"わたし"という式を検めて演算する必要はなかった。"わたし"という現実が死の彼岸まで拡がりを湛え始めるまでは。彼女がこの物語を朗読するまでは。
愛と正義のジャンキーフーディスト
読み終えたとき、思わず「やられたな!」と唸ってしまいました。まったく見事などんでん返し。自分が自分についた嘘は、自分自身をだますがゆえに真実と区別できなくなる、とはよくいいますが、そのことをつくづく…続きを読む
この作品の特徴は、レビューされた方のレビュー文の長さに現れていると思います。自己の存在、尊厳、そんなものを考えさせる秀作だと思います。作者は文系の院生なんですね。読んでいて、理系の方かと思い込ん…続きを読む
私は、書店でこの作品に出会いたかった。失われてしまった者をこの世に留める技術。伊藤計劃のその先を見せてもらったような気がします。Project-Itohは続く。どこまでも、続く。
物語の主軸は近未来にありえる技術。そしてその結果生まれた3人の「わたし」。どうか最後まで読んでください。その最後は決してひとごとではないから。物語は未来であっても「彼女」は現実にありえることだから。
もっと見る