言う、人間界でやったら個人的な趣味までワイドショーで晒されるレベルの罪を犯した。


猫人ねこびと:ネコミミ獣人。かなりマイルドなケモなので捕食される様はショッキング。


浮遊毛玉:ケサランパサラン的なアレ。大きいのと小さいのがカルガモ親子のように漂っていることが多い。視界に入るとかなり鬱陶しい。


踊る草花:往年の大ヒット商品。


<淵鏡皇・改>

退魔士の里で改修を受け、大幅に強化された淵鏡皇。

搭載された超兵器の数々は魔族にのみ有効という訳ではなく、単純に破壊力がとてつもないだけである。


動作プログラムのセッティングは、虎珠皇のサポートを意識していた初期の状態から格闘戦を優先したものに再調整している。

特級退魔士オオキミに搭載されていたパワー増幅装置を受け継いだこともあり、搭乗者・宇頭芽彰吾の能力も最大限に発揮できるようになった。


<阿修羅虎珠皇>

肉体にDRLを取り込んだ搭乗者・天原旭と融合することでドリルの力を引き出した虎珠皇の姿。

背部から伸びていた4つのドリルが全て腕へと変化している。


6本の腕が生えている胸部は躯体が大きく変形。

元々の腕の上下に備わる腕は、左右が対角線上になっている。

たとえば6本腕でパンチを連打する場合は、水平の左右・右上と左下・左上と右下がそれぞれ独立して交互に繰り出される。


泥魔ディマ

千年前に斥候として送り込まれていた魔族の元エリート戦士。

雨深那たち退魔士との交流を通し、人族のあり様に惹かれた。


魔族軍と袂を別った際に左腕を喪ったが、退魔士の技術者により高性能武装義手を贈られている。

本人的にも気に入っているらしい。


微鬼みき

ディマを慕う下級魔族。

特別な力も何もない彼女は、魔族の理にあっては造作も無く喰われるだけの存在。


それを理由もなく助けたいと思ったのは、同胞たる魔族ではなく人間の方だったのだ。


<蛇男>

ド=ゲドー率いる魔族の軍勢の中でも有力な魔族の一角。

軍団と共に拠点を任され、そこに構えた砦に自らの趣味で『邪蛇城じゃじゃじょう』と名づけていた。


身体的特徴だけでなく、慇懃な態度と粗暴な素顔で狡猾に立ち回ることから、仲間からも『四枚舌』と呼ばれている。


本気を出す時は一瞬で脱皮して大蛇になる。

多分倒すと三箇所から三回ずつ剥ぎ取りができる。


<狐獣人>

蛇男の部下。

本人の戦闘能力は低いが、動いているものを別の姿に見せる幻術を巧みに操る。


惨坊さんぼう

地獄王の腹心の部下。

常に金属球を手にしており、それを用いて主君のメッセージを受け取っているような素振りを見せる。


それが本当に地獄王の言葉なのか、彼自身の言葉なのかは知る由も無い。

確実なのは、現在はこの男が地獄王に最も近しい位置に居るという事実である。


<地獄王 ド=ゲドー>

地獄界がこの世に創られた瞬間から存在している。

人類が過度に繁栄し自滅しないよう間引きを行う本能を持ち、人界の精命力密度を察知して覚醒する。


覚醒は中枢部に制御球をセットすることで行われるだけでなく、中枢部にナビゲーターを配置し制御球を通して動作の決定をさせる。

絶大な力を持った搭乗型殺戮ロボットである。


だが、地獄王こそが魔族を統合する存在であり、彼を操る魔族が誰であってもとどのつまりは地獄王の意志のまま行動しているに過ぎないのだ。


螺卒衆らそつしゅう

穿地の一族が作り出した超物質DRLの生成システムに、末代の穿地元が手を加えることで誕生した新しい生物種。


DRLは惑星の持つ精命力経絡に寄生することで半永久的に物質化する。

通常は未分化の状態で出土するが、ある時期から時命皇のようにごくまれに最初から個体として確立した者も現れ始めた。


そこに目をつけた穿地が生成システムそのものを操作し、意図的に生み出したのが螺卒である。

本来は各々が独立した個体としての性質を持つが、穿地元は『百鬼夜行』プログラムを用いて彼らを意のままに操っていた。

(当然、自我に反して戦いに駆り立てられることは甚だしい苦痛を伴う)


なお、ドリルロボは螺卒の制御方法を研究する過程で生み出されたで。

正式には『試製螺卒がい 第○号』『仮想“螺卒”模擬躯体 第○号』などと分類されていた。


<時命皇・憂密うしみつ

自然発生したDRL生命体『時命皇』=『深中審也』が穿地元の手に落ちた状態。

『百鬼夜行』プログラムの開発過程で作られた『試製螺卒制御機構 憂密うしみつ』を取り付けられ、穿地の命ずるまま行動するロボットにされていた。


全身に張り巡らされた装甲は経絡の循環を促す効果があり、『憂密』が受信した信号を即座に伝達させる。

また、運動性能も若干向上しているようだ。


<淵鏡皇・改『爆烈』>

自我の芽生えた淵鏡皇がドリル奥義『爆烈』を発動させた状態。


躯体の経絡を高圧で循環させ活性化、パワーを飛躍的に増大させる。

その際、余剰エネルギーが胸部の巨大ドリルから絶え間なく放出される。


絶大な力を持つがDRL躯体の消耗も凄まじい。

本来はゆっくりと再生する筈のロウソクを、打ち上げ花火のように一瞬で燃焼させているような状態である。


魂鋼たまはがね嵐剣皇>

力を高めた光鉄機と嵐剣皇が融合した状態。


礼座光=アイエンは他者の経絡に寄生する能力があり、辰間基と鍔作舞からもその能力によって精命力を借りていた(光鉄機への変身能力はおまけ)。

ドリルロボにも経絡が存在するため同じ原理で融合が可能。


戦闘で失った装甲の代わりに、光鉄機の精命力が物質化マテリアライズした光装甲を装備。

礼座光の戦闘経験と嵐剣皇が持つ退魔士の戦闘記録も統合され、最強の装備を持った高位退魔士と同等以上の能力を誇る。


<ドリル奥義『閃攻せんこう』>

人類の歴史上、初めて確認されたドリル奥義。


電脳の演算速度を一時的にオーバークロックして高機動モードに入り、亜光速のドリル攻撃を行う。


千年前にこの奥義を発動した退魔士は、地獄王に大きなダメージを与え撃退に成功している。


螺刹皇らせつおう

来るべきDRL生命体の支配する世界で自身が君臨するため、穿地元が造り出したDRL躯体。

自身の人格を完全移植した、穿地元の新たなる肉体である。


自身の内側だけであらゆる物事を完結させようとする穿地元の内面を反映してか、歪な左右非対称の外観を持つ。


大きさこそ他のドリルロボと同等だが、自身の亜空間行動さえ可能とする高度な次元穿孔や異次元操作まで可能。


大螺旋旭虎珠皇だいらせんあさひこじゅおう

螺刹皇によって粉砕され異次元空間で攪拌された天原旭と虎珠皇が混ざり合うことでした存在。


意志を持った細胞が中核を為す事で、三昧効果によりドリルの真理を悟っている。

これによりあらゆるドリル奥義を自在に行使することができる。


人格は天原旭と虎珠皇が混ざり合った状態だが、元々似たもの同士なのでさして違和感はない様子。


<千年前の退魔戦士>

前回の魔族大侵攻の折、上級退魔士・雨深那らと共に地獄王に戦いを挑んだ退魔士の一人。


左腕にドリルを備えたは人類種とは異なる存在である。

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