第14話 魔法対策(2)

 「おまえか、奴隷でありながら魔法について知りたいというのは」

キールは頭を下げ視線を合わせることなく答えた

「はい、恐れ多くはございますが、これからの試しにおきまして参考とさせていただきたくクーフェン様にお取次ぎをお願い申し上げた次第でございます」

「ふん、奴隷風情が偉そうに。そもそも理解できるとでも言うのか」

「恐れながら、もちろん全てを理解できるとは思っておりません。それでも僅かでも知っている事で対戦相手が魔法を使ってきた場合に対応がしやすくなるのではないかと思いまして。私が1つでも上位に入る事がルフト様のお役にたつとなれば僅かでも努めるべきと愚考いたします」

「ふん、実際にどこまで理解できるものか。だがルフト様のためとなれば否やはない。私が知る限りを時間のゆるす限り伝えてやろう」

「はい、お願いいたします」

ユラは説明を始めた

「魔法は、いくつかのカテゴリーに分けられる。戦闘には寄与しない日常用の生活魔法と呼ばれるもの。これは今回の説明では省略する。戦闘に寄与する魔法では自らの魔法力を使用し魔法を発動するものと、周囲の魔法力を利用し魔法を発動するものがある。これはどちらが上でどちらが下というものではない。自らの魔法力を使えば周囲の環境に影響されること無く安定した魔法が使える・・・・・」

説明された結果分かったのは、この正解の魔法は自らの持つMP的な力で発動するものと、元の世界のファンタジー小説でよく出てくる精霊力的な力を利用して発動するものがある。ただし、これらにはファンタジー小説でよくある属性的なものはなく全てが同じように使える。ようするにその魔力とか精霊力的なものを発動者自身がコントロールして目的の現象を起こす。

これらはどちらにも利点欠点がある。自らの魔力を使う魔法は発動が早く自らの中でのためコントロールが容易、また精霊力的な魔力は場所によりその濃度・量がことなるため威力が安定しないが、自らの魔力を使う魔法は安定する。ただし、自らの中から魔力を取り出すため単時間に使える魔法には強さ・回数の制限が大きい。逆に性霊力的な魔力を使う場合、発動までの時間が少し長くなるが、その場にある魔力を使う為基本的に回数制限はない。ただし、場所により魔力の多い少ないがあり、それにより発動する魔法の威力が制限される。ただし威力の上限は使用者の取り込むための器のようなものに依存するため無制限ではない。特に属性のようなものは無いので使用者がコントロールできれば同じ魔力で回復もバフもデバフも火も水も風もその他の現象も起こせる。あとは使用者の好みがその威力に影響を与える。

これでこの世界の魔法のあり方は大方把握した。特に奴隷が使うような魔法ならこの情報から逸脱するような特殊なものは考えなくて良いだろう。

あとはそれぞれの対策だな・・・

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