第14話

#ちょっと時間たった感じの演出(例えばちょっとだけ暗くなるとか#


「悪い、待たせたな」


ミサ「お!なんだ!?なんだ!?」


「ん?どうした?」


ミサ「なんだ?そのお風呂上り感は?」


「入ってくるって言っただろ?」


「俺は出かける前も入らないと気持ち悪いんだよ」


ミサ「いや・・」


ミサ「君がお風呂に入ること自体はどうでもいいんだ」


「・・・」


「・・何が言いたい?」


ミサ「・・入ってみたい・・」


「ん?」


ミサ「・・僕もお風呂入ってみたい・・」


「なんだって?」


ミサ「僕もお風呂上り感だしたいっ!」


「なんだよそれ?」


「なんで今までそれ言わなかったんだよ?」


ミサ「だって・・」


ミサ「初めて来たときはなんか言いづらいし・・」


ミサ「昨日は君ずっと真剣に考えてたから言いづらかったし・・」


ミサ「だからずっと思ってたけど言えなかったのだ」


「空気は読んでくれてたんだな」


「風呂くらい入ればいいんじゃね?」


ミサ「え!?いいの!?」


「別に大したことじゃないし」


ミサ「待ってくれるの!?」


「急いでないしな」


ミサ「本当に!?本当に!?」


「その代わり湯ためてないからシャワーしか使えないぞ?」


ミサ「いいよいいよ、全然いいよっ」


ミサ「やったーっ!」


「そんな嬉しいもんかね」


ミサ「だって初めてだもん!」


ミサ「本来僕にはお風呂なんて必要ないもん!」


ミサ「そもそも僕のいる世界にはお風呂なんてないもんっ!」


「そうかそうか」


「そしたらゆっくり堪能してこい」


ミサ「ほーい、行ってきまーすっ」


ミサ「・・・・・」


ミサ「・・覗くなよ?」


「覗くかっ」


ミサ「・・・・・」


ミサ「・・覗くなよ?は覗け!だぞ?」


「わかったわかった」


「普通の、覗かれないほうの風呂堪能してこい」


ミサ「えー?そっちだけかー」


「十分だろ!」


ミサ「仕方ない・・」


ミサ「覗かれないほうのお風呂入ってくるねー」


「はいはい、入ってらっしゃい」




(ほんとあいつ・・)


(・・どうでもいいことばっか知ってるな)


(なんだよ、『覗かれないほうの風呂』って)


(・・・・・)


(あ、それ俺が言い出したのか)


(いかんいかん、だいぶあいつに毒されとるな・・)






ミサ「ふー、あがったよー」


「お、けっこう時間かかったな」


ミサ「堪能してきた♡」


ミサ「お風呂上り感すごいでしょ?」


「・・いや、行く前と何も変わらんな・・」


「ってかこっちの物に干渉できなくなってるんだろ?」


「お湯出せないし」


「そもそもお湯かかっても濡れないじゃないか」


ミサ「嘘でもいいから言って欲しかった・・」


「なんて?」


ミサ「お風呂上り感半端ないね、とか・・」


ミサ「嘘でもいいから・・」


「・・・・・」


「・・お風呂上り感半端ないな・・」


ミサ「でしょー?」


ミサ「うん、お風呂堪能した♡」


「さて、俺のほうは準備できてるし出かけるか」


ミサ「おー、楽しみ♡」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

死にたがりの俺と死なせてくれない僕 ぜぷ @cawt33

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