ふわふわ電波塔

@shioru

第1話

最近、私は腹が立って仕方がないことがある。

『オタサーの姫』って奴だ。

別に個人の趣味嗜好は否定しない。ちやほやされたい気持ちも野望もわかる。

が、もっとクオリティを高めようよ!!


おたくの中でチヤホヤされるというのは、並大抵の努力で勝ち取れるようなものではない!


見た目は勿論、知識、振る舞い、キャラクター性。全てが必要とされる高等職種だ。


モテナイ女の愚痴と思った事だろう。

確かに私は高校時代まではダークヒストリー……だが、その後はモテた。

特に高等オタと電波を中心に。

当時の私のあだ名は歩く電波塔。


まだ、パソコン通信がメイン、インターネットは一部の人間しか使われていない。

そんな時代にネットアイドルとか、言われておりました私。


まあ、今でいう地下アイドルみたいなものですね。

世代でいうなら、先輩はチバレイ。後輩はモモーイになるのでしょうか?


皆さんは昔のネットアイドルなんて、若くて性別が女なら誰でもなれるだろう。

チヤホヤされるだろうと思うかもしれません。

しかし、それは大きな間違いでーす。


皆さん紳士なので、優しくしてはいただけますが、アイドルになるのは大変な努力が必要です。


まず、チャットや書き込みで印象を残し、ファンを作ります。

オフにも出ます。が、それだけではアイドルにはなれません。

私が後の取り巻きの一人に質問し、鼻で笑われた言葉を書いておきます。

「MS-DOSは8000行くらいの簡単なプログラムだよ。誰でも書ける」


MSどす


パソコン通信を始めた時、私のHNに冠されたのは、なんとも微妙なものだった。

周りの女性陣は(リアルではそうとは限らないが、ネット上では)「〜ちゃん」「〜姐さん」なんて呼ばれてるのに、私は歩く電波塔……

仮に私のHNを『シエル』としよう……歩く電波塔シエル、または客寄せパンダしえしえ などと呼ばれていた。


まだパソコン通信でのチャットでも、

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ふわふわ電波塔 @shioru

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