(18)天長節

「今日こそ南瓜の煮物だよー」

 と、みつきさんの前に小鉢を置いたら、怪訝そうな顔をされた。

「ん? どうしたの?」

「……お前は天長節に南瓜を食べるのか?」

 天長節って、また古い言い回しだなぁと思いつつ頷く。

「確かに今日は天皇誕生日だけど冬至でもあるでしょ?」

「仙太郎」

 向けられたのは何だか気の毒なものを見るようなまなざし。

「今年の冬至は昨日終わった」

「……え?」


 え? 今上天皇の誕生日が冬至じゃなかったんだ……?


「うわぁ! てっきりクリスマス・イブの前の日が冬至だと! この二十年近く!」

「ちなみに毎年少しずつ違うぞ」

「え……、ほ、本当に……?」

「南瓜は美味いぞ、仙太郎」

「……ありがとう」

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