着せ替えアプリ

「今日のデートではこちらの服がお勧めです。清潔感を前面に押し出した白のシャツに、アクセントとなる藍色のネクタイ、パンツは黒でビシッと・・・。」


 時は2054年。AIが進化し、各携帯端末に高性能人工知能が搭載された。その中でも特に便利だと言われるのがこの着せ替えアプリである。今日の気分、スケジュール、健康状態をデータ化し読み取ることで、最も最適な服装を選択する。もし合う服を持っていなかったとしても、ボタン一つで即座に服が配達される。


 AIはインターネットと繋がっているため同じ職場や学校の他の人と服が被ることもない。偶然服が被って焦ることなど、機械が壊れない限りもうありえないのだ。


「やあ、おまたせ。」

「大丈夫よ。」

「今日もそのスカート可愛いね。」

「あなたのシャツも似合ってるわ。」


 そんなの当たり前である。AIによって最適な服装が指示され、それを着ているのだから。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

サッと読めるショートショート かたぎはら @katagihara

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