花火大会当日の巻:3 忠は美女三人とデートです!

 暗くなり始める夏空の下、

 忠と手を繋いでコンビニまでの道のりを一緒にゆくステファニーさんは、

 どういうわけか浴衣じゃなかった。

 花華のお下がりのTシャツに、アイレさんから借りたというパンツスーツのズボン。

 髪は母が帯の端材で作ったリボンで後ろに一つに結っている。

「あのー、忠さん、そんなに浴衣じゃなくって残念ですか?」

 しまった、どうしたって顔に出てるか。

「あ、すみませんその……」

 ステファニーさんには考えがあって浴衣じゃない服装を選んだらしいのだが。

「明日から別のお祭りもあるんですよね? 浴衣ならそこで着ますし――」

 とは言ってくれるけどでもやっぱりちょっと残念で。

「――もう、ごめんなさい。あのね、忠さんと二人きりの時に浴衣は着たかったから」

 えっ!? と声がでた。

「今日はお友達も一緒なんでしょう? だったら私はお姉さんしなくちゃいけませんからっ」

 ちょっと困った顔からきりっとした顔をして最後に澄ました顔で。

「まぁ、他にも理由はあるんですけどね。忠さんに浴衣披露するのも楽しみなんですからっ」

 両手の拳を可愛くぐっと握って、忠を励ます。

「……ステファニーさんありがとうございます。

 なんか気を遣わせちゃってるみたいで、なさけないなぁ僕」

 するとステファニーさんは忠と手を繋いで。

「ううん、私浴衣見たかったーって忠さんに思われるのがすっごく嬉しくって!

 着るのが楽しみなんです! ステキな靴も届きましたしねっ!」

 忠が昨日頼んだ彼女用の下駄は即日で届いた。

 それを下ろすのが惜しかったというのも実は彼女の中ではちょっとだけあった。

「あ、それでも、今日ご一緒するお友達はきっと浴衣なんですよね?」

「……はい、そうだと思います」

 ステファニーさんのことがあるので自信が無いが、

「ステキな女の子の浴衣姿、見ると男の子はどうなっちゃうのかしら?」

「えー? そ、それは」言い淀む。

「忠さん観察してようかなー。ふふふ。楽しみ楽しみ」

 繋いだ小さな手を揺らしてステファニーさんはホントに楽しそうだ。

 忠はちょっと気恥ずかしい。

 川瀬さんが浴衣で来たらって言うのもあるけど、こう手を繋いでくれている

 ステファニーさんだって十分綺麗だし。

 隣を歩いてくれている彼女を忠の目線で上から見ると、

 綺麗なリボンで結われた赤い髪と、長い睫も髪と同じ赤色で。

 鼻筋が立ってて大人っぽくって。

 それでいて身長が控えめなので少しだけ歩幅を合わせようと頑張ってくれていて。

 たまーに上を向いて顔を合わせてくれると微笑わらってくれる。

 彼女をただのお姉さんにして置くには勿体ないに違いないんだろうなぁ。

 のんびりと歩いて花火の始まる30分程前にコンビニの駐車場まで着くと、

 程なくして川瀬さん、たち、がやってきた。

「あ、芹沢君! おまたせ! あー! はじめましてっ、

 私彼と同じクラスの川瀬瑠菜と申します。貴女がステファニーさんですね!」

 川瀬さんはシックな藍の浴衣に忠のリクエスト通りの赤の帯だった。

「おっす! 芹沢! きゃー! ステファニーさんっ!

 あたし一目見てからファンなんです! よろしくお願いしますっ。

 同じく芹沢君と同じクラスの村田月子です!」

 何故か一緒に登場した村田さんは黄色の浴衣に赤い紅を挿していた。

 えー!? 彼女も一緒!?

 と思ったけど、ステファニーさんに会いたいって言ってたっけ。

 そうか。仕方あるまい。しかし……。

「はい、私、芹沢さんのお宅でお世話になっております、

 ステファニー・エッレ・ファエドレシアと申します。

 よろしくお願いしますっ!

