第1章はじめての彼女ができるまで第7話 柔らかさと柔らかさと柔らかさを

高校も1年の11月に差し掛かり、その頃にはいつも集まる友人の輪が出来ていた。


帰り道にある友人の家の一つは雀荘のような扱いになっており私も皆も足繁く通っていた。


私は麻雀が出来ないので血を抜かれることはなかったが、皆ずいぶんシビアに賭けていたようだ。


クラスでもクリスマスの話とか出だす頃、私は相変わらずバイトに精を出していて、ホールケーキを催事場に山のように積んだ後遺症で息絶えていた。


そんな中、


『クリスマスどうするの??』


『何かしよーよ!パーティとか!』


と、クラスでも可愛い部類の2人が私の仲間内と盛り上がっている声が近くから聞こえる。


死者となった私の身体に私の魂がソウルフルに鞭を打ち、机の向きをわずかにずらすことで、あたかもその会話に最初から参加していたかの様なポジショニングを行うことに成功した。



クリスマスの1週間前にクリスマスパーティの当日を迎え、ケンタッキーやマックや飲み物を友人の家に持ち寄って集まった。


クリスマスパーティだなんて、何をやるのかと思っていたが何の事はない、ただ集まって飲み食いするだけだ。


そう、可愛い女子とね。


当日のメンバーは女子3人と男子3人と私の計7人。

まぁ、友人の部屋もそんなに広くないのでギリギリ収まってる感じだったが、密着感があり逆に良かった。


テレビがどうだの、芸能人がどうだの、誰が好きだの嫌いだの、学校の連中だったら誰が格好良いだのなんだの、くだらない話しかしてないのに超楽しい。


可愛いは正義だ。

と、再認識させられた。



宴もたけなわ。

食事も終わったし、夜も遅いしで1人2人と帰り、残りは女子2人男子2人と私の5人。


ダラダラと深夜まで話し込んでいたがさすがに眠くなり電気を消すことに。


さて、寝ようにもベッドはひとつ。


家の主の男がベッドを使い、1人の女子がその隣に寝る、!


残りの3人は布団がないのでコタツに3方向から入る。


女子2人がベッドで男共はコタツだろうと思っていたのでこの配置にはかなり驚いた。



部屋の狭さも相まってちょうど【示】に近い形で寝ることになったのだが、、私は示の三画目の縦棒に位置しており、示の二画目の横棒の女子がいるためどうにも寝る態勢になれず、1人コタツに突っ伏して寝ることにした。


1時間ほど経ったころだろうか。

皆の寝息が聞こえてきたが、私はなかなか寝付けず、なんとなくぼんやりと座っていた。


すると、二画目の女子がまだ起きていたらしく


『、、寝れないの、?、、私の上に寝てもいいよ。』


と、驚愕の発言をしてきた、!


私『上に、!?』


と、聞くと


二画目『うん、そう。いいよ。』


と言って二画目は腹部をポンと叩く仕草をした。



二画目は天然というかピュア過ぎるというか、高1でサンタ信じてるし、コウノトリやキャベツ畑から新生児が収穫できると思ってそうな節のある子ではあったものの、二画目のDreamyな発言に私は夢か現かもわからなくなりそうだったが、


『ずっと座ってるのもお尻が痛いしね!、、じゃあ、ゴメンね、。』


などと言って二画目の腹部に私の後頭部を置かせて頂いた。


その瞬間から、私の全神経は二画目の腹部に接地した後頭部にのみ注がれることとなり、後頭部から伝わってくる呼吸での上下や、微かな鼓動、生まれて初めて体感した女子の腹部の柔らかさと柔らかさと柔らかさと柔らかさを、私の全身全霊全存在を掛けて堪能した。


私『、大丈夫??重くない、?』


なんて聞きながらも頭の中では、、


私が寝てしまったら寝返りを打ってしまうことは神さえも疑う余地の無い自然の摂理!!


そう!!

その際に二画目のオパイ山を私の顔が乗り越えてしまうこともまた、、自然の摂理なり!!


つまり寝ない!!


などと考えていたが、二画目は


『うん、大丈夫だよ。なんか不思議な感じw』


とか言ってる。


、、もう、、ダメだ、、忌呪帯法が解けて私の黒竜が二画目を襲ってしまう、!


と、その時部屋の主が、


『、、うるせぇなぁ、寝ろよお前ら』


なんて言って起きてきた。


大方こいつもオテントンをバッキバキにして不眠体制を取っていたのではなかろうか。


私は仕方なく起き上がり、結局ダラダラと3人でくだらない話をしていたら残りの2人もそのうち起きて話に加わり、朝が来たので皆帰宅した。



〜後日談〜


二画目には実は彼氏がいてXmasはそいつと過ごしたらしい。


きっと、何かを得て何かを失ったことだろう。


私はといえば、、


とりあえず色々な意味でアテられた夜にはなった。


収穫アリ。


ということにしておこうか。



こんな感じで道程を歩み続けていた。

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