ユートピアはディストピアなのか?

理想郷いわゆるユートピアものといわれるジャンルがある。

人類の未来社会を描いた作品群である。

このユートピアというのは思想家のトマスモアが書いた著作が語源である。

しかし、ユートピアはじつはユートピアでない。それがディストピアという概念。


理想郷は存在しない。なぜならば人間には欲望の限界がないからだ。そして誰もが同じ価値観をもっていない。ある人には楽しいことが別の人には苦痛だったりする。


さてこのユートピアないしディストピアを扱った作品というと、ジョージオーウェルの1984年、レイブラッドベリの華氏451度、この2つが自分にとってすぐ浮かぶ。


1984年は3つの大国に分かれた近未来の背景でその1つの国家、冷戦後のソビエトをモデルにした社会主義体制の恐怖を描いた作品。

そして華氏451度はまさに現時代を予見したような背景、インターネットらしきものが生活の支えになり、人々は優雅な生活を送っている。しかし本を読むことを禁止された未来社会を描写している。


もう少し言い換えると前者は仕事や生活を保障された社会だが、国家の指示、命令に従う世界、後者は科学が非常に進みデジタルなメディアのレベルが格段に進み、一見自由な幸福な社会だが古いメディアが否定されな世界である。


あとハリーハリスンの作品でチャールトンヘストン主演で映画化されたソイレントグリーンが頭にやきついてる。

70年代の作品だが内容は人口増加にともなう老人の安楽死問題も取り上げている。

今の日本に人口増加はありえないが、高齢化社会へ向かっている点は映画の内容と変わらない。


未来社会をどう我々は生きるのか?どう変えるのか?

ユートピアテーマはSFではなく現実により近いものだといえるのだ。




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