血の運命(一)

 目を開けると、日の光が目に飛び込む。

 窓から差し込んだ柔らかい陽射しがもうとっくに朝だということを告げていた。少し眠気の残る身体を持ち上げてベッドの上に座る。ぼんやりとした感覚が心地よい。一つ大きな欠伸をすると、脳が次第に覚めていく。外を見やれば、太陽はもういい高さにまで登っていた。

 すこし寝すぎたなと思った。家族で近くの集落へと買い物に行った次の日は、いつも少しばかり寝すぎてしまう。往復四時間の距離を父と母はなんでもなく歩くけれど、やはり十二の私には少し辛かった。

 私は壁に掛かった白いワンピースを見る。そして、疲れたけれど行って良かったと思った。

 昨日、集落にあるたった一軒の服屋で両親に頼んで買ってもらったそれは、無駄な装飾が少なく、とても私の好みだった。思い返してみれば確か両親に何か欲しいと言ったのは初めてだ。母は「お洒落したいの?」なんて意地悪っぽい笑みを浮かべながらも、快く買ってくれた。

 私はベッドから立ち上がると早速、卸し立てのそれに袖を通す。

 胸が少し高鳴って、私はその場でくるりと回ってみたりする。裾がふわりと捲れた。口元が緩む。誰かに見せたかった。

 台所には母がいるだろう。そう思った私は少し浮ついた足取りで部屋を出る。

 洗面所で素早く顔を洗って、歯磨きをして、そしてダイニングへと向かう。


「お母さん、おはよう」


 ダイニングへ入りながら母に声をかける。母は何かを料理しながら軽く私に視線を遣って「おはよう、今日は遅かったね」なんて言った。


「朝ごはん食べたら、お父さんのこと手伝ってきて。畑にいるから」


 そんなことを言いながら母は、朝食にライ麦パンとベーコン、目玉焼きを出す。

 ワンピースのことに触れられなかった私は、軽く肩透かしを食らった気分だった。


「んー、ん。分かった」


 若干腑に落ちない気持ちを抱えながら、曖昧に承知。食卓に着いた私はそのままパンを口に運ぶ。いつも通りのその味は悪くなかった。

 母は続けてマグを卓に置いた。その中身にちらりと見て、そして、私は目を奪われた。


「ミルクティー!」


 すぐにその桃色がかった白茶の液体が何なのかは分かった。大好きだった。

 人生で数えるほどしか飲んだことはないが、その甘さと香りは忘れたことがない。

 しかし、紅茶は高級品だ。よく買ったな、と思い母を見ると、舌を出して茶目っぽく言った。


「奮発しちゃった」


 早々に朝食を食べ終えて、ミルクティーに舌鼓を打つ。

 至福。

 しかし、それはミルクティーの最後の一滴が舌に乗り、いつも見ているマグの底が現れて、終わった。

 ああ、なんて無情。

 もうその時には母にワンピースのことに一言欲しかったこともすっかり頭から抜けていた。


「じゃあ、お父さんのところ手伝ってくる」


 皿を下げながらそう言えば、母は「うん、いってらっしゃい」と返してきた。


「アルマ」


 そのまま外へ向かおうとした私を母が呼び止める。そして、飛び切りの笑顔で言った。


「そのワンピース、すごい似合ってるよ」


 私はなんのことか理解できなくて一瞬呆然とした。そしてそれが分かってすぐに、自然と顔が綻ぶ。


「うんっ!」


 嬉しくなった私は、裾を少し指先で持ち上げて自慢するようにしてそう返した。

 ひらりと翻して、動き始めればついつい小走りになる。「転ばないようにね」なんて母の言葉が背中に掛けられたのを軽く流しながら、サンダルを履く。


「いってきます」


 大きな声で母にそう言うと、私は扉を開けて外へ出た。

 眩しい光を手で遮る。すれば、まず見えたのは真っ青な空、そしてその中で主張する太陽。遥か彼方に沸き立つ入道雲。栄える木々の緑に、控え目ながらも聞こえる蝉の鳴き声。

 初夏だった。夏がそろそろ始まろうとしていた。

 靴先で地面を二度叩く。そして小さく跳ねて、畑の方へと向かう。

 大きく育った野菜たちの隙間から見える。野良着に麦わら帽子を被った父は、土いじりをしている。


「お父さん!」


 私はそう言って近くに寄る。すると父は立ち上がって、麦わら帽子を自分の頭から取った。そして、私へと被せ、頭を軽く二、三度叩く。


