塗装

 いくら形がよく出来ていても、色がついていなければ意味がありません。

 と言うよりも、色が無ければまんまそれっぽい何かとなってしまいます。

 ですので、色は重要です。

 言っては何ですが、多少形が不恰好でも、ちょっと違うかも? って感じになってしまっても、配色がきちんとしていればそれなりに見える物です。

 はい、と言う訳で色を塗る際の注意事項を述べて行こうかと思います。

 先項で述べたように、スプレーで塗装する際は三十センチは離して、薄く吹き付けると言う工程を何度も繰り返しましょう。

 そうしないで至近距離から大量に吹きつけると、乾くのに時間は掛かるわ、ダマになるわ、乾いたとしても表面だけで傷付くと他の場所に色はつくわ、皺が寄って見栄えが悪くなるわ、と七面倒臭くやる気が萎えてしまう現象が多発します。

 ですので、いくら面倒でもスプレーをする際は薄らと吹き付けて重ね塗りをしていきましょう。

 くれぐれも、一回で纏めて色を付けようとしないようにして下さい。

 また、スプレーをする際は皮膚に掛からないように軍手や使い捨てのポリ手袋を着用し、なるべくは長袖のシャツを着て行いましょう。

 また、塗料の飛沫が口に入るかもと心配する方はマスクを着用しましょう。

 別に手袋も長袖のシャツも装備しなくて構いませんが、その場合皮膚に付着したら直ぐに石鹸で洗い落して下さい。

 一応、時間が経ってから洗っても落ちる事は落ちますが、結構皮膚をガシガシと擦らないと落ちないので皮膚を傷付けやすく、直ぐに洗った方が無難です。

 また、スプレーをする際はマスキングテープでその色を塗らない箇所はきちんと保護しておきましょう。

 マスキングテープに隙間があったら、そこから塗料が流れ込んできてしまいますので、隙間の無いようにきっちりと貼り付けましょうね。

 個人的に、色を吹きつける際は一日一色と決めています。

 夏場は意外と短時間で乾きますが――それでも一時間くらいは掛かりますけど――なるべくは長時間置いておいた方が無難です。

 色を塗った後に別の色を塗装する際にはまたマスキングテープを張る事になりますが、乾きが甘いとマスキングテープを剥した時に痕が残ってしまう事があります。

 失敗……と言う訳ではないのですが、個人的には変な線が出てちょっともやもやとした気分になります。

 ですので、あまり欲張らずに色を付けて行く事をお勧めします。

 あとは、そうですね……スプレーで塗装するにはあまりにも細かな部分や紋様などはプラモデル用の塗料を極細の筆で塗っていく方がいいでしょうね。

 そのプラモデル用の塗料は薄め液で薄めればエアブラシでの塗装も出来ますので、スプレーではなくエアブラシで塗装をするという方はそちらを買いましょう。

 まぁ、私はエアブラシを使った事が無いので、もっぱら缶スプレーとプラモデル用の塗料を筆で塗ったくっています。

 このプラモデル用の塗料は直径が五百円くらいの小さな瓶に入って大体二百円くらいで購入出来ます。

 スプレーに比べるとかなり小さいですが、これだけでも結構な範囲を塗る事が出来ますので、大量に購入する必要はありません。

 さて、ここで重要な事を一つ。

 ジョイントマット等で造り上げたものに直接塗装を施さないようにしましょう。

 あ、いえ。別に塗装しても構いませんが、あまり色が乗り難いですし、直ぐに色が剥げてしまいます。

 材質的に、あまり塗料が乗らないんですよね。無理矢理色を乗らせようとすると、結構な量のスプレーを消費します。そして、指でこすったりすると結構簡単に落ちてしまうんですよこれが。経験者は語ります。

