恋愛アワーッ

@sohupeni

第1章はじめての彼女ができるまで第1話 目覚めた人

自分自身を再発見するなかで今までのことを振り返る際に、避けては通れない重要なファクターとして【恋愛】がある。


今まで生きてきた中での様々な感情の最大値は、ほとんどが恋愛を通して体験しているのではないだろうか。


跳び上がって落ちてこれないほどの喜びや、頭が痺れて歯の根が合わなくなるほどの怒りや、全身の細胞が機能停止するほどの哀しみや、お互いのすべてをぶつけあえる楽しさなど。


胸を張って大恋愛と呼べるような事こそ少ないが、時を経て思い返すとどれも愛おしく感じるものばかりだ。


先ずは話し始めとして、私のはじめての彼女が出来る【まで】についてを記録していこう。




、、、、、、、、、、、、、




私は異性への意識は早かったほうだと思う。


幼稚園の頃にはもうお気に入りの子がいた。


好きというほどの気持ちでは未だなかったけど、その子を構いたい気持ちがしっかりあって、よく髪の毛を引っ張っていじめていた。


そんなことしてて好かれる訳も無いのだけれど女の子と男の子とのコミュニケーションの取り方の違いがわからず、登り棒を上まで登り自分の力を誇示していたものだ。


小学生にあがるとすぐに、髪が長くて頭が良くて足の速い子を好きになった。その子は皆のアイドル的な存在でとにかく目立っていた。

何度か家にも遊びに行ったが、その子の家にあったシルバニアファミリーの精緻な作りに目を奪われ、その子そっちのけでシルバニアファミリーの家族を小さな家の中に配置して物語を考えていたら、いつしか家に呼ばれることは無くなってしまって、あの滑らかな毛並みに触れることが出来なくなり少し寂しい気持ちになったりした。


小学校も高学年になり、

かぼちゃワイン

まいっちんぐマチコ先生

さすがの猿飛

Dr.スランプアラレちゃん

ウイングマン

ドラゴンボール

まじかるタルるート君

エスパー魔美

アウターゾーン

火の鳥

電影少女

などに含まれるエロスの部分を貪欲に吸収したことによる多大な影響で、精通こそなかったものの性への目覚めは十分すぎるほどに果たしていた私は、ひたすらにイヤラシイことへの憧れを抱えていた。

なんとかして見る、あわよくば触れる事は出来ないものかと1日中思案していた時期だったと思う。

とはいえ小学生、健全なものでマラソン大会の練習だといって夜中に複数の友人と集まり、実際に走りながら皆の好きな子の家を廻るというよくわからないピュアさが生んだキモチワルイ事をして皆で大いに盛り上がっていたくらいのものだ。


その時に好きだった子の名前を彫ってもらったオモチャみたいなネックレスを皆で買って、あげるのあげないのをやいのやいのとしていたのも若気の至りが極まっていて、今思い出しても土に埋まりたくなる。


結局、小学生の私には告白なんてことはハードルが高すぎて到底することは出来ず、天体観測の集まりなどでも


「星よりも君が綺麗だ」


なんてことをどうやって伝えたら良いか真剣に悩んでいたなんて、今思い出しても身体中の血を抜いて干からびたくなる。


中学生にあがると同時に実家の引越しがあり、小学校とは学区の違う中学校に通うことになった。


新しい学校では誰も自分のことを知らない、、!


牛乳の奪い合いで泣きながらケンカしたことも、スイカを食べて気持悪くなり私の机を越えて皆の机にまでロッパーとチェルノブイリしたことも、体育館の綱登りで綱の頂上付近に女子がすでに登っているのに気づかずにターザンかまして本気の命乞いされたことも、市民プールでロッカーの払戻しの100円の取り忘れを夏休み中回収することでファミコンのカセットを購入したことも、駄菓子屋のガチャガチャを本体ごと畑に運び出して皆が中身のカプセルのガン消しに夢中なのを横目に大量の100円玉を自分のポケットにねじ込んでいたことも、、


数限りない悪業をしてきた私のことを何も知らないコミュニティに属することが出来るなんて、!!


マイナスではなくゼロからのスタートに、これは神がくれたチャンスだと小躍りしながらハーモニカでマーブリングを効かせて吹きあげることなど出来るわけもなく、そもそもハーモニカなど持ってない私は、2音くらいしか出せない口笛を吹き吹き有頂天だった。

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