第三章 VS村上
第二十四話 決戦まじか。
1541年。
業正は大部屋の中央奥の座布団に座ると、こっちを見て座っている幸隆、トラ、
幸隆はシャッと一言はっすると「ついに、このときが。佐太夫、気張って行くぞボケ!!これで親父の仇がついに討てる。」と獅子の
佐太夫はウキウキのニコニコで「幸隆、俺が村上義清の首は俺が吹き飛ばてやるぜ!!」とこちらも
トラも後ろの座席から「よかったじゃねぇか」と拍手した。ちなみに、景持は無言を貫くのだった。
業正はさらに「明後日。さすがに、これだけ上野に居れば
そして、明後日。馬にまたがり幸隆と佐太夫は三千の兵士を従えて、案内人の到着を今か、今かと待っていた。すると、身の覚えのある
案内人とは真田幸隆の弟、
すると、幸隆は悪の化身かよと思うほどに意地悪く笑うと「これまた安心してくれ、俺は妻を
頼綱のマジメな顔は一瞬で無惨に
幸隆は、その要望を完全に無視し、人をこれでもかとバカにしたような顔をして「よ、頼綱ちゃん。よよ、頼綱ちゃん。よよよよよ、頼綱ちゃん。」とわざとムカムカする発音で言った。
頼綱は目尻にシワを寄せて「言い方がムカつくんだよ!!」と腸を煮え返させながら激怒する。
幸隆は変顔の最終進化系のような、ムカつく変顔をして「ムカつくように言ってやったんだよ。我が弟、ボケちんがー!!お兄ちゃんのせいで島流しになった哀れな弟よ!!」となおも頼綱をあざ笑った。
そして、頼綱は怒りのあまり「...この武士の恥。」と唇を噛み締めた。
それを見ていた佐太夫は、微笑ましい顔をして「素晴らしい兄弟愛だな。ケンカするほど仲がイイ。」とニコニコした。
頼綱は佐太夫を目で殺すかのうよう「こんなクソ。兄だと思ったことない!!」と言ってニラミをつけた。
佐太夫は、ゾッとした顔をして「...スミマセン 。」と丁重に頼綱に謝罪した。
頼綱はその眼光を次に幸隆へむけると「こいよクソ兄貴。俺は諏訪に行ったあとも小県へたびたび戻っていた。はぐれるなよ。」と忠告した。
幸隆はフッと笑うと「兄貴のことを腰抜けって言わなくなっただけ褒めてやるよ頼綱ちゃん。ついていってやる。」と言うと、ともに小県へ向かっていった。
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