→いいえ

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「どうだ! おれのこぶんにしてもらえて、うれしい……え? ちがう? ならない? 断固として〝いいえ〟? って?」


 マイケルはきょどっている。


「え? え? え? だっておれ? おまえのこと案内してやったじゃん。おれのぜったいにひみつの女の子データも教えてやったじゃん? ……だから、いいだろ? な? な? な?」


 [いいえ]


「え? えーっ……。えーっ……」


 マイケルはしょんぼりと肩を落とした。

 なんか落ちこみっぷりがかわいそうになってきたが、でも、〝こぶん〟はごめんだ。


「じゃ、じゃあさ……、おれのほうが〝こぶん〟でいいから! だからこぶんになってくれよ! おれもおまえのゆーことなんでもきくから! おれのゆーこともなんでもきいてくれよー! おれ! ゆーこときいてくれるやつ! いないんだよー!」


 いないだろうねえ。


 ねえねえ?

 こぶんじゃなくて、友達ではだめなのか?


「え? トモダチ……って? なにそれ?」


 しらないの?


「それはなに? こぶんより、いーものなの?」


 いいんじゃないかな?


「トモダチ……だったら、なってくれるのか?」


 うん。


「そっかぁ!」


 マイケルは、にぱっと笑った。


 マイケルとトモダチになってしまった……。

 じゃなくて。

 マイケルとトモダチになった。

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