5-心


今、僕の夢が、人生が一つずつ叶っていっている。

そして、また一つ夢が増えていく。娘の夢は全部僕の夢だ。そうやって僕は親になっていくだろう。そうして強くなっていって、いつか誰にでも娘のこと、自分のこと、彼のことを話せて、胸を張れるようになりたいと思う。僕の自慢の娘を一緒に連れて歩きたい。批判の目にさらされても、偏見の目でみられても、僕自身を否定されても、僕が選らんだこの人生を堂々と生きよう。


人が男か女であるかは子孫繁栄のためにはとても重要なことだと思う。でも、性別だけでは判断できないことはたくさんある。だから、その人の本当の心をみてあげてほしいと思う。人は見た目や声だけじゃ判断できない。だから、もし自分がカミングアウトの相手に選ばれてその事実を知ったら、告白されたなら、否定も肯定もしなくてもいいから、その人をみてあげてほしいと思う。僕もカミングアウトしたうちの何人かには、受け入れてもらえなかった。僕からするととても信頼していた男友達だったけど、そういう相手に限って、「俺の中でお前は女で、それはこれからも変わらない」といわれた。それはそれでショックでなにも言い返せず、「忘れて」というしかなかった。そうやって、僕だって当時は自分を隠して逃げたこともある。でも、きっとそれが現実なんだろうけど、これから少しずつ日本が、世界が、変わっていけばいいと思う。みなさんに、全てを受け入れてくれというわけではないけど


“僕たちの心をみてください。わからないことがあったら聞いてください。扱いがわからないときも聞いてください。僕たちにとってそれは、逆に嬉しいことです。僕たちのことをみてくれたと、実感できることなんです。だから、敬遠せずに他の人と同じように扱ってください。少しだけ個性が強いだけです。”

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