 そんなジョイントマットにきちんと色を乗らせる為に必要な物があります。

 一つ目は、ジェッソと呼ばれるものです。

 何でも、それを塗り付けると色が乗りやすくなるそうです。

 画材店の油絵の具やアクリル絵の具が置いてある棚らへんにあると思いますが、結構なお値段になっています。

 懐に余裕のある方は、ジェッソを買ってもいいかもしれません。因みに、私は一度使おうとしましたが、普通に高かったので諦めて買うのをやめました。

 故に、一度もジェッソを使用した事が無いので、使用感を訊かれてもお答えする事は出来ませんのであしからず。

 二つ目は、Gなボンドさんです。

 このGなボンドを線ような薄め液で薄めて、使い捨てのハケに絡めてジョイントマットに塗った来るのです。

 こうする事により、ジェッソと同等の効果が得られるらしいですが、私はこちらもやった事はありません。

 何せ、Gなボンドを大量に消費するのに加え、別途で薄め液とハケを購入する必要があるからです。

 更に、Gなボンドなので臭いが相当きついと思われますし、乾いた後も気分の悪くなる臭いがまだ残っていると思われます。

 薄めたGなボンドを塗ったくったパーツを乾かすのは当然屋内でやれば中毒必至ですので、基本的に屋外に干す形になります。

 そうなりますと、確実にご近所様のご迷惑になります。

 臭い、気分が悪くなる等を言われる可能性がありますので、怖くてやれないと言うのも勿論あります。

 あと、庭先でワンちゃんを飼っている方にもこれはお勧め出来ませんね。ワンちゃんの嗅覚は人間を凌ぎますし、かなり可哀想な事になりそうですから。

 さて、三つ目です。私は主にこちらを使用しております。

 それは、木工用ボンドです。

 こちらはGなボンドに比べれば臭い何とほとんど気になりませんし、乾かす際も屋内で問題ありません。

 また、木工用ボンドは最悪コンビニでも購入出来るので、直ぐに手元に取り寄せる事が出来ます。

 もちろん、百円均一でも購入する事も出来ますので、安上がりです。更に、ホームセンターでは業務用のドデカいのが売っておりますので、大量に使うと言う方はそちらを買った方が割安になりますね。

 ジョイントマットに木工用ボンドをどべぇっと出して、指やヘラで万遍無く広げていくだけの簡単な作業です。

 一度に全部の面にボンドを塗ったくると、乾かす際に苦労すると思いますので、塗らない面を決め、そこを起点にしてボンドを塗った場所が接触しなように置いた方が面倒が起きなくていいでしょう。

 また、木工用ボンドは手に付いても直ぐに洗い流せるのがいいですね。逆に乾かしてからぺりぺりと剥す事も出来ますし。

 あ、Gなボンドが手に付着した際は出来るだけ早く石鹸で洗いましょう。あと、ぬるま湯で洗った方が落ちやすいですね。

 Gなボンドが手で固まったからと言って、水にもぬらさずそのまま摩擦で擦ったり、剥そうとはしないように注意して下さい。最悪、皮膚が剥けますので。

 まぁ、手に付着したGなボンドが固まってしまってもコスプレ作業の後で昼食や夕食を作る予定が無ければ、そのままお風呂に入って落とせば問題ないです。身体を洗ったり、シャンプーで髪の毛を洗ったりしていれば、自然と結構落ちますので心配ありません。

 以上がジョイントマットにきちんと色を乗せる為に必要な物です。どれを使用するかは、自分の直感に従いましょう。

 あと述べる事があるとすれば、マスクについてですかね。

 項目で述べていたヘルメット分割作成のマスクではなく、ジョイントマットオンリーのマスクでは、どうしても曲面を作る為に切れ込みが存在します。

 これは接着剤で綺麗に貼り合わせても、どうしても浮き彫りになるものです。

 切れ込みをそのままに塗装をすると、結構目立ってしまいます。

 あまり目立たせないようにするには、切れ込みを埋めればいいのです。

 埋めるにはパテを使用しますが、グラスファイバーパテとかではなく、浴槽の目地埋め用のパテで充分です。

 ホームセンターのGなボンドや木工用ボンドが置いてある付近にあると思いますので、それを用いてなるべく目立たないように処理をしましょう。

 あとは荒業として木工用ボンドをその部分だけ厚く塗るという方法もありますが、時間が経つと重力によって伸びてしまいますし、下手をすると逆にボンドで浮き彫りになる事がありますので、あまり御勧めはしません。

 別に切れ込みがあっても気にしないと言う方はこの作業は必要ありません。




 今回は塗装についての説明でしたので、次回は布貼りに着いての説明をしていきたいと思います。

 色を塗るのが苦手な不器用な方や、いちいちボンドを塗ったくった後にスプレーを吹き付けるのは面倒でやってられるか、と言う方は布を直接ジョイントマットに貼り付けた方が楽だと思います。

 まぁ、別途注意する点もありますし、布故にそれなりのお金がかかるので、お財布と応相談しましょう。

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