「おはよう、アルマ」

「うん、おはよう」


 私は顔を父の方へと向けた。


「そのワンピース、よく似合ってるよ」

「うん、可愛いでしょ。ありがとう!」


 やわらかくそう言った父に、私は笑顔を返す。気分が良くなった私は、早速手伝いを始めようと思った。


「何すればいい?」

「んー、とりあえず水あげてもらおうかな」

「任せて!」


 私は頷いて、直ぐに木桶に水を汲んで、杓子で撒いた。

 すると宙に舞った水が光を乱反射して虹となるが、瞬きする間に消えてしまった。しかしそれはあまりにも美しくて、一瞬で失せてしまうには惜しくて、私は何度も水を撒いた。


「お父さん」


 そんなことをしていると、私は一つ疑問が湧いた。


「あっちの、大きな村の方にはもう行かないの?」


 村。以前は買い物に行く時は、集落の方ではなく村の方へ行っていた。集落の方へ買い物に行くようになったのはここ半年くらいか。しかし、村の方が集落よりも遥かに大きかったし、服屋だけでも三軒あったと記憶している。私には何で村の方に行かないのか疑問だった。

 父は手の動きを止めると、こちらに顔を向けて言った。


「あの村はなあ、もう人が全然いなくなっちゃって。集落の方より人がいないよ」

「ふぅん」


 私は軽く返事をした。何の気なしに「何で?」と言葉を続ける。


「魔物の領域が近くなったから、みんな都に引っ越したんだってさ」

「そうなんだー」


 魔物は恐ろしい。そのことは知識としては知っていた。人間が魔物に侵されて衰退していることも、人間が魔物に抗う術がないことも。しかし、私は魔物を見たことがない。確かに私の家は魔物の領域が近かったが「三人しか住んでないこんな処は魔物も襲ってこないよ」と母が言っていた。

 日々は毎日平穏だ。

 だから、そんなのはどこか遠いところの話のような気がしていて、実感としては分からなかった。

 私はただ、集落よりは活気のあったあの村に行けなくなって残念だな、と思った。

 水を撒こうと木桶に杓子を入れれば、もう木桶の中は空だった。

 それを見た父が「水撒きはもうそのくらいでいいかな。お父さんお腹すいちゃったから、お母さんにお昼ご飯何か聞いてきてよ」と言った。私は了解すると、木桶と杓子を片して、家の方へと小走りした。

 家の扉を開けると、習慣となっているから「ただいま」が口を突いて出た。手で額を拭うと軽く汗ばんでいる。


「お母さん」


 廊下から母に声を掛けながら、台所の方へ歩く。少し甘めの香りが漂って、今日の昼食に期待が持てた。パンケーキだろうか。

 台所の方から母の手が見える。


「今日のお昼って……」


 母の腕は、そのまま重力に従って、落ちた。

 赤いものが、母の腕の周り床に、零れている。


「何にするの?」


 母の腕は、腕だけとして、床に転がっている。

 視線を少し先にやると、深緑の何かが見えた。

 母はその下で転がっている。

 違う。

 現実にしてはあまりに残酷で。だってさっきまで母は笑っていて。それはきっと何か。嫌だ。魔物なんて、だって。おかしい。今日のお昼は。ミルクティーが。明日も。ずっとこのまま。

 今、目の前にある現実。

 母が、オークに、犯されている。

 焦点がどこかにずれて、また元に戻る。

 脳が鈍器で殴られたようにふらふらする。

 誰かの息が荒い。私だ。

 のっそりとオークが私の方に振り向く。剥き出しの牙の横から滴る涎、鼻は潰れたよう。

 見開かれた醜く赤い目が私を捕らえた時、張り付いた自分の叫びが鼓膜を劈いた。

 夢だと思った。肌に当たる陽射しの温かさだけが妙に現実的だった。

 そして、オークが立ち上がろうとした瞬間、硝子の割れる音。

 同時に緑色の巨体が横に倒れる。

 父が現れて、オークに飛び蹴りを食らわしたのだった。

 そして父は一瞬で母を抱え上げると、私の手を取って家の外へと出た。耕して整った畑の中を構うことなく走る。風のような速度だ。私も懸命に足を動かそうとするが、力が入らない。半ば引き摺られるようにして行く。