 わー、お二人とも浴衣綺麗ですね!

 とっても似合ってます! ね、忠さん」

 そう。とっても似合ってます……僕が居て良いのかここに?

「うん、川瀬さんも、村田さんもすごい似合ってるよ!」

 川瀬さんは大人のしっとりした感じの着こなしで、

 髪を片耳が出るようにピンで押さえていて、

 いつもの眼鏡姿だけどすごい綺麗だ。

 一方村田さんはこれでもかってくらい

 女性らしさをアピールした着こなしで

 川瀬さんとは分け目が反対の前髪の髪と紅の色が色っぽいし。

「ありがとう、ございますステファニーさん! 芹沢君!

 なんか浴衣褒めて貰えるのってすごい嬉しいなぁー、ね月子ちゃん」

 小袖を胸で押さえて微笑む川瀬さんはすっごく可愛い!

「ごめんな、ついででついて来ちゃったのに、あたしまで褒めて貰っちゃってさ。

 でも芹沢に褒められるのは悪い気しないかな。ねールナ」

 頬を掻く姿はどちらかというと男の子っぽい感じのする村田さんだけど、

 浴衣の彼女は新鮮だ。そして川瀬さんとみつめ合ってにししと笑う村田さんも可愛らしい。

 あれ……。

 ということは、これから僕ってこの3人と花火見るの!?

 という事態に気付いてこの直後忠の血圧が一気に上がったのは言うまでも無い。

 忠が右手でステファニーさんと手を繋ぎ。

 忠の左側に川瀬さん、

 ステファニーさんの右側に村田さん、

 という構図で花火大会のメイン会場にたどり着いた。

 会場はもう既に人々々でごった返している。出店の屋台なんかも結構出ている。

 ステファニーさんは突如現れた女子二名にいろいろ質問攻めされてるけど、

 涼しそうな顔でにこにこしながら答えている。

 流石お姉さんだ。

「――へぇーそうなんですかー。芸能人かとばっかりあたし思ってましたー。

 でもでも、その可愛さなら絶対地球でアイドルとかなれますよー!

 あたしそしたらますますファンになっちゃいますし!」

 村田さんってこんな喋る子なんだなぁ……クラスではおとなし組の

 方にばかり集まってる忠は村田さんの真の姿を知らなかった。

「そんな、芸能人なんて無理です、絶対私なんかじゃ。

 私よりも、村田さんの方が似合うと思いますよ。そういう華やかな舞台は。

 忠さんもそう思いますよねっ?」

 っと急に話題が飛んできて焦る。

「え、う。うん。村田さんすごい今日だってアイドルみたいに可愛いし」

 と言ったところでちょん、と左から肘で川瀬さんにつつかれる。

「え、ほんとか?! あたしそんな可愛いかなー芹沢ありがとう、お世辞でも嬉しいー」

 肘でつついた川瀬さんの方を見ると。

「まぁ、今日の月子ちゃんは可愛いいけどぉー、むーぅ。私も褒めて欲しいなぁ……」

 言われて更に慌てるが、なんとか言葉を選んで。

「川瀬さんと村田さんでアイドルグループとかいいんじゃない?

