オープンテラスでメシ食ってる小型犬に嫉妬。
食べログやRettyでオシャレなカフェを探していると、セレブリティーな雰囲気を醸し出した小型犬が、テラス席でメシを食っている写真を見つけることがある。帽子をかぶったり可愛い洋服を着せてもらったり、ご満悦の表情で写るその犬たち。私には勝ち組の頂点に位置する生き物に見えて仕方がない。たった今、そういう写真を見つけてしまったせいで少し苛立ちを覚えている。日曜日だというのに仕事をしている、そんな最中に見つけたものだから、尚更気分が悪い。さっき食べたマンゴースイーツが反吐として出てきたが、出すのもなんだか勿体無い気がして、ごくりと飲み込んだ。
犬のくせに生意気だというジャイアニズムをPC画面に向かって振りかざしていたら少し疲れてしまった。一瞬顔をのぞかせた剛田武を、私は奥に追いやった。
別に、青山や代官山にある素敵なカフェに行けないというわけではない。ただ、今日見つけた小型犬たちと比べて、私の生活レベルは彼らより劣っているのではなかろうかと思ったら、嫉妬して怒ってしまったのだ。
彼らを超えるにはどうしたらいいのか、より生活の質を向上するためにはどうしたらいいのかと考えてみた。そしたら、とにかく労働して金を稼ぐしかないという答えしか導き出せなくて、尚更気分がクレイジーになった。
小型犬に勝つために、死ぬ気で労働するのは御免である。馬鹿馬鹿しいにもほどがあるではないか!
過去、ルサンチマン子で、力強いチン向上心を持って仕事を頑張っていた時期が一瞬あった。それで身体を壊してしまったことがある。
自分の心に身を焼かれて、自暴自棄になったりもした。当時は色々ありすぎて、思い出そうにもシナプスが接続を拒否してしまう。ふとした瞬間に思い出すこともあるのだが、今はダメだ。とりあえず、犬と争うのはやめにした。
しかし、今日の私はどうも穏やかではない。マウンティング女子という言葉を最近よく聞くが、見知らぬ他人が飼っている犬にマウンティングしにいく姿勢は、精神の平衡を欠いているとしか思えない。日曜日に仕事なんてするものではないのだな。家に帰って前頭葉に冷えピタを貼り、少し仮眠しようと思う。
欲深き、クヨクヨ三十路のぬるま湯半身浴。 ポレ田中 @polepole
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