 後ろを少し見てみれば、点々と滴った母の血の上をオークが猛然と駆けていた。その赤い目は明らかに私たちを捕らえている。

 家の敷地を離れて森の中へ入ると、私たちの速度はさらに落ちた。対してオークは衰えない。距離は一秒毎に明確に小さくなっていく。


「無理……だよ」


 荒い呼吸、苦悶の表情のまま母は言った。


「アーサー、私を殺して、あいつを倒して」

「しない、そんなこと絶対に。守りたいんだ。君と、アルマは」


  森の中、そこだけ木がない。まるでちょっとした広場のようになっている中央。父は決心したように止まった。

 私の手を放して、母を地面へと寝かせる。父は唾を飲み込み、私たちに背を向けてオークとの間に立ちはだかった。

 父は大きく息を吸う。そして、右手を空へと伸ばし、呟く。


「アッシュグレイ」


 まるでその声を聞くために、世界中の全てが黙ったようだった。決して大きくなかったが、私にはよく聞こえた。

 次瞬、父のその手には漆黒の長剣が握られていた。

 美しい。

 ただ、そう思った。太陽の輝きさえ拒絶するその色は、世界に穿たれた穴のようだった。

 父は短く気合を入れると、向かってくるオークと距離を詰めた。振り被り、正確にまっすぐな剣筋でオークの首を捉える。しかし、それは魔物の厚く硬い外皮に阻まれ、僅か数ミリの傷を付けたのみだった。

 しかし、父は諦めない。オークが振り落とした拳を避けて、もう胸へと刺突した。けれど、オークはそれを全く意に介さず腕を大きく薙いだ。父はすかさず手首を返して、剣の腹で受け止める。踏ん張るも、衝撃を抑え切れず父は態勢を崩した。

 父ではオークに勝てない。父だけではない。何人たりとも、人間では魔物に勝てないのだ。知識でしか知らなかった絶望が今、目の前にはあった。

 風を貫いて繰り出されたオークの掌底を体を捩じり、辛くも躱す。一撃、もう一撃と父も攻撃を繰り返すが、オークは平然としている。幾度となく繰り返される強襲に対して、父は一歩も退かない。明らかに劣勢だったが、後ろへ下がることだけはしなかった。

 しかし、そんな紙一重の回避が完璧になし続けられるはずもなく、オークの薙ぎ払いが掠り、父の左腕はあらぬ方向へと折れ曲がった。


「アーサー、もう、もう止めて」


 母は蚊の鳴くような声で呟く。血と涙と土で汚れている。脚も折れているようだった。それでも片手で地面を掴み、匍匐のような形で父の方へと近付く。肘上から先がない腕を父へと伸ばすと、傷口から血が流れ続けているのがよく分かった。

 何をすればいいのか、何をどうすればいいのか。私はその光景を眺めている。どこにも合わない焦点、涙で滲む風景。身体の一切に力は入らず、この世界は絶望だった。

 父とオークの闘いは自明の結末で終わった。

 オークの連打を躱し切れなかった父が腹に拳を受けて、軽く吹き飛んだ。

 手から落ちた黒の長剣が落ちている礫に当たって、甲高い音を鳴らしながら母の近くに落ちる。

 父は私の隣にどさりと落ちた。

 すぐさま顔を上げて状況を確認すると父は、立ち上がろうする。しかし、力が入らないようだった。額に光る脂汗。低く呻きながら、身体を持ち上げようとする腕に力が入り大きく震える。鬼気迫る顔。また呻くと、赤黒い血が垂れる。