 だって二人とも今日すごく綺麗だし」

 と言ったら川瀬さんは眼を丸くしてた。

「アイドルグループって、私達そんなじゃないよ。もうーいい過ぎ。

 そ、そこじゃなくって今何気なく綺麗って言ってくれたでしょうー。

 忠君優しいんだからっ!」

 やんわりと左腕に身体を寄せられてびっくり。

 川瀬さんもにこにこ。手を繋いでるステファニーさんも笑ってくれている。

「しっかし、ここは人がすごいね。ちょっと喧噪から離れないと見えないんじゃ」

 村田さんは隣を歩く人と彼女の肩がぶつかっていた。

「確かにそうだね、もうすこし浜辺の方行こっか」

 忠が言うと、そうだねと川瀬さんと、そうしましょうとステファニーさんも追従した。


「ふう、ここなら少しはゆっくり観られそうね。こんなに一杯いたっけなーって思うくらいの

 人の多さね。毎年来てるんだけどなぁ」

 村田さんがため息をついた。

「なんか今年はすごい人ねぇ、ゴブリンさん達の歓迎の回でもあるからかなっ」

 川瀬さんはステファニーさんを覗き込んでにこりと笑った。

「今年はちらほらゴブリンさん達も見えますね、彼らも大変だったでしょうし、

 花火でもゆっくり観ていってくれるといいですよねー」

 忠がステファニーさんを窺いながらそう言うと。

「川瀬さん、忠さんありがとうございます。日本はお祭りも多いみたいですから。

 いっぱい私達も楽しめるとおもいますよっ!」

 ステファニーさんが応じてから、

「忠さん、あの、今日この恰好できたのはですね、実は、アレをやって欲しいかなーなんて」

 遠慮がちに彼女は指を指して、ゴブリンと人の家族のしていることを示した。

「あ、なるほど。肩車!」

 そうかー! と忠は膝を打った。

 どおりでアイレさんにパンツを借りに行ってたわけか、と全て納得した。

「そっかぁ。そうですね、アレなら高いところも見えるし。

 あ、いっけねそろそろ始まっちゃいますよ!

 それじゃ、ステファニーさんいいですか? しっかり掴まって下さいね!」

 というと忠は屈んで、ステファニーさんに跨がって貰い、

 肩車をしてゆらりと立ち上がった。

「きゃっ! 忠さん、お願いしたのは私ですけど、あの、重くないでしょうか?」

「おー、芹沢君やるー!」

「ちっからもちー」

 二人の美女からも黄色い声援が、

 その甲斐あってかそんなに苦ではない。というか、

「いえ全然、ステファニーさん軽いですよー。

 あ、揺れると危ないからしっかり掴んで下さいね」

 彼女の脚にきゅっと力が入って、

 後頭部の上にすごい柔らかい物がふわふわと触れている事に気付いて、

 今更ドキッとしてしまったが。全然苦にはならないので良かった。

 丁度そのとき、会場内にアナウンスが響く。

『それでは平成二十八年度、七里ヶ浜花火大会の開始ですー!!』

 ピュー

 空に黄色い玉が上がっていった。

 わあっと観客達が盛り上がったあと一瞬の静寂。

 ドパーン

 黄色い大きな花火が打ち上がった。

「わー!」

 ステファニーさんは少しだけ花火に近いところで空に片手を伸ばしてすごい嬉しそう。

「綺麗ねー」

 隣に居る川瀬さんが見上げていった。

「来て良かったー!」

 反対側の村田さんもそう呟いた。

 二発目、三発目と花火が上がってゆく中、

「ねぇ、芹沢君」

 ちょんちょん、と肘を川瀬さんがつつく。

「なあに?」

「あの、今日は、浴衣だからお願いできないけど、

 私もステファニーさんみたいにして欲しいなぁって」

「へっ!?」

「肩車っ! 私だと、ちょーっと重いかなぁ……でも今度、お願いねっ」

 川瀬さんは半分冗談で笑いかけて言った。僕はうんと頷いて返すと、

 じゃぁ私もやれー! と村田さんも食いついてきた。

 頭の上で花火に近い位置で楽しんでいるステファニーさんも

 この遣り取りをみて声を出して笑っていた。


 花火大会の休憩時間になるまで、

 四人で綺麗な花火を観ながら、笑い合って色々話が出来た。

 十五分休憩の際に、ステファニーさんを上から降ろして、

「忠さんありがとうございましたっ」

「いえいえ」忠は立ち上がって、

「そうだ! ねぇ、皆なにか出店で食べたいものある? 僕買ってくるよ」

 気を利かせた訳じゃ無いけど、

 折角女の子三人も来てくれてるのに何もしないんじゃ立つ瀬が無いので提案してみる。

「そうねぇ、フランクフルトとか?」と川瀬さん、

「リンゴ飴とか?」と村田さん、

「たこ焼きっていうんでしたっけ、あの丸くて美味しそうなのは」とうっとり眼のステファニーさん。

 と注文を受けて。

「わかった! 三種類買ってくるね!

