BRAVO ! さすが名門ホテルのコンシェルジュさん ローマ
いいホテルの条件はいろいろありますが、部屋の広さや豪華さだけではなくホテル全体から感じる居心地のよさが大事なポイント。
そんな居心地よいホテルに欠かせないのが気の利くコンシェルジュさん。
そしてホテルのグレードが上がるに連れてコンシェルジュさんの貫禄もアップ。名門ホテルのコンシェルジュさんにもなると“地元の名士”みたいなステータスと威厳さえ漂ってきます。
こうなると、コンシェルジュさんは単にレストランの予約や各種エンターテインメントの手配をしてくれるだけの人ではありません。何かあったときにはホテルを代表して事にあたってくれる頼もしい存在。
例えばこんな事も。
ローマのホテルでコンシエルジュさんにちょっと相談。
「これからフラスカティまでタクシーで行くとしたらどれくらいの時間がかかるかな?」
「フラスカティ?まあ、一時間くらいですけどこれから行かれるのですか?」
コンシェルジュさん、ちょっと驚いた表情。そのとき、もう夕方過ぎ。観光にでかける時間ではありません。
実は僕、ローマに来る前のホテルに忘れ物。その場所がフラスカティ。ようやく時間がとれそうなのでタクシーで取りにに行こうと考えていたところ。
そんな事情を彼に説明すると・・。
「先方のホテルとは連絡がとれているわけですね。それではこうしたらいかがでしょうか?」
彼は、僕がわざわざ取りに行くことはないとのアドバイス。
「ここからフラスカティまでご自分で往復する必要はありません。あちらのホテルに頼んでタクシーに荷物だけ載せここまで来てもらえばいいんです。そうすれば時間もタクシー代も半分ですみますし、何よりシニョールの手間が省けます」
なるほど、そういうことですか。
「今、ホテルの電話番号をお持ちですか?ここからそのホテルに電話して頼みましょう」
電話番号を渡すとコンシェルジュさん早速電話。あっという間に交渉成立。
まあ、仕事が速いこと。
「すべてオーケーです。到着したらご連絡しますのでお部屋でお待ち下さい」
コンシェルジュさんとお礼のユーロ札入りの握手を交わして部屋でのんびり。その後、荷物は無事到着。これで一件落着。
実は、カナリ憂鬱だったんですよね。荷物とりに行くの。それがあっけないほど簡単に解決。コンシェルジュさん、グッ・ジョブです。
でもこのコンシェルジュさんのアドバイス、云われてみると“ナルホド”と思うけど自分ではなかなか思いつきませんよネ。
それに、奥ゆかしい日本人?としては自分の忘れ物をタクシーに乗せて届けてくれとは言いにくい。それに言ったとしてオーケーしてくれるかどうか。
何しろここはローマ。交渉は英語とイタリア語。まあ、ほとんどミッション・インポッシブルかも・・。
やはり、これはコンシェルジュさんならではの業。交渉のやりとりを側で聞いていましたが、コンシェルジュさん、相手のホテルには有無を言わせない威厳と迫力。交渉というよりは命令?みたいなカンジ。
まあ、ローマの名門ホテルの依頼を断る同業はまずいませんから、当然といえば当然。それに、タクシー代金とかそういったことはコンシェルジュさんの電話がすべてギャランティーしているわけですから。
こういうときは、ホテルの“格”の力を身に染みて感じます。やはりホテルの価値は目に見える部分だけではありません。ホント、頼りになります、コンシェルジュさん!
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