名門ホテルでディナーのはずが・・悪夢 セビーリャ

 ヨーロッパで食事していると上品で素敵なお客さんが周りにたくさん。みんな貴族じゃないかと思うくらい。皆さん、上品な装いの着こなしがお見事。

 

 そのポイントのひとつが髪。男性は髪を後ろになでつけたり、たてたりしてピシッと固めてます。キリっとしてダンディーな雰囲気。


 女性もスタイルは様々でも綺麗に髪をセット。前髪をアップにしたり、全体を後ろにまとめて流れをつけてみたり。装いに合わせて髪もディナー・バージョン。やっぱりカチッとした服装にはしっかりセットされた髪型が似合いマス。


 そして皆さん、背筋がピッと伸びています。エレガントな装いにキレイに整った髪。そのうえ姿勢もシャキッと堂々。夜、ホテルのロビーやレストランはそんなゴージャスな人たちでいっぱい。


 そんな場に私たちも負けずに参戦したいもの。


 で、ポイントはやっぱり髪。日本人は化粧や装いをエレガントにキメても髪がおろそかになりがち。まあ、普段はよっぽどの機会じゃなければヘアメイクまではしませんものネ。

 でも、海外ではグローバル仕様にモード変換を。おしゃれな装いに合わせて髪もしっかりセット。そして、姿勢もシャキッとしてディナーに向かえば日本代表?として気分も盛り上がりますヨ。

 

 でも、髪も決めてちゃんとした装いをしていても残念な思いをすることも。

 ある方(Aさんとします)のスペイン旅行でのオハナシ。


 セビリアにあるスペインでも何本かの指に入るくらい格式高いホテルでの事。

 その日の夕食はホテルで食事だというので、当然Aさんホテルに合わせてドレスアップ。

 ロビーに降りていくとお仲間も皆さんゴージャス。豪華なホテルのロビーでもちゃんと絵になっていたそう。


「こんな素晴らしいホテルでディナー、ほんと楽しみだわ」


「レストランの雰囲気も素晴らしいでしょうね」


 皆さん、そんな話で盛り上がっていたそう。まあ、前菜の一部みたいなモノです。

 

 そこに添乗員さん登場。そして一同口あんぐり。それというのも彼の姿はTシャツに綿パン。ウェストポーチにスニーカー。


 まだ着替えてないの?そこにいた全員そう思ったそう。


 でも彼の口から出てきたのは衝撃的な一言。

「皆さんおそろいですネ。じゃあ行きましょうか」


 行きましょうか・・ってその姿で何処に?まさかディナーに?

 Aさん、頭の中が真っ白になったそうです。


 そしてTシャツの添乗員さん、レセプションへ。そこで二言、三言。


 案内されたのはレストランではなくロビー脇にあるちょっとしたカフェラウンジみたいな場所。しかもレストランにつながる廊下沿い。


 ココで夕食・・。

 

 でも目の前の添乗員の姿ではここで精一杯。レストランなどとても無理。


 あきらめて?着席したAさんたちの横をドレスアップしたご婦人たちが次々にレストランに向かって行きます。楽しそう。

 私たちもアチラのはずだったのに・・。何とも言えない疎外感。

 よりによってこんな名ホテルでTシャツにスニーカーの添乗員と廊下で夕食だなんて・・。

 Aさんの頭は真っ白から今度は真っ暗闇になったそうでございマス。


 まあ、悪夢。覚めて欲しいと思いますよね。でも夢であってほしいと思うときこそ大抵現実。心中お察し申し上げます。

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