 ちょっと待ってて。そうだな、座って食べられる方がいいよね。

 あそこの護岸の方で待っててよ」

「うん芹沢君。」「解ったー、いってらっしゃい」「お願いします、忠さん」

 三人が言うのを背に、忠は買い出しに向かった。

 大勢人が居るから出店も混んでるのでは無いかと思ったけれども、

 大量にそれぞれ作り置きをしてあるらしく、回転がすごい早くて、

 割とさっさと買えてしまい。

 急ぎ足で先程の場所に忠が戻る。

 すると――。

「あの、困りますっ」

「私達連れが居るんでっー」

 川瀬さんと村田さんの声が聞こえて、そちらを向くと、いかにも柄の悪そうな、

 アロハシャツに金髪のお兄ちゃん二人組が三人に絡んでいた。

「止めて下さい」

 というステファニーさんの凜とした声に多少怯んだようだがしかし。

「なぁそんなこと言わずにサ」

「第二部そろそろ始まっちゃうしさー、俺たちと楽しもうぜ?」

 いかにも昭和的なナンパなのか? をしている連中が居た。

 忠はもはやプッツン切れてしまいそうだったが、

 なんとか冷静を心がけて、

 どう対応したら良いかを頭をフル回転させて考える。

 そして、三人を守るようにして後ろ背にし、ゆっくりと二人の男達の前に出た。

「すみませんが、その三人は俺の友達なんで止めてくれませんか?」

 普段、僕、口調の忠が俺と自分を名乗ったので三人は息を呑んだ。

「んだてめぇ?」

「ふーん。カレシ君か何か?」

 金髪一号と二号は全くもってテンプレ通りの受け答えだ、

「止めてくれませんかって言ってるんだが……」

 忠がより強い語調になったので、

 心配になったステファニーさんは胸を押さえた。

 いざって時は魔法を使おうと心に決める。

「ったく、粋がってくれてんな?」

「ふーん、やる気あるんだネェ、キミ」

 ゆらりと二人が忠を挟み込んだ所で、

 それでも忠は冷静を心がけ、スマホを取り出して、電話した。

「もしもし、すみません、警察ですか?

 はい、いま七里ヶ浜の花火大会の会場の西に居るんですけど、

 連れが柄の悪い人に絡まれちゃって……。

 はい。

 そうですね、目印ですか?

