第15話 召喚魔法

読んで下さっている方にはもしかして少々ガッカリされる事実を、ここでカミングアウトすることにしよう。


私は実は!! 頑張らないゲーマーなのだ!!!


立ってる者は親でも使え ←人生の指針

他力本願 ←座右の銘


私が好きなのはひたすら地道な作業なのである。

昔、弟がやっていたFFで「お姉ちゃん、合宿に行っている間、レベル上げておいて」という命令に従い、レベル99までひたすら上げてあげた姉である。


すげぇムカつかれたけど(・∀・)


経験値上げとは戦闘ではない。

ひたすら同じ所を行ったり来たりして、楽に倒せる敵を何千も倒すだけの行為。

つまり何が言いたいかって?


まあ、言い訳はこれくらいにして、身近にマイクラPEをやったことがあるという奴らが二人ほどいた。名前はMとYと言う。(もしかしたらこれから何回か登場するかもしれない)


その情報を知り、私はさっそく呪文を唱えた。


「出でよ、我がしもべよ!!!」


まずはYを召喚。

封印していた村のそばの洞窟を開く。


「さあ、この中に入り、我が為に鉱石を取ってくるのだ!! 絶対に死んではならぬぞ。もし死ぬようなことがあり、アイテムを失うようなことがあれば、お前の命はないものと思え!」


Yは喜び勇んで中に入った(たぶんだが)

中でどのような死闘があったのかは知らない。きっと激しい戦いがあったのだろう。

約1時間後、Yは無事に戻ってきた。ただし入った入口とは違う森の中で。

そして私にこう言ったのだ。


「ご主人様、洞窟は制覇しました。そしてゾンビスポナーなるものを発見いたしました。もちろん沸き潰しも完了でございます」


※スポナーとは、モンスターが檻に閉じ込められ、無限にモンスターが沸き出てくるブロック。沸き潰しとはその檻と周りに松明をいくつか置いておくことを言う。


「良くやった、我がしもべよ。これからまた召喚することもあるやもしれぬ。覚悟しておくように」

「分かりました、ご主人様」


そうしてYを異界へと帰っていった。



さて、そのスポナーブロックなるものは、経験値トラップというものを作れると、ゆちゅばさん動画情報で私は既に知っていた。

しかし制覇された洞窟とはいえ、私にはまだ入る余裕がない。


そこで後日、召喚したのがMである。


「出でよ、我がしもべよ!!!」


Mは即座に現れ出た。


「この穴の奥にゾンビスポナーがある。お前はそれを使い、経験値トラップなるものを作成するのだ。ただしアイテムを大量に使うことは許されぬ、さらに制限時間は2時間だ。できるな?」

「は、はい、ご主人様」


Mは喜び勇んで中に入っていった。


その後、どんな作業がされていたのか私は知らない。

そして2時間後、Mは穴から戻ってきた。


「ご主人様できました。ベッドとチェストも置いておきましたので、快適な経験値上げが可能でございます」

「良くやった、Mよ」

「中にご案内いたしましょう」


そう言われて中に入ると、なかなか良いものが完成していた。

作られた経験値トラップはこんな感じ。ゾンビスポナーに上下左右に空間を作り、さらに4ブロック下に水を流し、その中心に穴を空けて下へ沸き出たゾンビが落ちていく。さらに落下したゾンビはガラスの柱の中を通って20ブロックほど下へと溜まる。経験地を得るには、ゾンビ達の足下に隙間があり、穴から剣でちょいちょいと叩くだけ。


「なかなか良いシステムだ。これからまた召喚することもあるやもしれぬ。覚悟しておくように」

「分かりました、ご主人様」


そうしてMを異界へと帰っていった。



2体の召喚獣によって、私は大量の鉄、赤石そこそこ、サファイアちょっと、そして経験値トラップを手に入れたのだった。


なお私自身の経験値はいっこうに上がらなかった模様(・∀・)


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