設定集

《SCT》関連設定

※本編のネタバレを含みます。

本編を読み終わった後の閲覧を推奨します。





⚫︎特例疾患犯罪対策室

・概要

 警視庁刑事部捜査一課内部に創設された『鬼憑きが関わる犯罪』を扱う部署。

 本庁内部では『特患犯』と呼ばれ、かつては特患犯1係〜5係まで存在した。

 計画上は一つの『課』としての独立すら考慮されていたが、現在では2係にまで規模を縮小されている。

(※理由は本編「第18走」を参照→ https://kakuyomu.jp/works/1177354054881270863/episodes/1177354054881511821




・鬼憑きに対する姿勢と、鬼無里椛への扱い

 対策室は奥山室長の下でほぼ一枚岩で固まっている。

 対策室の前身となったとある特別捜査本部から続く仲間が多いこと。そしてそれ以外の捜査員も、なんらかの理由で他部署から厄介払いされた人間が多く、彼らは奥山個人への恩義を感じているため。


 対策室(というよりは奥山)の方針は「《鬼憑き》の撲滅」。

 検挙や事件の解決は手段でしかないという見方をしている。

 それは《鬼憑き》をどれだけ検挙し、自死に追いやっても、その総数は増減しないことが判っている為。

 だが椛の《脳髄の鬼肢》に喰われた《鬼肢》に該当する《鬼憑き》は再発生しないことが、捜査班の調査と椛からの自己申告によって判明している。

 故に《鬼憑き》の撲滅の為には《脳髄の鬼肢》の持ち主がその他すべての《鬼肢》を食べて自身の肉体に封印するしかないと、対策室は判断している。


 つまり鬼無里椛には

「すべての鬼憑きを喰らい、最後には研究病院地下に幽閉」

という未来が待っており、それは椛自身も望んでいることである。




・構成

 主に1係が実際に《鬼憑き》を捕縛し、2係が《鬼憑き》が関わった事件の捜査を行う。

 しかし人員不足のため、1係が捜査を行うことや2係が捕縛に関わることも多い。本来、《SCT》と呼べるのは1係のみであるにも関わらず、2係も自身を《SCT》と呼ぶのにはそういった事情も含まれる。

(無論、外部の人間への説明のしやすさからという意味もある)


 室長:奥山一茂(警視正)


 1係(第1班)『特別捕縛班(SCT:Special Capture Team)人員/20名

 係長 兼 指揮班長:渡辺行成(警部)    

 小隊×4:『指揮班』『技術支援班』『狙撃支援班』『捕縛班』各5名

(指揮班:渡辺行成 技術支援班:鬼無里椛 

 捕縛班:卜部武秀 狙撃支援班:伊賀瀬貴浩 ほか)


 2係(第2班)『捜査班』人員/10名

 係長:馬場信晴(警部)

 主任:2名

 刑事:7名(深山幸 ほか)



・装備品

 《一二式捕縛刀ひとふたしきほばくとう

 対鬼憑き装備として用意された日本刀。太刀に分類される。名称は採用年度から。

 験担ぎとして《童子切り安綱》の写しとされているが、隊員からは「数打ち」と揶揄されるシロモノ。粗悪とは言わないが凡庸の域を出ず、美術品としての価値も薄い。

 鎬造で刃長は二尺七寸。

 間合いの広い《鬼憑き》との戦闘を考慮してやや大きめに打たれている。また警察仕様として鍔と鞘を固定する安全装置、《駐爪》があるのが特徴。

 隊員からの評判は、可もなく不可もなく。

 ただ、多少間合いが取れたからといって安全になるとも思えないので、この際重ねを厚くした打刀か、もっと間合いが取れる長巻きか薙刀を用意して欲しいという声があるとかないとか。

 しかし、現状では装備の更新は望めそうにない。

(本編登場は「第18走」→ https://kakuyomu.jp/works/1177354054881270863/episodes/1177354054881511821

  

一一式捕縛棺ひとひとしきほばくかん

 驚異的な再生能力と腕力を有する《鬼憑き》を護送するための拘束具。通称「鉄匣てつばこ」。

 ステンレス製で棺桶サイズのものと、おかもちサイズのものが二つでセットになっている。小さい方に《鬼憑き》の頭部を、大きい方に身体を別々に入れる事で《鬼憑き》の蘇生を避ける仕様。

 《鬼憑き》を護送した後に血まみれの「鉄匣」を洗うのは、麻雀で負けた隊員の役目である。


鉄輪かんなわ

 《鬼憑き》の能力使用を制限するための拘束具。

 額全体を覆うヘッドギアに、大きな出っ張りが二つついているのが特徴。

 この出っ張りは小型の火薬型杭打ち機であり、《鬼憑き》がツノを出すのを内側のセンサーが感知して杭が発射される仕組み。

 椛が装着するものは特殊使用で、正規の手順通りに行えば取り外しも容易。

 通常のものとはGPSが内蔵されている事と、外した情報が対策室に通知される事、また杭打ち機能は自動ではなく遠隔操作式であるなどの差異がある。

 実は警視庁指定の装備ではなく対策室が独自に作成したもの。

(本編登場は「第9走」→

https://kakuyomu.jp/works/1177354054881270863/episodes/1177354054881508804

 

順風耳じゅんぷうじ

 奥山が発案し、椛が形にした

「過去から現在に渡って、携帯電話の位置情報を集積し、鬼憑きとその被害者の可能性が高い者を抽出する」

ことを目的としたシステム。

 通信会社のサーバーをクラッキングし情報を集積しているエシュロンもどき。

 司令所のコンピューターの一つに組み込まれている。

 実態としてはコンピューターとネットワーク上に椛の《脳髄の鬼肢》の一部を忍び込ませて行わせている超常現象の類である。クラッキングから情報の集積、その解析すらも《鬼肢》の能力によるもの。

 サーバーがインターネットに繋がっていなくとも「小蜘蛛」が忍び込んでいれば「小蜘蛛」同士で通信を行える為、あらゆる電子機器から情報を集積できる。

 故に外から感知されることはなく、またどれだけ調べても犯罪の立証は不可能である。

(本編登場は「第18走」→

https://kakuyomu.jp/works/1177354054881270863/episodes/1177354054881511821


千里眼せんりがん

 本編未登場。

 こちらは監視カメラの映像を集積して鬼憑きの犯罪を早期に発見することが目的としたシステムとして計画中。

 しかし監視カメラの映像を利用しすぎると

「どうしてそこに鬼憑きが映っていると知っていたのか」

という疑惑をかけられかねない為、いまのところ実行には移されていない。

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