 微塵の力も入らない私の体では、手を貸すこともできなかった。それに手を貸して再びオークとの戦闘に立たせたとしても、父が死ぬのは明らかだ。私にその覚悟は、なかった。


「アーサー」


 母の声が凛然として響く。

 僅かに震えたその声は、しかし寸分の迷いもなく。


「この戦いに勝って」


 黒い長剣の刃を持つと、その切っ先を自らの喉元へと。


「アルマを守って」


 笑った顔から流れる涙は、頬の皺をなぞって顎先へと。そして、ゆっくりと垂れ落ちた涙は、陽光に当たり輝く。

 そして、母の喉元へと長剣は吸い込まれ、貫いた。

 赤黒い血が噴いて、母の体は傾き、そして倒れる。

 父の叫び。

 獣のようなその声は言葉の体をなしてはおらず、ただの感情の爆発、咆哮だった。

 オークは一歩踏み出して、低く重い音が。


「アッシュグレイ」


 父は咆哮の最後でそう叫ぶ。

 すると先程と同じように、右手に長剣が収まる。母の鮮血が柄を伝って、父の腕まで流れた。

 父は剣を地面へと突き刺し、震えながら、立ち上がる。父の頬を涙が通るのが見え、そしてそれは顎先で口から流れる血と混じって、垂れた。

 安定を欠く足取りながら立った父は、目を閉じて荒い呼吸を整える。昂る怒りを抑えるように、込み上げる悲しみを噛み殺すように。

 地面から剣を抜き払う。

 一歩また一歩とオークが近づく。

 ゆっくりと息を吐き出す音が聞こえ、ゆっくりと父は目を開けた。

 オークは父の目前、確実に命を奪おうと大きく振り被る。

 父はよろけた筋で剣を振るう。

 オークの肩口を何の抵抗もなしに割いたその黒い剣は、骨の存在を感じさせることもないまま斬り進んで、脇腹から出ていった。

 絶望は、断末魔を上げて、赤い血を噴き出し、倒れた。

 父の手から抜けた黒の長剣は、カランカランと音を立てて転がる。そして、地面へ落ちる私の影を貫いた。


「ああ、結局、俺は何一つ守れない、ただの人殺しだったんだ」


 肺から洩れるようにして空中に溶けだした父のその言葉が耳に入る。

 私の心は恥知らずで母の死んだ悲しみは無かった。助かったという安堵が思考の全てを占めている。

 緊張の糸が切れて座り込んだ私。思考は奥底から徐々に失われていく。

 日が傾く頃、考えも、感情も、何も浮かばないまま、父に手を取られて家へと帰ってきた。

 朝食を摂った時と同じ、三つある椅子の私がいつも座る席に腰を掛ける。

 割れた窓。作りかけの昼食。転がっている母の腕。床で乾き始めている血。

 そこにあったはずの日常が、今は無くなっている。心が理性から剥がれて、暴れ出す。湧いた悲しみは目から溢れて、止め処ない涙となった。

 泣いて、疲れ果てて、呼吸を整えて、そしてまた、泣いた。

 父は黒い剣を立て掛けて、私の前の椅子に座っている。自らの手をぼうっと眺めている。

 いつの間にか夜。涙は枯れている。泣きすぎて頭痛がした。纏まらない思考回路。悲しみが引くことは無く、押し寄せる感情の波に、溺れている。


「アルマ」


 父が無表情のまま口を動かす。


「父さんはな、必敗の勇者だったんだ」


私はその言葉に耳を傾ける気も無く、ただ机の木目を見ている。

 それでも父は喋った。あの黒い長剣、聖剣のことを。

 私の一族だけが担い手となれるあの剣は、人間一人の命を代価に命を一つ斬り裂くことができる。また担い手となれば不老、また空腹や寒暑で、不眠でも死ぬことも無い。人々に勇者と期待されて、ただ戦い続けることを半ば強要される。人間を代価とする方法は二つ。一つは相手の血を飲むこと、もう一つは聖剣を以って相手を殺すこと。

 父は言葉少なにそう語った。

 夏の夜風が吹き込んで、頬に当たる。涙の跡が冷えた。


「アルマ」


 私の名を呼んだ。

 顔を上げて父の目を見れば、虚ろだった。何も映さないその瞳が私を捕らえている。


「勇者になってくれ。聖剣は振るわなくていい。何もしなくていい。けれどただ、勇者でいてくれ」


 口調は弱々しかった。断らなければ、父はどうしてしまうのだろう。言っていた。祖父が死んで、父は勇者になったのだと。しかし、そう思っても、私は首を横には触れなかった。

 ただ雰囲気に脅迫されて、抗えなくて、俯くように頷いた。


「ありがとう。……ああ、やっと死ねる」


 そう言った父の顔を月明りだけが照らす。

 夏虫の鳴く音が聞こえる。夏の暑さのせいで母の腕は腐り始めていて、饐えた臭いが鼻を突く。昼の夢のような惨劇を、この夜が現実だと知らしめていた。

 私はいつの間にか机に突っ伏していて、襲ってきた眠気に抗うこともなく、眠った。

 夢を見ることは無く、ただ暗闇の中へと私は落ちていった。

 そして 朝になって覚めると、目に入ったのは影の中に落ちている母の腕だった。蠅が一匹止まっているのが見える。その腕に掛かる影が揺れて陽光が掛かると、蠅は飛び去った。

 ゆらりゆらりと揺れる影の正体。見れば、それは父だった。

 足元に転がる椅子。宙に浮いた足。脱力した身体。鬱血して赤黒くなった顔。首に掛かる縄は梁に結び付けられている。

 父の首吊り死体だった。

 最早、私は疲れ果てていた。

 麻痺した心では悲しむことさえできなかった。無感情のまま、大きく息を吸って、ため息を吐き出す。

 昨日の父の言葉からこうなることは確信めいて分かっていた。それでも私は拒絶しないで、父が死に行くのを受け入れた。私は何もできなかった。魔物に立ち向かうことも、父の気持ちを慮ることも、何もできなかった。

 頬を一滴、何かが伝う。

 母が死んだのも、父が死んだのも、全ては私の無力のせいだった。

 仄暗い覚悟のまま立ち上がって、私は聖剣を手に取る。

 思ったよりは軽いなと、ただそう思った。

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