これ、うちの息子に読ませたい! 子供の心を忘れない大人にも。

 堪能しました。山本弘氏はこういう小説も書けるんですね(一読者が生意気言ってすいません)。正直お見それしました。

 おそらく、この小説を与えられた子供は、その後幸せな読書人生を歩むことができるのではないでしょうか。SF、冒険、メカバトルと、さまざまな要素を詰め込みながらも、ストーリーテリングの上手さには脱帽の一言です。何気ない会話の一言一言が、クライマックスシーンへ至る伏線となっているのも見どころ。

 読後感が実に爽やかです。大人が読んでも、冒険に憧れた少年の日の記憶を蘇らせることができる作品と言えるでしょう。

 あまりこういう言い方はしたくないのですが、あえて言うならば「さすがプロ作家」というところでしょうか。