殊の外、時の流れがゆっくり過ぎてくれたなら。

たとえ、言葉にしてはいけなくても、伝わっていく。

あえてこの作品だけ、作者のキャッチコピーがない。
タグも和風、とだけ。
読者にすきに受け取ってもらえれば、ってことなのだろうか。
それとも無心で、透明で、ただ読み始めてほしいかのような。

男が戦いに行く時代であったと思う。
さすれば、この時代、心で思い合うだけの仲だったであろう二人。

戦いで怪我をして帰って来た主人をかいがいしく世話する想い人。

夏の季語、凌霄花なんだ。
早く体が良くなってほしいという願いと
傷の治りは遅くてもいいという矛盾した想いが交錯しているであろう
とある夏の一こま。