 護岸と臨時駐車場の境の階段の近くって言えば解りますか?」

 と忠が言ったところで、

「おい、ヤベえよ?」

「バッカてめ、いきなりサツ呼んでんじゃねぇよ」

 忠は話を続けている。

「――はい、出張の巡回警備が、はい――」

 男二人は突然慌てだして逃げようとしたが、

 その前に遠巻きにその遣り取りを見ていた、

 群衆達をかき分けてお巡りさんが警笛を鳴らしてやってきた。

「こら、お前らか!! 恐喝の現行犯だな!!」

「え、おい早すぎるよ、洒落になんねにげっぞ!」

「おいおいマジかよ! やっべえ」

「こらあーまてー!」

 群衆をかき分けて反対側に逃げていった二人。

 彼らを追いかけお巡りさんは行ってしまった。

 後から数人の警官が来て、

「やぁ、電話くれたのはキミだね。

 助かったよ、今年も若者を脅して金取ってる連中がいるって通報が来てたから」

 さっきのあいつらだったみたいだ。

「責任を持って私達が捕まえるから。ご協力感謝します」

 と班長と思しき一番偉そうな警官に忠は一礼されてしまった。

 はぁ、と気が抜けた忠はそこでよろけて膝をついてしまった。

「忠さんっ!」「忠君っ?!」「芹沢っ!」

 後ろから三人が慌てて駆け寄ると、

「はは、慣れないことしたからちょっと、……いやかなりビビっちゃってさ。

 ごめん情けなくて、あ、これ」

 忠は買ってきた出店の食べ物の袋を掲げた。

 川瀬さんは袋を受け取ってから、丁寧に村田さんに渡して、

 次の瞬間ガバッと忠に抱きついた。

「芹沢君……もう、しんぱいしたんだからぁー…………」

 川瀬さんは大泣きだった。

 そばで観ていた警官はやれやれ、という感じで雑踏の警備に戻っていった。

 ステファニーさんと村田さんも心配そうな目つきで忠のことを見守っている。

 そのまましばらく川瀬さんが落ち着くまで忠がゆっくり立ち上がって、

 肩をさすってなだめていると、

「ごめんね、ありがと、心配したし、怖かったから、私。でも大丈夫」

 ぐずりながらもなんとか川瀬さんも落ち着いてきたようだ。

「こっちこそ、ごめんなさい。無茶しちゃって」

「ううん、私達の為だもん、そんなこと」

 ものすごく傍で顔を合わせてる事に気付いて、徐々に恥ずかしくなってきて、

 離れて目を逸らす。彼女も慌てていたが緩やかに笑ってくれてもいた。

 川瀬さんが忠から離れるのを待って、ステファニーさんが忠の手を取り、

「忠さん、さっき私が魔法を使おうとしてたの、

 解ってたんですね、だから止めに入ってくれて」

 ステファニーさんの問いにこくりと頷き、

「うん、まぁステファニーさんに無茶させちゃダメだと思ってさ」

 正直に伝える。

「いやー、しかし、さっきの芹沢、むっちゃくちゃ格好良かったぞ。

 あたし も 惚れそうになっちゃったなぁー」

 村田さんが言うので、川瀬さんは泪を手の甲で二度拭いてから、

「うん、すごい格好良かった! ありがと! 忠くん」

 もう一度勢いで忠に抱きつこうとしてしまった。

 恥ずかしくなってへへへ。と笑顔で誤魔化す。

「じゃ、私が失礼してっ!」

 さっき出来なかったとばかりにステファニーさんが忠にぎゅっとしがみついた。

 忠はとてつもなく嬉しかったし、頑張って良かったとこの時思った。

「忠さん、頑張りましたねっ!」

 ステファニーさんも褒めてくれた。

 その後、花火大会の第二部が始まり、さっきの買い出しで買ってきた物を食べつつ

 四人で護岸に座って歓談していると、途中で先程の警官が戻ってきてくれ、

 さっきの二人は無事逮捕されたらしい事を伝えてくれた。

 忠は警察から後日事情聴取されることになってしまい。

 住所氏名やら先程の経緯いきさつなどを説明していた。


 二部も無事終わって帰り道、コンビニの前で川瀬さん達と別れる。

「今日は、ありがとうございました」

 忠が先にそう言うが、

「ううん、それは私達の台詞だよー。芹沢君に助けて貰っちゃったし。

 ほんとに、ありがとう」

「すごい楽しかったな! あんなイベントもあったしね!

 いやー、芹沢って普段ナヨナヨしてるように見えるのに、

 ああいう時はバシッて決めるんだなぁ、ホントありがとね」

 二人に言われてしまい先程良く自分でもああいう事が出来たなと思う。

「い、いやー、それほどじゃ」

「ううん、ほんと格好良かった! お巡りさんが言ってたけど、

 今度警察に説明に行かなきゃいけないんでしょう?

 私と月子ちゃんも一緒に行くから声かけてね」

「ああ、うん」

「じゃ、ステファニーさんもまた! あたしまたお話したいんで今度は芹沢ん

 お邪魔しますね!」

「あ、私も!」

 といってくれる女子に嬉しくなってしまう。

「はい、是非お会いしましょう。私も女性のお友達が増えて嬉しいです」

 ステファニーさんは忠の隣で、彼と手を繋いで頷いた。

「じゃ、またね! 芹沢君!」

「うん、また!」

 思わぬ事件も起こった忠の花火大会だった。


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