第2章 不規則なセイカツ 第3話 などとのたまっており

近くの適当なBarに移動した。



私は中ジョッキの生ビールを嚥下しながら、

テーブルを挟んで目の前に座る可愛い女の子を

上から下まで眺めていた。


髪が短かく、背が小さく、顔が小さく、胸が小さく、声が小さく、、、ん?


まだ耳がおかしいか?


さっきまでいたクラブの後遺症だろうか、、


私は目の前の女子【ミーコ】(一つ年上らしい)の話に集中した。


ミーコ『聞いてる??もしもーし??』


私『、、あぁ、もちろん!聞いてるよ。』


とは言うものの会話は上の空で、私の脳内ではさっきからノッポさんとポッケが談義しており


『できるかな?』


『いってみよう!ヤってみよう!』


などとのたまっており、これら2つがグルグルと頭を回っていた。



現在の私の頭の中には、彼女のニノに対しての申し訳なさは清々しいほどに全くない。


◯さんにナンパを強要された時には


『私、彼女いますから、!』


なんて言っていたのは一体なんだったのか、?


多分、、言い訳や逃げ口上に利用していただけなのだ。


だが、、

このまま為し崩し的にコトに及ぶのは、、

コトに及ぶための段取りを踏むのは、、、


やはり、彼女持ちだという後ろ暗い気持ちが

どうしても払拭出来ないので、、、


、、無理だ。


私は思考を巡らせつつも、ミーコと他愛のない趣味や住まいや仕事の会話なんかをしながら、一つの答えを出していた。



私『あの、、さ、ミーコ。

、、また、私と会ってくれるかな?』


ミーコ『っええええ!?そんなこと聞くのw

どうしよ!?いいよ。』


私『そっか、良かった。

じゃあまたな、連絡するよ。

今日は帰るわ。』


ミーコ『、、うん♪楽しかった!私からも連絡しちゃうよ!、、、大丈夫?』


ミーコは覗き込むようにこちらを見ている。


、、何がどうあれ、ミーコにとって私は、クラブで声を掛けてくるような初対面の男だ。


素性も会話も全てを信用されているわけではないだろう。


アホな男に好き好んで騙されたい女性なんて、いる訳がないのだから。


間違っても彼女持ちの男となど、必要以上に親密になる必要などないのだから。


だが、素性を確かめたくなる程度には、お互いに好意を持っていることが感じられた。



お互いにだ。



今日は日が悪い。


というよりも、現状のままでは据わりが悪い。



《♪♩♫🎶♬〜♪♩♫🎶♬〜》


そんな中、ミーコの携帯が着信音を鳴らした。

どうやら、ミーコの友人からのようだ。


◯さんしくじったなw


そう思いながらもミーコには友人のところへ行くように促して、私は家に帰ることにした。



私の気持ちを確かめ、私の決心を確かめる為にも。



まず、、ニノに会おう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る