第2話 インハイ選手

 私を含め6人全員が入部を決めたわけですが、練習前ふと内田君の高校時代が気になったので聞いてみることにしたのです。


「内田君ってさ、高校の時って何してた?」


内田君はラケットケースからラケットを取りつつこう返しました。


「ん?高校の時は普通に部活に励んでたよ~。インターハイにも行ってきたし」


「え!?インハイ選手だったの!内田君すごいねっ」


そう、内田君はインターハイ選手だったのです。もちろんテニスだと思いますよね?この話の流れ的に。しかしそこで話をすごかったで終わらせないのが内田流。

 さんざん私がすごいすごいと言っていると。やはり照れるのか、ちょっと頬を緩めて


「いやぁ、そんなことないよ。鍛えれば誰だってあれくらいできるようになるって~」


てれてれとしながらそのようなことを言ってきました。

「いや、鍛えてるだけじゃインターハイになんていけないでしょ!」


「でもほんとに鍛えたくらいだからなあ。しかも56キロ級だから大したことないし」


「ん?」


「え?」


 ここで私はようやく自分が大きな誤解をしてると思いましたね。だってテニスに56キロ級なんてないのですから。


「確認なんだけど……高校時代に入ってた部活は?」


私は恐る恐る聞きました。すると内田君はきょとんとしながら


「え、ウェイトリフティングだよ?」


「!!??」


さすがに驚きましたね。さすが内田君。私が思っていた想像の遥か斜め上へと行きます。そもそもなんでウェイトリフティングからテニスをしようと思ったのか。否彼の場合は中学時代テニスをやっていたのだから、なぜそこからウェイトリフティングをやり、そして戻ってきたのか。謎です。不思議です内田君。


 これをネタに一発芸を夏休みにしますが、その話はまた別の機会に。

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