妖怪(ツレ)のせいで平和なキャンパスライフが送れない

クラタムロヤ

第0話 妖怪(手長足長)VS人間(大学生)

「 てめぇは化け物かなにかか? 鬼の彼氏‼ 」

「失礼な、ちょっと喧嘩が強いただの大学生だよ。つか彼氏じゃねぇ‼」

 ツッコみを入れながら、百人目を殴り飛ばした。 


「さってと、ウォーミングアップも終わったことだし、試合開始プレイボールといこうか? まぁ、ツレを放してくれたら無効試合ノーゲームでもいいけど」

 夜の高架下の公園。

 俺は、倒れた不良達と一緒に落ちていた金属バットを拾い上げ、ホームラン予告よろしくラスボスの二人にバットを突き付けた。


「バットを持ったところで俺たち、『手長足長』の長井兄弟に敵うとでも思ってんのか? 人間ごときじゃ手も足も出ないな」

「 俺に金属バットを持たせたら鬼に金棒よ」

「人間百人倒したぐれぇで粋がってんじゃねぞ、彼氏さんよぉ!? 」


 ペッと手に唾を吐き、バットのグリップになじませる。

「それってつまりってことだろ? だから彼氏じゃねぇって‼」


「そんな短いバットじゃ届かねぇよ『奥の手ロケットパンチ』!!」

「野球ボールでも持ってきな『駆け足ミサイルキック』‼」


「相手が誰だろうと負けねぇよ。例え、人間百人だろうが」

 右から伸びるストレートを半身で避けてかわし、左から迫って来る長い上段蹴りをバットでガードし不敵に笑う。

「『妖怪ばけもの』二人だろうがな 」










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